おいしいお酒はマイクロバイオームのおかげ
 
皮膚には約1000種類、1兆個の常在菌が
棲みついています。
このブログではこれまでに何度も言ってきましたが、
皮膚を覆い尽くしたこれらの菌はひとまとめにして、
マイクロバイオーム(菌の集合体)と呼ばれています。

人間の皮膚は全部を伸ばして広げると、
タタミ2畳分もの広さになります。
タタミ2畳の上に1000種類、1兆個の菌がベッタリと
こびりついていると想像して下さい。
あまり気持ちのいいものではありませんが、
これは現実ですからあきらめてください。
このマイクロバイオームが人の皮膚を、
そして人の命を守っているのですから、
毛嫌いするわけにもいきません。



あまり親しくないけど離れられない隣人
 

あまり親しくないけど会えば挨拶くらいはする、
そんな古くからの隣人程度には
お付き合いは続けていきましょう。

マイクロバイオームは皮膚の上でも、腕、足、脇、陰部など、
棲んでいる場所によって菌の種類や数が異なります。

同じ場所でも一人一人で菌の種類や数が異なります。
若い人、中年の人、老年の人もそれぞれ異なります。

マイクロバイオームが皮膚を守る(0011)でも、お話ししましたが、
マイクロバイオームは指紋と同じくらい個人個人が異なります。


杜氏の皮膚常在菌に感謝
 

日本では、日本酒などの酒造りは古来から、
杜氏(とうじ)が麹(こうじ)を素手で混ぜて作っています。
杜氏はそれぞれの酒蔵の味を守っている重要な職人です。

酒蔵の味がそれぞれに違うというのは、
杜氏の手に生息している
マイクロバイオームの違いから来るのです。

漬け物のぬか味噌も味が家ごとに違うと言われています。
おそらくぬか味噌を混ぜる人の常在菌が異なるため、
発酵の仕方もそれぞれ違うからなのでしょう。

このように皮膚のマイクロバイオームは、
人間の生活にも様々な形で強く関わっているんだということを、
再度、認識して、
必要以上に痛めつけない、傷つけないよう、
気配りをしてあげてもらいたいですね。