昨日までは、プロスタグランジンがAGA(男性型脱毛症)治療にあついこと、そしてプロスタグランジンD2(PGD2)の濃度を下げる、つまり発現を抑制することがAGA最新治療のカギだということわかった。
しかし、AGAの新薬が世に出まわるまではしばらく時間がかかりそうなので、現時点でこの知識を応用できないか考えるのが、本日「プロスタグランジン最終章」である。
さっそくだが、プロスタグランジンを考えるうえで、アラキドン酸カスケードの知識は必須である。
詳細は知らなくても全く構わないが、アラキドン酸は生体内にある脂肪酸であり、プロスタグランジンはアラキドン酸が代謝された結果、作られる生成物である。
またいつものようにWikipediaも貼っておこう。
このWikiの図を見てほしい。
ちょっと見にくくて恐縮だが、左真ん中にPGD2と書いてあるのがわかるだろう。
そしてWikiにも書いてあるが、アラキドン酸からプロスタグランジンが作られるのを抑制する物質がある。
一つはステロイド、もう一つは非炎症性消炎鎮痛剤(NSAIDs)である。
まずステロイドから。
ステロイドのついては、誤解を恐れずざっくり行ってしまうと、何の病気にも効く可能性があるということだ。
今回の脱毛症への効果という観点から見てみよう。
ステロイドホルモンが過剰に生成される病気に、クッシング症候群というものがある。
そして、その症状として多毛というのがしばしばみられる。
ではステロイドを内服するのが良いのか?
答えはNOである。
なぜならステロイドの内服には、消化管潰瘍や骨粗しょう症といった様々な副作用があるからである。
なので、効果の可能性および使用実現性を考えると、ステロイド外用薬は考慮の価値があるのではないかと考える。
次に非ステロイド性消炎鎮痛剤であるNSAIDsはどうだろうか?
この薬の「消炎」も「鎮痛」もプロスタグランジンの産生抑制による作用です。
「頭痛にバファリン」が代表的なNSAIDsですね。
ではまずステロイドの時と同様に外用薬の可能性を考えるべきだろう。
このNSAIDsの外用薬の一成分は、市販のバンテリンなどにも含まれていますね、もちろん臭くて頭皮になどぬれませんが(笑)
そしてバファリンなら飲んでも大丈夫なんじゃないの、と思う方が多いはずである。
確かにその通りだが、やはり消化管潰瘍や喘息などの副作用はあるのだ。
だから内服薬はステロイドほどでないにせよ、多少注意深く見守る必要がある、と言える。
まとめると、プロスタグランジンの産生を抑えることで、AGAに効果がある可能性を含んだ薬品は次の3つ。
・ステロイド外用薬
・NSAIDs外用薬
・NSAIDs内服薬
ではこれらは実際にAGAに効果があるのか?
いずれこれらの医学的なエビデンスを紹介しながら、プロスタグランジン最終章を締めくくればと思っている。
それではまた。