Top Wing社からSonic Correctorが発売されました。まさしく昔の音源に望んでいた機器ですが、なんとなく踏み切れずにいます。理由は幾つかありますが、最も大きいのは、置く場所がない、という理由です。ただ、それだけが理由ではありません。
最大の懸念は、Sonic Correctorは情報量を変えていないという事です。情報量は変えずに位相を回転させてピークを再構成する、という仕組みです。例えば、矩形波は様々な周波数の寄せ集めですし、自然界にある音はほぼ全て多くの周波数の寄せ集めです。これらの周波数毎の位相をずらすことで、時系列の分離を促すという仕組みです。なかなか理解が難しいのですが、ざっくりと模式化してみました。
これが元々の音源です。例えば、1990年頃のCDに入っているデータとしても良いでしょう。この頃は、小さな音から大きな音までどんな風に入れ込むかに苦心していたのだと思います。というか、機器の能力上、それしか出来なかったのです。
こんな感じになります。小さな音は持ち上げて、大きい音は多少ゆがませて小さくし、データが変形しています。さらにある範囲に押し込めるためにぐちゃっとくっつけてしまうのです。赤ちゃんの画像がよく見えて、全ての音がある事は判るのですが、なかなか判別が難しい感じになっています。
Sonic Correctorは位相をずらすことで、これを多少分離します。
こんな感じです。周波数毎に位相をずらすので、それぞれの形は実はコンプレッションをかけた音源よりもさらに多少ですが、崩れたり波形が変形します。ただ、全体としては非常に分離が良く感じるようになります。
問題は現代の例えば、米津玄師やKingGnuなどの一見海苔に見える波形の音源です。これらは、かなり手練れのミキサーやマスタリングエンジニアが苦心して、情報量が最大になる様にデジタルデータを構築しています。ですから、一見海苔波形なのですが、非常に分離も良く、カラフルに感じます。
非常に狭い範囲にあるのですが、基本的に一つ一つの音像はきちんと分離しており、良い機器で聴くとさらに分離が良く感じられます。
これをSonic Correctorで補正してしまうと、
隙間は広がる物の、変形による副作用や位相の回転で、かえって分離が悪くなって感じる事があるのでは無いかとも思えます。
ですから、Sonic Correctorは可能ならTopWingさんも表明しているようにREC端子とPLAY端子の間に入れて、外部エフェクタとして使うのが正解だろうなと思うのです。
やはり理想はコンプレッション前の音源を手に入れたり、配信することだと思うのです。是非、配信会社の方たちには古い音源の配信をお願いしたい物です。
また、最近のリマスター音源は、はじめから、KingGnuや米津玄師の音源のように分離をきちんと考えてコンプレッションをかけ過ぎていない音源も見受けられますから、そちらの方向でも良いと思います。
うーむ。やっぱりどこかで自宅で試してみたいものです。




