殺菌は簡単じゃない
体臭や家庭の臭いのほとんどは、
細菌やカビなどの微生物が
臭い成分を産生するために発生します。
ならば、その微生物を殺してしまえば、
臭いも発生しなくなるじゃないか。
しかし、そう簡単にはいきません。
実際、病院など医療機関では、
手術や検査のために無菌状態を作ったり、
院内感染を起こさないように
菌の繁殖を防いだりするために、
消毒の意識が高いのですが、
それでも菌をなくすというのは並大抵の処置ではできません。
医療機関で消毒液といえるものは、
原則、高濃度エタノールか次亜塩素酸系の液体しか
認められていません。
このような
人体にとっても害を及ぼすほどの毒性があるものを使っても、
殺菌、除菌は困難を極めるわけですから、
よくテレビで宣伝しているような、
プシュプシュとスプレーするだけで99%除菌できます、
とかいう家庭用品は怪しすぎます。
広告の数字は特殊な条件で得られたもの
もし普通にスプレーするだけで、
本当に99%除菌できるなら、
厚労省には、明日からでも
病院の中で使える消毒液として認可して貰いたいものです。
本当にそうなら、
日本の病院で院内感染は完全になくなるはずです。
99%とかいう数字が間違っているとは言いません。
ただ、それだけの効果を出すには、
何らかの特殊な環境の下で
除菌実験が行われたのだと思います。
別に、私は、
世間に出回っている消臭剤を
目の敵にしているわけではありません。
でも、テレビのCMなどを鵜呑みにしてしまって、
本当の効果もわからないままに、
家の中を神経質にスプレーしまくっている人もいます。
完全に消臭出来ていると
一般消費者に誤解を与えるような広告は
控えて欲しいと思います。