医師国家試験対策予備校講師のブログ

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卒後15数年目の医師です。医師国家試験合格を目指す人に役立つ内容をまとめていきます。特に国試浪人生、現役生でも勉強が遅れている人の助けになるようにまとめを書いています。
一緒に勉強しながら、頑張っていきましょう。

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試験まであとわずか。


国試受験生の方から、以前 114A28 の問題を質問を受けました。





この問題では

生まれた時の身長も体重も10パーセンタイルより上です。

(赤ちゃんを大きい子から並べて行って、小さい方10人には入らない)
ですから、SGA性低身長の診断基準に当てはまらないので、SGA性低身長とは診断されません。

SGAはsmall for gestational age でつまり、
在胎週数に比べて小さい

そして、SGA性低身長は、『生まれた時に、小さかったし(小さかったので)、今も小さい』状態のことを言います。

SGA性低身長の診断基準は、次の通りです。


出生児 10パーセンタイル未満で
2歳でもー2SD以上になっておらず、追いついていない(catch- upしていない)。

この問題では、生まれた時点の大きさで、SGA性低身長の基準を満たしていません。


また、問題文より精神発達や外性器異常、虐待なども記述がないし、女性ならターナーも疑いますが、この子はそもそも男児です。

そうすると、成長ホルモン分泌不全性低身長症(GHD growth hormone deficiency)を疑うのが妥当です。

これが正解の選択肢です。

なお、SGA性低身長と診断したならば、身長の伸びを期待して成長ホルモン補充します。

(実際、以下に述べます負荷試験をして、成長モルモンを測ると、低下している場合も多いようですが、たとえ成長ホルモンが正常に出ていても、補充し、身長を伸ばします。)


一方、


成長ホルモン分泌不全症性低身長(GDH)を疑うならば、成長ホルモンの低値を証明します。
もし本当に低値ならば、成長ホルモンの補充になります。


ですから、SGAもGHDも診断が付けば、
成長ホルモンの補充です。

補充する量など細かいところが違うようですが、

成長ホルモンの補充です。


追加ですが、

GHDを疑う場合の、成長ホルモンの低値を証明のための検査ですが、


ガイドラインでは、(2つの)負荷試験をして成長ホルモンの低値を証明することとしています。

そこで、

もし今後の国試で聞かれるとするなら、


どのような負荷試験が適切かを選ばせる問題が出るかもしれません。



GHDを疑わせる症例を提示して、


この後どんな負荷試験をするか?という問題が出るかもしれません。
(というか、今回の冬メック模試に出ていました)

答えは、


アルギニン負荷

インスリン負荷

クロニジン負荷

L dopa負荷

グルカゴン負荷

あと、
GHRP-2(GH RP-2 growth hormone releasing peptide )
てのもあるみたいですが、さすがに出ないでしょう。


まとめ

⚫︎SGAとGHDの診断の違い


⚫︎どちらも成長ホルモン補充

⚫︎GHDの検査(負荷試験)を覚えましょう。


インフルエンザが過去にないレベルで流行しています。

インフルエンザが、選択肢に含まれる問題として、114回の国試問題を見てみましょう。

114E26です。




42歳の女性の発熱と悪寒戦慄です。


昨日から悪寒戦慄を伴う発熱があるようで、受診時は39.2℃と高熱です。

咽頭痛、咳、痰、鼻汁といった上気道症状はないようです。

『インフルエンザは、発熱や全身倦怠感が、上気道症状より先行する』という知識や、

インフルエンザが大流行している現在であれば、

選択肢eのインフルエンザ迅速検査を選んでしまいそうです。

ただ、出題者の意図は違います。

『ちゃんとバイタルサインを確認しましょう』というメッセージです。

必修の問題で1番大事なポイントです。

問題を見ると、血圧が、86/58mmHg 脈が112/分 整とショックバイタルです。

ショックバイタルを出題者が提示している場合、その原因を考えろというメッセージです。

ちなみに、JCS I-2もレベル低下があり、呼吸数も28/分と頻呼吸があります。

実際の臨床では、インフルエンザだったとしても、発熱と倦怠感から、ぼーっとしたり、しんどそうに息をしたりすることは、普通にあります。

ただし、これは、国試の問題ですので、
これらも異常と捉えましょう。

そうすると、敗血症を考えないといけません。

ここで2番目に大事なのは、

原因がよくわからない敗血症(または、敗血症を疑うような状況)では、血液培養を行うことが大切です。

この問題文では、アトピー性皮膚炎からのトキシックショック症候群を考えさせているようですが、

そのことを疑えなかったとしても、敗血症を疑ったなら、血液培養です。

特に、この問題は必修ですから、

バイタルサインのチェック→ショックバイタル→高熱あり→敗血症を疑う→血液培養となります。


インフルエンザのことがよく報道されていますし、ご自身もしくは身近な人がかかったという人も多くいるでしょう。
そのような状況では、ついeを選んでしましそうですが、
必修の、もっと言うと国試のルールに立ち帰って、
問題を解きましょうね。


前回の続きです。

 

『急がない頻脈』についてです。

 

急がない頻脈とは、意識レベル低下や血圧低下などがない循環動態の安定した頻脈です。

 

血圧がいくら以上なら大丈夫とか、心拍数がいくら以下なら循環動体が安定していて安心できるなど

 

一概には言えません。

 

ざっくり言うなら、血圧は90以上、心拍数は150、160以下位でしょうか。

 

血圧は普段の血圧にも寄りますが、血圧が90あれば安心できます。

 

心拍数も200近くなると、循環が不安定になりやすいので、心拍数150、160ならまだ焦らず対処できます。

 

心拍数が200近くになると心臓は、空打ちになってしまい血圧低下が著しくなります。

 

空打ちとは、頻脈のせいで拡張期が極端に短くなり、心室に静脈灌流を溜め切らずに、

 

収縮するので一回拍出量が低下し、血圧が下がることです。

 

 

ここで注意してほしいのが、

 

急がなくていい頻脈は、『今の所』急がなくていい頻脈です。

 

決して明日まで放置という訳にはいけません。

 

『急ぐ頻脈』程ではないにしても、止める必要があります。

 

今は『急がなくていい頻脈』でも、循環が不安定になる可能性もありますし、

 

VTやVFといった心室性の不整脈になる可能性もあります。

 

(心室性の不整脈は、上室性の不整脈より怖いです。)

 

心拍数が高いままだと心不全、肺水腫になる可能性もあります。

 

いますぐ電気ショックは必要ではなく、薬剤で治療するという意味で

 

『急がない頻脈』なのです。

 

 

個別の治療は、頻脈波形というもう一つの軸で考えていきます。

 

・narrow QRS でリズム整なら

 発作性上室性頻脈を考えて、

 頚動脈洞マッサージや

 ATP(アデホス®︎)10mg静注 効果がなければ、さらに20mg静注

 生食の後押しを忘れずに。

 

・narrow QRS でリズム不整なら

 心房細動を考えて

 レートコントロール目的でジキタリス、Ca拮抗薬、ベータ遮断薬の投与を行います。

 ただし、心機能低下症例ではジキタリス以外は血圧低下を招くので注意が必要である。

 

 ジゴシン®︎0.25mg ゆっくり静注

 ワソラン®︎5mg ゆっくり静注

 オノアクト®︎

 

 リズムコントロールは、抗凝固療法を行って心エコーで血栓の有無を調べてから。

 なぜなら、心臓内に血栓があると洞調律に戻った時に血栓が飛んで行く可能性があるためです。

 

・wide QRS でリズム整なら心室頻拍を考えて

 リドカインやアミオダロン

 

 リドカイン®︎50mg

 アンカロン®︎150mg

 

・wide QRS でリズム不整なら

 WPW症候群に生じた発作性心房細動(pseudo VT)を考えて

 プロカインアミドやジソピラミドなどのⅠ群

 効果がなければ、電気ショックを行います。

 

 アミサリン®︎100mg ゆっくり静注

 

 以上です。