2026年4月、中学受験界は大きな転換点を迎えています。
1885年創立の日本学園(東京・世田谷区)が、今月ついに「明治大学付属世田谷中学校・高等学校」として新たな一歩を踏み出しました。さらに法政大学と東京家政学院は今月、2027年4月から東京家政学院の中高を法大の系列校にすると正式発表。校名は「法政大学千代田三番町中学・高校」になる予定です。
GMARCHブランドの勢力図が、いま急速に塗り替えられています。
■ なぜ今、これほど付属校が支持されるのか
受験相談でご家庭と話していると、親御さんの視点が明らかに変わってきたことを感じます。
以前は「大学受験を楽にしたい」が動機の中心でした。でも今は違います。
「この子が22歳になったとき、どんな就職ができるか」
そこから逆算して12歳の志望校を選ぶ時代になっています。
■ そもそも、一般入試でGMARCHに合格するのはどれだけ難しいのか
付属校の価値を語る前に、まず知っておいてほしい現実があります。
「GMARCHなら頑張れば入れる」——そう思っている親御さんは、今すぐその認識をアップデートしてください。
MARCHの平均合格率はおよそ24%、倍率に換算すると約4.2倍です。つまり受験生の4人に3人は不合格になる計算です。
しかもこの数字、ここ10年で大きく様変わりしています。2016年度から文部科学省による入学定員管理の厳格化が行われ、定員を超えて学生を入学させると補助金が給付されなくなる制度が施行されました。その結果、各大学は合格者数を以前より絞り込む対策をとるようになりました。
さらに追い打ちをかけているのが、入試制度そのものの変化です。明治大学では学部によって一般選抜・共通テスト利用・英語外部検定試験利用など複数の方式が存在し、青山学院大学では共通テストプラス学部独自試験方式、立教大学では英語外部検定スコア利用方式を採用するなど、入試制度の複雑化が進んでいます。
受験生は、学力だけでなく「どの入試方式で戦うか」という「戦略」まで求められる時代になっているのです。
2025年度の私立大一般選抜は全体で「志願者7%増・合格者3%減」となり、倍率は前年の2.8倍から3.1倍に上昇。難関校では軒並み倍率がアップしました。
「18歳のときに本気で勉強すればGMARCHに入れる」——その前提が、もはや崩れかけています。
だからこそ、12歳の段階で付属校という「出口」を確保しておく選択が、リスクヘッジとしても、時間の有効活用としても、合理的なのです。
■ GMARCHが就活市場で持つ、揺るぎない安定感
就職活動においては、GMARCHブランドを「学歴フィルター」の基準にしている企業も多数存在します。
中学受験でGMARCH付属校に入ることは、18歳の熾烈な大学受験を回避するだけではありません。就職活動の「スタートライン」そのものを確保することでもあるのです。
各校の強みも明確です。青山学院大学は英語力を活かしたグローバル企業・航空業界への就職に強く、法政大学は公務員・マスコミ関係で高い評価を得ています。
そして忘れてはならないのが、各校の校友会(OB・OGネットワーク)の力です。明治・青山学院・立教・中央・法政・学習院、いずれも業界を問わず卒業生が第一線で活躍しており、この「縦と横の絆」は付属校出身者ならではの武器になります。
■ 「受験のない高校3年間」が、最強のガクチカをつくる
採用で企業が最重視するのが「ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)」です。
進学校の生徒が高校3年間を受験対策というインプットに費やす間、付属校の生徒はその時間を積極的なアウトプットに全振りできるからです。
✅ 長期留学・本物の英語力の習得(受験英語ではなく、実用コミュニケーション力)
✅ 論文・起業・プログラミングなど専門的なプロジェクト
✅ 部活・学祭のリーダー経験(高3の最後まで組織を動かした体験)
これらは企業が喉から手が出るほど欲しがる「非認知能力」そのものです。
私がご家庭にお伝えしている「成功の方程式 = 目的 × 意欲 × 能力」で考えると、付属校の生徒は12歳から「自分は何のために学ぶのか」を探す余裕が生まれます。その余裕が、高い意欲と本物の能力に直結するのです。
■ 「お金」で見ても、付属校は合理的な選択だった
「付属校は学費が高い」——そう思っている親御さんは多いです。でも、トータルコストで見ると話は変わります。
まず、進学校ルートで避けられないのが予備校・塾の費用です。大学受験の塾費用の相場は、高校3年生で年間約100万円。高校1・2年生でも年間60万円程度が平均的な支出です。つまり高校3年間で合計すると、塾・予備校だけで200〜250万円超になる計算です。
さらに怖いのが浪人リスクです。浪人生が予備校に通う場合の年間費用相場は120万円〜150万円。1年浪人すれば、それだけで大きな追加出費が発生します。
では、進学校ルートとGMARCH付属校ルートの費用総額を比べてみましょう。
|
費用項目 |
✏ 進学校ルート |
🏫 GMARCH付属校 |
|
中高6年間の学費 授業料・施設費等 |
約 750万円 |
約 750万円 |
|
高1・高2の塾費用 年間約60万円×2年 |
約 120万円 |
0 円 |
|
高3の予備校費用 年間約100万円 |
約 100万円 |
0 円 |
|
大学受験料 複数校・複数方式 |
約 10〜20万円 |
0 円(内部推薦) |
|
浪人1年の予備校費用 年間120〜150万円 |
約 120〜150万円 |
0 円 |
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概算合計 |
約 1,100〜1,120万円 |
約 750万円 |
付属校ルートで最大 約370万円の節約 ※現役合格の場合でも約230万円の差
私立中高一貫校の6年間の学費総額は約747万円。これに塾や家庭教師などの学校外活動費を加えると、約1,000万円程度が必要になるとも言われています。
一方、GMARCH付属校であれば、その「学校外活動費」の多くを留学・部活・プロジェクトなどの自己投資に振り向けることができます。
節約した400万円を子どもの「経験」に使える——これが、もう一つの現実です。
■ 明大世田谷・法政千代田三番町——何が新しいのか
【明治大学付属世田谷】
明治大学にとって42年ぶり3校目となる系列校です。卒業生のおよそ7割(約200人)以上が明治大学への推薦入学試験によって進学できる教育体制の構築が目指されています。
中学入試の偏差値は2020年度の40〜41から、系列校化公表後の2024年度入試で64〜68にまで急上昇しています。
京王線・明大前駅から徒歩5分という好立地も、都心で通いやすい環境として受験生に人気です。
【法政大学千代田三番町】
法政大学付属校の校長経験者が校長に就くほか、家政学院の理事会メンバーの3分の1を法政大学関係者が占める形での連携体制が構築されます。
教育面では、大学間の単位互換制度の活用や連携プログラムの推進、高校から法政大学への学校推薦型選抜の拡充も検討されています。
千代田区三番町という法政大学の市ヶ谷キャンパスに隣接した立地も大きな魅力です。2027年度入試から本格始動します。
【コラム:市ヶ谷エリアと法政大学の「地の利」——三輪田学園という先例】
実は、この「法政大学×市ヶ谷立地」の相性の良さを、すでに体現している学校があります。千代田区九段北に位置する女子校・三輪田学園です。
三輪田学園と法政大学は互いに隣接した土地に校地を有しており、2015年度から高大連携協定を締結。2023年度からは協定校推薦制度、高大連携講座、特別聴講制度(データサイエンス・単位認定制度)へと連携を大幅に拡充しました。
現在、法政大学の全学部・学科から最大30名までの協定校推薦枠が設けられており、志望する学部を生徒自身が選択できる制度となっています。
ただし、三輪田学園はあくまで高大連携の協定校であり、「系列校」ではありません。学校側も「基本は一般選抜、その延長線上に推薦という選択肢が増えた」という姿勢を明確にしており、付属校とは異なるスタンスを保っています。
一方、2027年開校の法政大学千代田三番町は、同じ市ヶ谷エリアでありながら正式な系列校として推薦枠を持つ、より強固な接続を持ちます。
市ヶ谷周辺には「法政への道」が段階的に揃っている——全国でも珍しい地域的集積が生まれつつあります。
■ 12歳の選択が、22歳の就活を変える
「中学受験で大学まで決めてしまうのは早すぎる」と感じる方もいるかもしれません。
でも実際は逆です。
12歳で大学受験のプレッシャーから解放されることで、子どもは本当にやりたいことを見つける時間と自由を手に入れます。その6年間の積み重ねが、就活で語れる「本物のストーリー」になるのです。
一般入試で4人に3人が落ちる時代に、予備校に200〜250万円を注ぎ込んでも結果が保証されない時代に、付属校は単なる学歴の保険ではありません。
子どもの10年後を豊かにするための、合理的な投資です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
では、また!
中学受験に維新を起こす男
中学受験コンサルタントの野田英夫でした。
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医学部進学は「予備校代で2000万円」もあり得る…普通の受験とはまるで違う「医学部専門予備校」という世界
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