こんにちは。最新アンチエイジングのDr.ウメジです♪

ホルモン療法について、過去の悲惨な事例を

ご紹介します。


わざわざ悲惨な例を挙げるのは、興味本位からでも

あなたを震え上がらせるためでもありません。


あなたの未来のためです。

悲惨な歴史をみることで、何が諸悪の原因かを

非難することよりも、医療関係者たちは最善を

つくしていたにもかかわらず、悲惨な結果を

招いたという事実を知る事が大切です。

そして、あなたに、この経験から何が学べるかと

いうことを知って頂きたいからです。


単に「ホルモン療法って、恐いね~」とか、

「ホルモン療法って、アンチエイジング成功には

必須だよね~」といった曖昧な知識では、

最新のホルモン療法であるBHRTは、うまく

取り入れられません。


前置きはこれくらいにして、いままで何が起こって

いたのかをご案内しますね。




今から50年ほどまえの1960年代です。

女性にとって、運命を分ける出来事が米国で起こ

りました。経口避妊薬ピルの登場です。

体に女性ホルモンを与えて,妊娠しているような状態を

作り出しますので、排卵が抑制され、避妊となります。

これがピルの主な作用です。


女性が妊娠をコントロールするという画期的な療法です。

ピルは、今では、先進国たとえば米国とかフランスでは、

女性の半数近くが使用しています。

一方、日本では、数%にも満たない人しか

使っていません。


ピルの登場によって、女性の身体にホルモンを補う

科学分野が急速に進展してきました。さらに、

これに火をつけたのが、話題の本となった

「永遠の女性」です。


エストロゲンが女性をいつまでも若く、元気で、

みずみずしく、セクシーでいることを、つまり、

永遠に女性美を保って生きる事を可能にしてくれる

というのです。



こういった背景がありましたので、

初めて市販された、エストロゲン製剤のプレマリン

が爆発的に売れたわけです。


プレマリンは、雌馬の尿から合成された

エストロゲンです。

人のエストロゲンとは似ていますが

同じではありません。

このことが、10年後に大きな問題を

噴き出す事になります。


たくさんの犠牲者が出てきました。

10年後の1970年代の半ば、エストロゲンの使用で、

子宮内膜がんの発生が4倍になるという研究結果が

次々とでました。



一方、別の研究でエストロゲンとプロゲステロンを

一緒にとると、子宮内膜がんが防げることが報告され、

エストロゲンの問題は、いったん収まるかに見えました。



1980年代は、幸い、エストロゲンの追い風が

吹きました。

エストロゲンが悪玉コレステロールを押さえ、

女性の主要な死因の心臓病からまもること、

さらに、骨粗しょう症の予防にも効果があることが

わかってきました。



研究が進むにつれて、まるでエストロゲンは女性の

ヒーローになってきました。

「うつ病を治し、膣の組織を厚くし、ほてりを止め、

心臓病そして骨粗しょう症を予防し、おまけに

アルツハイマー病まで追い払う!」

まるで、万能薬ですね。



しかし・・・・
ついにくるべきものが来たという大事件が

起こりました。

エストロゲンにとんでもない欠点があることが

発見されたのです。

エストロゲンの使用で、乳がんが増えることが

わかったのです。



もちろん、これは、薬の副作用というより、

エストロゲンの性質そのものに由来している

ことですが、不安が広がっていきました。


もともと、体の中にあるエストロゲンは、

乳房や子宮のようなエストロゲンに敏感な組織の成長を

刺激するから、必要以上に多く投与すると起こり

うる事でした。



そして、決定的な2002年の大混乱がおこります。

WHIと呼ばれる大規模の臨床試験の結果、

エストロゲン単独(プレマリン)でも

エストロゲンとプロゲステロン(プロべラ)併用でも

(プレンプロ)、がんのリスクが倍増することが

示されました。



この発表がおこると、何百万人の女性、そしてその

医師たちは、大混乱に陥ったわけです。



この混乱が、ホルモン療法がとてつもなく、「悪!」

と、結論が下された原因です。

いまでも、患者が

「ホルモン補充療法をしたい」と言うと、

「乳がんになるつもりか!」と注意する医師たちが

いらっしゃいます。その方々は、この時代の知識で

止まっています。


2002年の大混乱から、多くの医療関係者は

立ち直れなくなった人々、そして逆に2002年の

研究結果は、やり方と解釈の仕方が間違っていると

主張する人々に別れました。



それから、慎重な研究が、世界中で(日本でも)行われ、

大混乱を起こした研究の方法の欠陥というよりも、

使ったホルモン自体が問題であることが

明確になってきました。


女性の体にもともと作られているホルモンではない

プレマリン(馬の尿から合成)、プロベラ(合成)を

使うこと自体が大きな原因であることが、

徐々にわかって来ました。


この間、どれほど多くの女性が乳がんで苦しみ、

乳がんがもとで亡くなられた事でしょう。


同じように、この間、医師たちも苦しみました。

賢明に治療しようとした事が、逆に命を縮め、

命を落としてしまう結果になったわけです。


さらに、社会的な制裁として、ガンになるおそれが

あるホルモンと知っていながら投与したと

訴訟になるケースも多々ありました。




ここで小休止しますね。

ここまで読んできたあなたは疲れた事とおもいます。

つづきは、次回にします。


最新アンチエイジングのDr.ウメジでした。