梨の話をしていたら、スーパーにはすでにリンゴが並び、健康関連のニュースにも出てきていました。
「1日1個のリンゴで医者いらず」は、実際かなり当たっています。ただ、多くの場合、風邪予防や便秘の改善、ダイエットなど、いわゆる日常的な健康へのメリットしか認識されていません。しかし、リンゴはがんも予防するという発表がありました。公衆衛生と栄養に関する学会誌に掲載されたもので、イタリア、ペルージャ大学のチームが、以前も出てきたメタ解析(過去に行われたたくさんの研究結果を統合して分析し直す)の手法で調査したものです。
チームが40を超える過去の研究結果を調べたところ、リンゴの摂取習慣が、胃、食道、肺のがんはほぼ50%、乳がんにおいては25%、リスクを低減させているという結論が得られました。これまでもいろんな果物や野菜に、がんに対する予防効果があることは考えられてきていますが、今回は、世界でも最も一般的な果物のひとつであるリンゴではどうなのかを、正確に確かめることを目指したとのこと。その結果、リンゴを最も多く摂取している人のグループは、一般的にいわれているよりもかなり低いがん発生率だったそうです。
どの成分がどう効いているのかという点については、少しだけ「果物全般に含まれている抗酸化物質の働きと考えられる」程度の記載しかありませんでしたので、リンゴ独特の特徴が確かめられたわけではないようです。またこの5つ以外のがんではどうなのかという点もありませんでしたが、これはメタ解析ならまあそうかもしれないな、と思います。
しかしこの点について、日本の企業と大学が共同で「リンゴポリフェノールの抗がん作用」に関する学会発表を行っていました。これによると、リンゴポリフェノールは、がん細胞を自殺に誘導する働きがあるとのこと。ここではがんの部位を特定してはいませんでした。
大腸がんについては、同じくリンゴに含まれるリンゴペクチンが腸内環境を善玉菌優位にすることも、リスクを低減を一層後押ししているのだろうということです。
ほかにも、リンゴポリフェノールが内臓脂肪を分解すること、ペクチンが善玉コレステロール値を上げて悪玉コレステロール値を下げること、高血圧を防ぐこと(津軽地方では高血圧患者が少ないのだそうです)、アレルギーを抑制すること、カリウムが過剰なナトリウムを排出すること、と、こんなに?というほどメリットを確認する研究がありました。
まあひとことで言って、とにかくリンゴは食べておいたほうがいいということのようです。ちなみに、リンゴポリフェノールは皮の部分に多く含まれ、ペクチンは暖かい物のほうがより働きやすいとのこと。
