若返りができるかどうか、最新科学の世界から一歩踏み込んでお伝えします。
ノーベル賞受賞者の山中伸弥(やまなかしんや)先生の業績です。ノーベル賞を受賞した直接の内容は、「神秘的な力を借りることなく、人の皮膚細胞を37歳若返らせた業績」です。
先生は、36歳の白人女性の顔から取った皮膚細胞を,お皿の中で一ヶ月という短い時間に、生まれる前のころまで若返えらせました。あっという間に37歳も若返えらせた訳です。
驚きはまだあります。お皿の中のこの細胞は、ほとんど何にでも成長させることができます。目の奥にある網膜、心臓、脳、あらゆる臓器に育てられます。さらに、卵子にでも、精子にでもすることができます。すると・・・、そうです。赤ちゃんができるのです。大人の皮膚を使って赤ちゃんができるのです。もちろん、こういった研究は法律で厳しく禁止されています。
山中先生が使った細胞は36歳の皮膚ですが、何歳の皮膚でも可能です。たとえば、あなたの耳の後ろの皮膚を少しばかり(1センチ角)取り出し、この技術をつかえば、あなたの皮膚は、お母さんのお腹の中にいた頃まで若返り、そしてこの世に赤ちゃんとなって生れて来ることが科学的に可能となったのです。あなたがこの世に二人、三人、四人になるということです。くどいようですが、人間を作り出す事は法律で禁じられています。
でも法律が変われば、あるいは法律が届かない世界では、あなたは、あなたと全く同じ遺伝子をもった赤ちゃんを抱くことができます。頭がこんがらがってきますよね。
この技術は「iPS細胞」技術と呼ばれています。今や世界中の研究室や病院で研究用として使われています。山中伸弥先生の発見したこの「iPS細胞」は、今世紀の最大の発見として、私たちの医療の姿を根底から変えてしまおうとしています。
いかがでしたでしょうか。「人は若返ることができる」一端に触れていただけたでしょうか♪