アルカリ性の石鹸で洗うとお肌がつっぱる

 

健康なお肌の表面は皮膚常在菌の中の善玉菌である
表皮ブドウ球菌に被われています。

 

表皮ブ菌ちゃんは皮脂や皮膚のカスを食べては

弱酸性の脂肪酸を産生しています。

 

作られた脂肪酸は皮脂となって
お肌の表面を被ってくれるので、
お肌はほどよい潤いが保たれるのです。

 

昔ながらの固形石鹸はアルカリ性です。

お肌の表面は弱酸性ですから、

 

アルカリ性の石鹸で洗うと、
お肌の表面が一次的にアルカリ性に傾きます。

 

石鹸で洗うとお肌がつっぱる感じがするというのは、

アルカリ性に傾いたためです。

 

そのアルカリによるつっぱり感が

お肌に良くないというイメージがあり、

お店には弱酸性のボディソープも多く出回っています。

これらはつっぱり感が無くお肌に優しいと宣伝しています。

 

 

お肌に優しい? 弱酸性ソープ

 

お肌を洗うというのは

皮膚の汚れを落とすことが目的なのですが、

実は弱酸性のソープは

アルカリ性よりも汚れを落とす力が弱いのです。

 

そこでボディソープには、
洗浄力の弱さを補うために
合成界面活性剤が配合されています。

 

すると今度は皮脂を取りすぎてしまって、
お肌がカサカサになってしまうので、
それを補うために
保湿成分を配合しなければならないのです。

 

つまりボディソープは弱酸性を売りにするために、

かえって合成界面活性剤や保湿成分など

合成化学物質を配合しなければならなくなったのです。

 

 

石鹸と呼べるのはアルカリ性の洗剤だけ

 

ここまで私は、弱酸性の体の洗剤のことを

ボディソープと呼んできました。

 

なぜなら「石鹸」と呼べるものは

アルカリ性のものだけだからです。

 

「鹸」はアルカリを表しており、
「石鹸」とは固いアルカリという意味です。

厳密にいうと、

弱酸性の洗剤は「石鹸」とは呼べないのです。

 

人間は紀元前にすでにアルカリ性の石鹸を使用しており、
つい最近まで、何不自由なく石鹸で体を洗っていました。

 

私の父の世代なら若い頃はみんな、

体を洗うのに、

頭の先(洗髪)から足の先まで、

固形石鹸一つで事足りていました。

 

ところが1970年代に入ると、
お肌に優しい弱酸性のボディソープが
市場を席巻(セッケン、ダジャレです)したのです。

 

果たして弱酸性のボディソープは

本当にお肌に良いのでしょうか。

 

 

アルカリ石鹸で洗うとお肌が頑張る

 

アルカリ性の石鹸を使うと

お肌の表面はアルカリ性になり、

確かにつっぱる感じが気になります。

 

しかし一時的にアルカリ性になっても、
お肌の常在菌が頑張ってすぐに弱酸性に戻すのです。

 

この復元力こそが皮膚の健康の指標です。

 

弱酸性の洗剤ばかりを使っていると

お肌の復元力がどんどん弱っていき、

結局、衰えが進んでしまいます。

特に女性にとっては洗顔は大切です。

 

化粧品などで汚れた顔の表面を
いかに効果的にきれいに洗い流せるか、
化粧水、美容液をいかに効果的に

 

お肌に浸透させられるか、
お肌の自然な潤いをいかに保つことができるか。

 

そこに視点を置いて考えると、

表面的にお肌に優しいと言われている

弱酸性のボディソープが、
本当に良いものなのか、

十分に考える必要があります。

 

弱酸性のボディーソープとアルカリ性の石鹸。

両者の長所と短所をしっかり見極めて、

うまく使い分けるように心がけてください。