光絶縁装置を複数重ねると何故か音質が良くなることは私だけではなく、複数の方が追試をなさって少なくとも全ての環境では無くても、私の環境も含めて非常に効果的に音質向上に寄与する事が少なくないというのは真実だと思います。

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そもそも、光アイソレーション装置が何をしているのか、です。

 

デジタル信号と言っても実際には電気回線を流れる電圧の高低や光の強弱などの物理的な波です。光絶縁装置は電気的な非常に高い周波数を持った波を一端受け止めて、光の強弱に変換し、再度電気信号の波に作り変えて送り出しています。

この過程では前段の電気信号の波は一端終端されて作り直され、全く同じ内容を持った、全く別の波として後段に送り出されます。

 

たとえば、インターネット上を流れてきたデータには到着時間の揺らぎやノイズなどが含まれているのですが、いったん光絶縁装置を通ると、少なくともLANケーブル上を流れる“信号波形”は作り直されるため、前段由来の電気的な揺らぎやノイズは、後段にそのまま持ち越されにくくなります。結果として、同じ内容のデータが、より整った波形として後段に送り出されます。

ただし、前段の到着時間の揺らぎやノイズの影響が全く無くなるわけでは無く、到着時間の揺らぎは光絶縁装置内の回路の動作に時間的なムラを生じ、そのこと自体が電源回路を揺らしノイズとなりますし、また、筐体や信号線を通して伝わる高周波ノイズや放射ノイズは完全に遮断されるわけではありません。

 

では、複数段の光絶縁装置を用いると何が起きるのでしょうか。
第1段目でいったん作り直された信号は、2段目に渡されます。このとき前段由来の電気的な汚れ(高周波ノイズの回り込みや、揺らぎなどに伴うバースト的な負荷変動)が持ち越されにくくなっていれば、2段目の回路動作(電源負荷や筐体GNDを流れる高周波電流など)もより落ち着いた状態になり得ます。
その結果、2段目はより“静かな”条件で信号の再生成を行い、さらに3段目は…というように、段を重ねるほど後段の環境が整っていく――これが、カスケードで音質が向上することの説明の一つになり得るのではないでしょうか。

 

実際には音楽データのアナログ変換を担うネットワークプレーヤーや、DACは例外なく信号のバッファを持っており、音楽信号はバッファに貯めてそこから再生するのですが、それでも上流の質が音質に大きく影響してしまいます。おそらく上流の信号の品質が、後段機器の動作の揺らぎを生み、その揺らぎが電力需給の揺らぎを起こしてノイズとなり、音質に影響を与えているのではと、私は考えています。

光絶縁カスケードは、上記の様な仕組みで信号の品質を高めている可能性があります。その事が後段機器の動作の揺らぎを減少し結果的に音質向上に繋がっているのではと思うのです。

 

また、光絶縁装置は「遮断する側」でもありますが、電源や実装次第では「出す側」にもなり得ます。高速回路はスイッチング動作を伴うため、高周波ノイズが出やすいのは構造上ある程度避けにくい部分です。

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だからこそ、低インピーダンスで瞬時電流供給に余裕のあるバッテリー駆動や、TAISアダプターのように電圧の揺れを抑えて動作点を安定させる電源が、音質に大きく効くのだ――という仮説もなり立つのでは無いでしょうか。