2007年から私の出身大学である順天堂大学の大学院に所属し、小林弘幸教授のもとで、美容外科における医療安全をテーマに研究を続けてきました。大学院は4年ですので、来年の春で一区切りがつきます。

 

美容外科は国内のほとんどが小規模なクリニックでの診療となり、大学病院や総合病院ほどの大掛かりな設備はないのがほとんどです。そのなかで各種麻酔を使用して行なっていく診療、手術の毎日で、医療事故のないように安全に診療を行なうにはどのような工夫が必要かを様々な観点から検証し、各種学会や研究会などで発表してきました。

また、私の研究では、医療事故のみならず、患者さんの術前・術後の不満がないようにするための医療機関としての医師や看護師、受付を含めた接遇などもテーマにしてきました。これには、設備の充実から電話やメールでの予約の取り方、待ち時間の短縮、相談時間の充実、術前不安や疑問の解消のお手伝い、術後当日の不安や相談事への対応方法など多岐にわたります。

 

ただしここで誤解がないようにお話ししたいことは、医療機関が患者さんに対してあまりにも、お客様扱いしすぎてしまうことが医療安全面でも、治療の結果にも必ずしも双方にとっていいことにならないことも多いということです。

たとえば、患者さんが治療で痛みが怖いから麻酔を多く使ってほしいという要望があった場合、患者サービスのためにドクターは必要以上の麻酔を用いることがはたして良いことでしょうか?

 少量の局所麻酔のみで簡単で短時間に終わる手術にもかかわらず、手術中が終わるまで眠っていたいというご希望に対して、鎮静させる薬や麻酔を簡単に使うことはどうでしょうか?鎮静効果のある薬剤のほぼすべてにおいて呼吸を抑制したり、停止させる作用もあります。

サービス過剰はリスク増大へとつながることをドクターは肝に命じ、また患者さんにきちんと説明してご理解をいただくことも本当の意味での患者サービスではないかと思います。

私の美容外科安全対策の研究は永遠に続きます・・・。

 

私の経歴はこちらをどうぞ

http://keisei.ne.jp/doctor.html

 

 

タウン形成外科クリニック