医療相談サイト「教えて先生っ!」 

 

なんてサイトありません
ただ、そういうコンセプトのサイトがあったとしたら

法的にどうなのでしょう・・・

 

サイトで
Q:体がダルくて、近所のお医者さんで測ってもらったら
FT4=1.31、TSH=6.53でした。
これはどんな病気でしょう

A:甲状腺のホルモンは正常だけど、TSHが上がっているので、甲状腺機能低下症を考えます。耳鼻咽喉科か内分泌内科を受診しましょう

 

これは法的に診療にあたらない?
医師法20条の「無診察診療の禁止」
に抵触する可能性は?
文章で症状・状態を聞いても、診察にはならないので、
この返答が診療行為に当たるなら、無診察診療にあたります

 

 

  1. オンライン診療:OK
  2. 電話診察:NG
  3. ネットで(画像無しの)チャットで相談:NG

 

医師法20条にこうあります

 

「第二十条 医師は、自ら診察しないで治療をし、若しくは診断書若しくは処方せんを交付し、自ら出産に立ち会わないで出生証明書若しくは死産証書を交付し、又は自ら検案をしないで検案書を交付してはならない。但し、診療中の患者が受診後二十四時間以内に死亡した場合に交付する死亡診断書については、この限りでない。」

 

例えば
「先週風邪で学校(会社)を休んだけど
そのときは受診してません

診断書を提出するように学校(会社)から言われたので

診断書を書いてほしい」

 

これで診断書を書いたら、アウトです
医師法20条違反です

 

 

診察料を取らなかったら、電話やチャットでの相談で助言をしてもOK?

いえいえ、医師法ですので、保険診療のみの規定ではなく

医療行為全般の規定です。

 

診察料を取る取らないにかかわらず、診断は医療行為に当たります。

 

 

 

現在、オンライン診療というものが可能ですが、厳格な指針の元で行われています
そして、適応対象としては

 

オンライン診療では、 ・ 得られる情報が視覚及び聴覚に限られる中で、可能な限り、疾病の見落と しや誤診を防ぐ必要があること ・ 医師が、患者から心身の状態に関する適切な情報を得るために、日頃より 直接の対面診療を重ねるなど、医師-患者間で信頼関係を築いておく必要が あること から、初診については「かかりつけの医師」が行うことが原則である。 ただし、医学的情報が十分に把握でき、患者の症状と合わせて医師が可能と 判断した場合にも、オンライン診療を実施できる。 上記以外の場合であって、初診からのオンライン診療を行おうとするときは、 診療前相談を行う。 また、オンライン診療の開始後であっても、オンライン診療の実施が望まし くないと判断される場合については対面による診療を行うべきである。 オンライン診療後に対面診療が必要な場合については、  「かかりつけの医師」がいる場合には、オンライン診療を行った医師が「か かりつけの医師」に紹介し、「かかりつけの医師」が実施することが望まし い。  「かかりつけの医師」がいない場合等においては、オンライン診療を行った 医師が対面診療を行うことが望ましいが、患者の近隣の対面診療が可能な医 療機関に紹介することも想定される(ただし、オンライン診療を行った医師 13 自身では対応困難な疾患・病態の患者や緊急性がある場合については、オン ライン診療を行った医師がより適切な医療機関に自ら連絡して紹介するこ とが求められる。)。

 

 

大前提として、視覚、つまり
声だけではなく映像でが必要(もちろんそれぞれのクオリティも)

そして
必要と判断っした場合、いつでも対面診療に切り替えられる、もしくは、対面診療が可能な医療機関を紹介できる体制が必要

です

 

 

遠隔健康医療相談
 

 

 

話を戻すと

教えて先生っ!

の場合、医療行為ではなく、あくまで

遠隔健康医療相談

というカテゴリーにあたります。

 

平成30年3月に作成され、厚生労働省が令和4年1月に改訂した「オンライン診療の適切な実施に関する指針」によると、
遠隔健康医療相談は医師が行う場合と医師以外が行う場合に分けられ、
医師が行う場合は

「遠隔医療のうち、医師ー相談者間において、情報通信機器を活用して得られた情報のやりとりを行い、患者個人の心身の状態に応じた必要な医学的助言を行う行為。相談者の個別的な状態を踏まえた診断など具体的判断は伴わないもの。」

医師以外が行う場合は

「遠隔医療のうち、医師以外の者ー相談者間において、情報通信機器を活用して得られた情報のやりとりを行うが、一般的な医学的な情報の提供や、一般的な受診勧奨に留まり、相談者の個別的な状態を踏まえた疾患のり患可能性の提示・診断等の医学的判断を伴わない行為。」

と定義されています。

引用:「オンライン診療の適切な実施に関する指針」 厚生労働省 P.6

 

 

 

相談者の個別的な状態を踏まえた診断など具体的判断は伴わないもの

が原則で、個別の数値や状態に対する助言は診療行為に当たるのではないでしょうか。

 

Q:子供が嘔吐してぐったりしています
A:救急を受診してください
はOkでしょう

 

Q:皮膚にぶつぶつができています

A:皮膚科か内科ですね。どんなぶつぶつが、いつから?
Q:体中に赤い、小さなぶつぶつです
A:麻疹風疹などの感染症なども考えられますし、まずは内科・小児科でしょう

このやり取りは具体的な判断が入ってきているとも見れます

 

「教えて先生っ!」に寄せられる質問
つまり

遠隔健康医療相談
に関しては
医師が答えるとしても

具体的判断はダメなんです

 

でも、質問者は具体的判断が欲しいのでしょう。
この点で、もう、すでに、提供する側とされる側で

完全にコンセプトのとらえ方がかみ合っていません