昨日、9月11日は21年前、アメリカで同時多発テロが起きた日です。


亡くなった方の中には助かる場所に助かる時間にいたにもかかわらず、使命感から他の人を救助に向かった消防、医療関係者がいたそうです。


テレビで遺族は

「他の人を助けに行った父、夫を尊敬する。だが同時に家族が残され、どう思うか考えてほしかった、という気持ちもある」

と語っていました。


医療者として、もし災害現場近くにいたら、どう動くか?


現在では「自分及び家族の身の安全の確認をしたのち、医療活動に従事する」ことになっています。


家族の安全がわからなければ、医療活動に専念できないかもしれないからです。


でも、と思います。目の前に助けを必要としている人がいれば、「惻隠の情」から危険をかえりみず救助に向かう人がきっといるだろうと。


医学生の頃、医師になったら人並みの幸せな人生は送れないのかもしれない、と思ったことがあります。家族よりも患者さんのことを考えなければいけないのでは?と。


医療はチームで行っているので、自分の代わりをしてくれる人はいるので、任せることができます。だから、私も人並みの幸せをな人生をおくれています。


でも、災害や緊急の事態のときどうするか?家族を優先してその場を離脱すれば、後々「あの時、助けに行けばよかった」と罪悪感に苛まれるかもしれません。


しかし、死んでしまえばその後悔もできない。


いま、その答えは出せませんが、この問題は考え続けていかなければならないと思っています。