今回は、皆様が気になるがん10年生存率のお話です。

 

 国立がんセンターは、2023年3月16日最新のがん10年生存率を発表しました。これは、2010年にがんと診断された患者さん約34万人の10年生存率で、結果は53.3%でした。

 

 これは2021年11月に発表された10年生存率58.9%より低くなっています。この原因としては、計算方法が変更されたためです。

 

 前回はがん以外の病気や事故などによる死亡の影響を補正した「相対生存率」で集計していました。今回は、純粋にがんのみが死因となる「純生存率」で算出しています。今回の10年生存率を前回の10年生存率で計算すると60.5%となり、前回より上昇しています。つまり、国立がんセンターはがんの10年生存率は改善傾向が続いているとしています。

 

 次に主ながんの10年生存率をご紹介します。

 

 前立腺がん84.3%、乳がん(女性)83.1%、子宮体部がん79.3%、子宮頚部がん68.1%、大腸がん57.9%、胃がん57.6%、肺がん(非小細胞)30.8%、すい臓がん5.4%でした。

 

 同じがんでもステージが初期でしたら予後がいいですので、がん検診などによる早期発見、早期治療が最も大切です。

 

 コロナ禍において、がん検診も受診率がかなり下がっていました。今後は積極的にがん検診を受けてかけがえのない命を守りましょう。