答えです。
まず1を。
『「〔 〕に日本的な自然との接し方である。」の〔 〕に入る適当な語はどれか。』でした。
選択肢は、ア 主体的 イ 相対的 ウ 構造的 エ 典型的なんですが、意味的にアとウが消えます。
「ア 主体的」は自分からという意味、自分から日本的な自然との・・・では意味が通りません。
「ウ 構造的」は要素の組み合わせを本質に持っています。では何の構造でしょうか?説明がつきませんね。
ではイとエのどちらが正解でしょう。
「イ 相対的」 は他と比べてという意味、他と比べて日本的な自然との・・・は意味は通ります。
「エ 典型的」は特徴を表すという意味、自然との接し方が日本の特徴を表しているとなり、こちらも意味は通ります。
ここで問題をもう1度見てください。「1つ選べ」「最も適当なものを選べ」とは書いてませんので、正解はイ・エとなります。
2です。
アとウはこれまでの説明を見た方には正解だと分かると思いますので、割愛します。
『イ 西洋人からは、「朝顔に 釣瓶とられて もらい水」(加賀千代)というような俳句は決して出てこなかったのである。』は少し難しいです。
昔の人は共用の井戸を使っていました。
ある日、井戸に水を汲みにいこうとすると、釣瓶に朝顔が巻きついてしまっていました。
日本人は自然を客体視出来ませんから、朝顔を抜くことが出来ません、つまり隣家に水をもらいに行くのです。まとめると、「朝顔に (井戸の)釣瓶(を)とられて (隣家に)もらい水(をする)」という句でした。
こんな自然にやさしい句は西洋人からは出てきませんよね。つまり真です。
すると、『エ 西洋人研究者に真似の出来ない独特な寄与が期待できるのは、日本人の自然観と結びついたときである。』が正解です。
でもこの文章自体は合っているのです。
ただ設問の意図に反します。
「それ(=日本の自然観)は、近代科学や近代科学技術を生み出すような自然へのアプローチとは程遠いものであった。」から、「西洋人研究者に真似の出来ない独特な寄与が期待できるのは、日本人の自然観と結びついたときである」とは推測できませんから。