新職場初日 | ドクター鈴木・あめぶろ研究室

新職場初日

 新しい職場の採用が決まったとき、「キリのよいところで9月1日に着任しますから」と申し上げて「ふざけたことを言うな、今すぐ赴任しろ」と怒られたものだが、その理由が今日わかった。


 今日はその新職場初日。いきなり所属の長たる教授から辞令を拝受して気持ちも新たに窓際の机で執務開始。いやこっちの大学では私の仕事的には大学院の講義もないからバリバリに夏休みなのであって、執務といってもあまり大きな仕事は見当たらない、はずなので結構気持ちが緩んでいたわけだが、今日は結構タイトであった。


 午前中は組織全体の会議、いわゆる「教室会議」である。そこで正式に他の先生方に紹介されて、晴れて仲間入りとなった。終了後所属の長が「午後3時から、ほかの先生には公開していない会議があるからあまり外部に知られないように出席すること」と案内をくれた。今日は朝も午後も会議なのである。あまり生産性の感じられない会議は好きではないのだ、まあ初日だから文句言わずに参加。


 さてその「午後の会議」なのであるが、これがまたとんでもない会議だった。


 9月から採用する助手の面接なのだ。私から見て微妙に直属にはならないのだが組織的には私の部下になる人材である。新スタッフたる私にどうしても23日までに着任してもらいたかった理由はこの会議に出てほしかったからなのだそうだ。っていうか面接始める前に「鈴木先生のご意見を取り入れて選考をいたしたい」と所属長教授のツルの一声!!


 いや、最高に面白い!今までは大学に採用される側として面接に参加してきたがこれからは面接する側じゃないか!


 もちろん企業経営していた時代には社員の面接をした経験があるし、面接対策のゼミナール講師もしたことはあるが、あくまでもそれは民間レベルでの話。今まで何度もトライして玉砕し続けたアカデミックベースの面接はもちろん「する側」としては初体験なのである。


 それでも選ぶのは助手ですよ。私は教授を狙っていたわけだけど、助手の公募に応じる人たちのレベルが高いこと高いこと。私の業績なんか及ばないんじゃないかというような方が面接に来ている。当然その中の一人しか採用しないわけだから、ほかの何人かの方は涙を飲むことになるわけだ。いや気の毒だ。いやよく私が合格したなあ・・・やはり何かの間違いだったのか・・・。


 あぁ、間違いが判明する前に着任してしまってよかった。ほっとした一日だった。ではそういうことで。