「週に4日、塾に通っているのに、テストの点数がまったく上がらない」
「宿題を始めても、すぐに手が止まってしまって。何をどうすればいいかわからないと言うんです」
「もっと量をこなすべきなのでしょうか。それとも、塾を変えるべきでしょうか」
こういった相談を、毎週のようにいただきます。
先週、「親塾」という仕組みの構造的な問題についてお話ししました。今日はその続きとして、「そもそも勉強の量を増やしても成績が上がらない理由」について、お伝えしたいと思います。
「やっている」と「わかっている」は、まったく別のことです
多くのご家庭で、「勉強時間は確保できている」という状況があります。塾に行き、帰ってきて宿題に向かっている。でも成績が上がらない。
この状況を「努力が足りない」「量が足りない」と判断してしまうのは、非常に危険です。
なぜなら、多くの場合、問題は「量」ではなく「質」にあるからです。
そもそも、授業を理解して帰ってこなければ、宿題はまともに手がつけられません。解き直しも、何を直せばいいかわからなければ意味をなさない。「宿題をやっている」「解き直しをしている」という状態が、実は成立していないケースが非常に多いのです。
お子さんが宿題に向かっているとき、こんな様子はありませんか。
・解答を見て「わかった」と思ったまま、自分で再現できるか確かめていない
・丸つけだけして、解き直しをした「つもり」になっている
・手が止まったまま、長い時間ぼーっとしている
・同じ問題を翌週には忘れている
これらは「勉強していない」のではありません。「勉強している風になっている」状態です。そしてこれは、お子さんの意志の問題ではなく、仕組みの問題です。
「わからないまま次へ進む」の積み重ねが、成績の壁を作る
中学受験の算数を例にとってみましょう。
算数は積み上げ型の科目です。
「比」の理解が曖昧なままだと、「速さ」の応用で苦戦しやすくなります。
そして、「速さ」が十分に理解できていないと、「旅人算」などの応用問題で一気につまずくことがあります。
大手塾のカリキュラムは、非常にスピードが速い。「今週は比。来週は速さ。再来週は旅人算」というペースで進みます。理解が追いついていない子でも、カリキュラムだけは先へ先へと進んでいく。
授業で理解できていなければ、宿題は「作業」にすらなりません。ただ時間だけが過ぎていく。それでもカリキュラムは進む。この繰り返しが、成績の壁を作っていきます。
これを私は「理解の抜け穴」と呼んでいます。穴が小さいうちは気づかない。でも穴が積み重なると、あるところで一気に崩れる。5年生の秋以降に成績が急落するお子さんは、たいていこの「理解の抜け穴」が原因です。
「量を増やす」前にやるべきこと
「成績が上がらない」と感じたとき、多くのご家庭が取る行動は「量を増やすこと」です。問題集を買い足す。塾のコマ数を増やす。特訓クラスに入れる。
でもこれは、穴の開いたバケツに水を注ぎ続けることと同じです。先に穴を塞がなければ、水はいつまでたっても溜まりません。
必要なのは量を増やすことではなく、授業の中で理解を完結させることです。
わからないまま帰ってこない。宿題に手が止まらない。解き直しが意味のある作業になる。この状態を作るのは、本来、塾の仕事です。「家に持ち帰ってからが大変」という状況は、授業が完結していないサインだと私は考えています。
「その場で完結する」学習の力
早慶ゼロワンの授業では、「その授業の中で完全に理解して終わる」ことを絶対のルールとしています。
「なんとなくわかった」で終わらせない。先生が問題を解かせて、「なぜそう解いたのか」を必ず説明させる。説明できなければ、まだ理解していない。説明できたら、はじめて「理解した」とみなす。
この「説明させる」というプロセスが、実は非常に重要です。解けても説明できない問題は、少し条件が変わると途端に解けなくなる。本番の入試では、「見たことがある問題」ではなく「考えたことがある種類の問題」が出ます。だから「説明できる理解」が必要なのです。
そして、「わかった」から、「できる」ようにしなければなりません。
1対3の個別指導だからこそ、この「説明させる」プロセスを毎回の授業でできます。20人のクラスでは、一人一人に説明させる時間は取れません。これが集団授業との、決定的な違いです。
「頑張っているのに報われない」を終わらせるために
お子さんは、頑張っています。親御さんも、そのそばで心配しながら、ずっと見守ってきた。
それでも結果が出ないのは、努力の方向が「量」に向かっているからかもしれません。中学受験で必要なのは、量よりも「理解の質」です。
「今の勉強法で本当に合っているのか」「うちの子はどこでつまずいているのか」——その答えは、量をこなす中ではなく、一度立ち止まって確かめることの中にあります。
早慶ゼロワンでは、無料の学習相談を随時受け付けています。テスト結果を持ってきていただければ、「理解の抜け穴」がどこにあるかを一緒に確認することができます。「今のままで大丈夫か不安」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
野田英夫による個別相談はこちら
https://timerex.net/s/0002altair_c8a6/cf73ae4e
野田英夫(のだ・ひでお) 早慶ゼロワン代表。早慶GMARCH付属中学専門の個別指導塾を運営。著書『中学受験 大学付属校 合格バイブル』(ダイヤモンド社)。
YaHoo!ニュースに取り上げられました。
医学部進学は「予備校代で2000万円」もあり得る…普通の受験とはまるで違う「医学部専門予備校」という世界
https://news.yahoo.co.jp/articles/bfc7f49a30b5b072cbe068cd5765271ddffcce1d
なぜ医学部の現役合格生は「中高一貫校」ばかりなのか…どんどん難化する医学部入試という異常な世界
https://news.yahoo.co.jp/articles/def2959fcf44c0eafdb2763edbbad7ca521b9f5e
医師を目指す親子が中学受験でやりがちな2つの誤解
難関進学校と大学付属校「併願の落とし穴」
医学部進学を目指せ!偏差値が低くても1年で大学付属校に合格する勉強法
【医学部進学のための「中学受験」】
中学受験時の偏差値30台…それでも医師を目指せる「医学部3.0」ルートとは?
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