ドイツのキール大学の研究グループによる報告です。
しかもつい先ごろアメリカのジョンズ・ホプキンス大学からもほぼ同じ結果を報告する発表もあったということですから、これは信ぴょう性が高そうです。
肥満が糖尿病や血管病のリスクを高めるという話は、もう誰もが再三聞いている話です。また肥満指標のBMI値と大腸がんリスクの関係もすでに知られていることですが、体重の「増加」に着目した大腸がんのリスク上昇に関する報告が出されました。
今回の調査は、過去に出された12の論文に含まれる16151人の大腸がん患者のデータを統合し、統計的な方法で再度解析を行ったということです。こういうやり方を「メタ解析」というんだとか。
その結果、体重を維持していた人との比較で、平均15.2kg体重増加した人は大腸がんリスクが1.22倍に増加。また5kg増えるごとに4%リスクが上がることがわかりました。
大腸がんは若いうちの発症は少ないですが、はっきりと体重増加した人に関しては、年齢に関係なく大腸がんリスクが上がっていました。
これを受けて、研究グループは若いうちから体重管理は重要視すべきだとしています。
日本でも最近、人気ある俳優さんが大腸がんに倒れる悲しいニュースがあり、この病気の怖さを皆が改めて感じています。これを機に大腸がんについて正しい認識を新たにする努力をするべきだと思いました。
「不必要な体重増加」は、生活習慣病や重大な血管の疾患だけでなく、がんでさえ無関係ではないわけで、ほんとうに健康によろしくないことなんだとシンプルに思います。
しかしまた、ストレスで胃腸を壊してどんどん痩せてしまって困っているという人にも会いました。栄養が十分吸収できず、疲労がなかなかとれません。これも大問題です。
こうしてみると、体重や肥満に関する表現は、もう少し注意深くしたほうがいいかもしれないと感じます。「太る」や「肥満」という言葉はざっくりしすぎて、ただただ痩せなければというイメージを抱かせます。商業的には大変利用しやすい表現ではありますが。
必要なのは「適正な体重」を「維持」することでしょう。骨格や年齢や体質が違えば適正な体重も皆違うはずだし、その維持の仕方も違うはず。検診などでこれをきちんと把握して体重をコントロールすることは、もはや大人の常識と言ってもよさそうです。なんとなく痩せたほうがよさそうだから、流行の方法を片っ端からというのは、あまり賢いやり方には見えないと思います。
