今回は麻疹(はしか)のお話です。

 

 2024年2月以降に、東京や大阪をはじめ全国で相次いで麻疹の感染者が確認されています。海外から帰国したり、観光で入国したりした人から感染したとみられ、専門家は海外に行く人や妊娠を希望する人はワクチンの接種歴や抗体の状況を確認して、必要に応じてワクチンの接種を検討してほしいと呼びかけています。

 

 麻疹は麻疹ウイルスによる感染症で、感染力が極めて強く、飛まつや接触による感染だけでなく、空気感染も起きることが知られています。

 

 麻疹は、患者がせきやくしゃみをすることで放出された粒子にウイルスが含まれていて、それを吸い込み感染します。

 

 麻疹は感染力が極めて強いため空気感染のほか、飛まつや接触を通じて広がることもあり、免疫がない場合、感染者と同じ室内にいただけでほぼ確実に感染するとされています。

 

 麻疹に感染したときにでる主な症状は、高熱や咳、発疹、目の充血などです。

 

 発疹は、症状が出始めてから数日たたないと出ないため、最初のうちは、麻疹と診断しにくいこともあります。さらに、感染による合併症として肺炎や中耳炎が引き起こされ、重症化したり、死亡する事もあります。また麻疹の約1,000人に1人が脳炎を発症すると報告されています。さらに麻疹後5年以上経ってから10万人1人の割合で、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)を発症することもあります。

 

 麻疹の特効薬はなく、症状に応じた治療をするしかないため、専門家はワクチンで感染を防ぐことが重要だとしています。なお麻疹患者さんに接触後72時間以内にワクチンを接種することで、麻疹の発症を予防できる可能性があるといわれています。

 

 今後麻疹の流行が拡大する可能性もありますので、感染情報などにご注意ください。