昔はケガをすると、自宅にあった「赤チン」「オロナイン軟膏」などを
塗っていました。
私は特にオロナイン軟膏の匂いが好きで、使うときはワクワクしていたのを
覚えています。
赤チンは塗るとしみて痛く、乾燥すると「カサブタ」になります。
「カサブタになれば、傷は治ったも同じ」と親から聞かされ、早くカサブタにする
方法を考えました。
私は小学校1年の時に「ストーブ」で傷をあぶると、すぐカサブタになること
を発見しましたが、痛みは取れず、???でした。
私は外科医で、特に傷を専門にしています。
傷の治す三原則
①傷は乾かしてないけない。
②傷は消毒してないけない。
③傷は水道水で洗う。
昔の全く逆です。
すりむき傷、やけど、切り傷は、まず水道水で洗い、表面についた
ほこりを洗い流します。
次に乾燥させないようにします。
自宅にあるものでできる応急処置は、サランラップを傷にあてその上から
ハンカチやガーゼを巻くことです。ワセリン(プロぺトがもっといいです。)を塗ってからラップするほうが痛みが少ないです。
傷からは必ず汁(浸出液:しんしゅつえき)が出ます。
この汁に傷を治す細胞がたくさん入っています。
この汁を乾燥させたらせっかくの自然治癒力が水の泡です。
できれば、市販の薬局で売っている傷専用の絆創膏を置いておくと便利です。
1) ハイドロコロイド包帯 HCARR 瑞光メディカル:一番安くて自分で適当に切れるのでお勧め!
2)キズパワーパッド BAND-AID(バンドエイド)
3)リーダー ハイドロ救急パッド 日進医療器
などがあります。
消毒は、ばい菌(正確には細菌)を一時的に殺しますが、ばい菌がいるから化膿するわけではありません。しみて痛いし、正常の細胞には有害でしかないので、消毒はすべきでありません。ばい菌は水道水で洗えば落ちます。
昔は、水につけたら雑菌が入るから、砂がついた傷にそのまま消毒液を振りかけて受診する患者さんが多かったです。
私は15年くらい前から、傷に一切消毒しなくなりました。
そうすることで、早く治る。患者さんが痛くない。ということがはっきりわかりました。
私の子供は「消毒液」というものを知りません。
怪我したら、水で洗って周りをティッシュで拭いて、上記のシールを貼れば、
痛みもなくなるし、数日でよくなるのを経験で当たり前に知っています。
以前に子供に「怪我したらこの絆創膏を保健室の先生に貼ってもらえ!」とランドセルに
5枚入れておきました。数日後みたら全部なくなっているじゃありませんか!
子供はその絆創膏を友達にプレゼントし、自分の怪我した膝には普通の安い絆創膏を貼っていました。普通の安い絆創膏とは、1枚1円程度の「カットバン」「バンドエイド」などと呼ばれる絆創膏のことです。これは小さいガーゼとほんの少しの消毒液がついているもので、
傷を治すものではありません。傷を乾燥させますので痛いです。
ほとんどの家庭にある消毒液は不要です。幼児には危険ですので、ないほうが安全です。
昔の常識、今の非常識、その逆といった話はたくさんありますね。
みなさんもぜひ実行してください。