今回は、川上徹也さんの「臆病ネコの文章教室」をご紹介します。
<本の概要>
コピーライターの川上徹也さんの書かれた本です。川上さんは本書以外にも数多くのビジネス書を出されていて、私も何冊か読んでいます。
本書は、“自己主張ができない気弱な人”向けに、文章の力で人を動かすための方法が46のケースとして紹介されています。一例を挙げると、“催促したいけど催促できない”などといった気弱な人が陥りそうな悩みに対しての対処法が書かれています。
何れのケースにおいても、行動科学分野の研究に基づいた学術論文などのエビデンスが掲載されていますので説得力があります。
また各ページに臆病ネコというちょっと頼りなさそうなネコのイラストが入っていますので、気軽に読める内容になっています。
<ライティングに役立つポイント>
どのケースも日常のコミュニケーションにおいて役に立つ内容だと思いますが、個人的にはChapter4にある「認知容易な文章効果」のケースが特に面白いと思いました。
具体的な内容は以下の通りです。
人間の脳というものは複雑な情報を嫌うため、『脳に負担を与えない認知容易な文章』を読むと、人は心地よさを覚え、書き手に親しみや信頼を感じるそうです。
逆に読みにくい文章だと、読む人の脳に負担を与えてしまうため印象が悪くなってしまうのだそうです。
せっかく内容が良くても、読みにくい文章のために印象が悪くなってしまうのは損ですよね。
やはり見た目と同様に、文章も第一印象が大事なようです。
<お薦めしたい人>
概要のところでも書きましたが、口頭では中々自分の考えを伝えることができないような方にお薦めです。ただし文章で相手を動かすための手法が多く紹介されていますので、文章を書く機会の多い方全般にお薦めできると思います。