ベリー類やブドウなど、レスベラトロールを含む果物が肥満の予防や治療に利用できるかもしれません。米国国立衛生研究所から一部資金協力を得て、ワシントン州立大学の研究員、Min Du氏とSongbo Wang氏らが率いた研究報告です。
調査は、高脂肪食を与えたマウスの体重増加を比較するという方法で行われました。その結果、人間にすると一日340gの果物に相当するレスベラトロールを含んだ高脂肪食を与えたものは、そうでないマウスより40%体重増加が少なかったとのこと。どのくらいの高脂肪食をどのくらいの期間とったという詳細は見当たりませんでしたが、どんな場合でもだいたいこれだけ率の違いがでると認識してよいのでしょう。
レスベラトロールはすでに日本でも一般的になりつつある言葉ですが、ほとんどの果物で見つかるポリフェノール(抗酸化物質)です。研究者によると、このレスベラトロールがエネルギー代謝を調節する「AMPK酵素」を活性化することで、貯蔵役の白色脂肪細胞が燃焼可能な「ベージュ脂肪細胞」に変換されるのが確認されたということです。
「白色脂肪」というのが溜めておく脂肪、「褐色脂肪」というのが燃焼される脂肪ということは聞いていましたが、「ベージュ脂肪」というのはこれまで聞いたことがなく、ベージュというからにはその中間だろうと推測。ざっと調べましたところ「ベージュ脂肪」というのは近年見つかった新しいタイプの脂肪細胞で「活性化すると」燃焼して熱産生を行う、とありました。
脂肪の燃焼はUCP1(アンカップリングプロテイン)というタンパク質によって促進されていて、通常は褐色脂肪に多く含まれます。これがベージュ脂肪にも少しだけ含まれているそうです。
となると必要なのは「UCP1の活性化」で、これはどうすればいいかというと、かんたんに言えば交感神経が亢進するときの刺激で起こるとのこと。わかりやすいのが「寒冷刺激」で、寒くて温度が必要になれば熱を作るために燃料を燃やし始めるでしょ、といった感じです。
もちろん運動した結果暑いと感じるのも熱産生の結果ですから、燃料は燃やされています。
まとめますと、
レスベラトロールがAMPK酵素を活性化して白色脂肪をベージュ化(UCP1をゲット)→交感神経の亢進→UCP1が働く→ベージュ脂肪でも燃焼が起きる、という流れですね。
こういうわけで、溜め込んだ白色脂肪をなんとかしたい場合、まずはその脂肪をベージュにできれば素晴らしい。そしてその染料ともいえるAPI酵素は、レスベラトロールを加えるとよりより良く染まるようになるから、レスベラトロールが含まれる果物を食べるのは効率的、ということです。
今回使われたのはレスベラトロールですが、レスベラトロール以外のポリフェノールでも白色脂肪の「ベージュ化効果」は期待できるそうです。特にブルーベリー、ラズベリー、いちご、ブドウ、リンゴがオススメです。
ワイン好きにはちょっと残念なお知らせですが、ワインのポリフェノールの多くは不溶性なため、製造工程でほとんど除去されてしまうので、ベージュ効果は期待できそうもありません。
