今回は手足口病流行のお話です。

 

 主に子どもが感染し、手足や口に発疹ができる手足口病の患者が、この時期としては過去10年で最も多くなっています。専門家は流行はしばらく続く可能性があるとして、手洗いなどの感染対策を呼びかけています。

 

 国立感染症研究所によりますと、7月7日までの1週間に全国およそ3000の小児科の医療機関から報告された患者数は3万5960人で、1医療機関当たりでは11.46人と前の週よりも3.01人増え、この時期としては過去10年で最も多くなっています。38の都府県で国の警報基準となっている5人を超えています。

 

 流行のピークは例年、7月下旬に迎えます。今年の感染状況は、これまでの調査で最多の患者数を記録した2019年7月22~28日の13.44人に迫る勢いとなっています。今年の例年より早い感染拡大の理由につきましては、早すぎる猛暑が原因ではないかと考えられています。

 

 手足口病は、ウイルスの感染症で、手足や口の粘膜に発疹ができます。飛沫や唾液、排せつ物の接触で感染し、流水とせっけんの手洗いでの予防が望ましいといわれています。

 

 例年、患者の9割が5歳以下です。多くは軽症ですが、まれに髄膜炎や脳炎など重い合併症に至ります。のどの痛みで水分をとれない場合、脱水に注意が必要です。

 

 子どもの様子をよくみて、高熱や頭痛、吐き気、口内や手足の水疱性発疹などの症状がありましたら、すみやかに医療機関を受診しましょう。