40歳後半からの更年期世代、体調だけでなく見た目の若返りと共に、痩身治療のご相談も増えています。

・何だか急に太ってきた

・数年前と同じ食生活なのに太る

・同じダイエット法でも痩せない

というお悩みが多いです。

では更年期世代の体重増加、痩せにくい原因は何でしょうか？

•中年にさしかかると男女問わず様々なホルモンの影響もあり、代謝が落ちるため脂肪がつきやすくなる。

（性ホルモンに加えて、成長ホルモン、甲状腺ホルモンなど複合的な要因）

•閉経前の女性はエストロゲン、プロゲステロンのバランスもあり「内臓脂肪」より「皮下脂肪」がつきやすい傾向にある。

•エストロゲンの分泌が無くなる更年期以降の女性は特に「内臓脂肪」がつきやすくなる。

よく、女性ホルモン補充をすると太りやすくなると思っている方も多いと思いますが、その逆で女性ホルモンは重要な役割をしています。

また、原因は女性ホルモンだけでなく男性ホルモン（女性にも男性ホルモンがあります）も関係します。

ホルモンの低下による血糖の処理能力の低下

エストロゲン、アンドロゲン（男性ホルモン）は血糖の処理能力に影響（インスリン抵抗性）を及ぼします。

★インスリン抵抗性が形成される機序

→エストロゲン、アンドロゲンが低下したことによるインスリンが効きにくくなることにより、分泌されるインスリンの量が増えることによって太りやすくなる

→内臓脂肪が増えるので、そのことによって更にインスリン抵抗性が生じるという悪循環を生みます

若い時と比較して、食べる量も増えてないし、むしろ食事量も減っている方も何故か体重が増加する原因は？

様々なホルモンが関係していたりインスリン抵抗性もUPしてくる事に関係しています。

では、女性ホルモンを補充すればいいのではないか？？と思いますが、国内ではHRTは更年期障害や閉経後骨粗しょう症の治療法とされていて、糖尿病の治療や発症予防を目的とした使用は推奨されていません。

ダイエットのためだけでなく、認知症予防、総死亡率などの点においてもホルモン補充療法は無視できませんが、ホルモン補充療法は癌のリスクのことなど敬遠されがちです。

現段階では、当院でも乳がん検診などは必ず受診して頂いて、さらに遺伝子レベルでの検査などもあります。

医学の進歩とともにリスクよりもメリットが高まっています。

漢方薬はどうなの？というご質問も受けますが、漢方薬はホルモン受容体のバランスを整えるため、ホルモン補充の量を減らしたり、副作用を軽減するうえで重要と言えます。

以上をふまえると更年期太りの治療は、包括的な診断・治療プログラムが重要ですね。

更年期に多いダイエットのご相談