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リールーのブログ

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リールーのブログ



2011年 アメリカ

☆監督・・・スティーブン・ダルドリー

☆キャスト・・トム・ハンクス、サンドラ・ブロック、トーマス・ホーン、マックス・フォン・シドー、ビオラ・ディヴィス








 9.11事件で父親をなくした少年は、「なぜ父親は死んだのか?」という疑問と喪失感にさいなまれている。その意味を追い求め、冒険と探索の旅を続けていくうちにさまざまな人と触れ合い母親の愛情にも気づき、徐々に新しい生活へとなじんでいく家庭が丁寧に描かれている。



 少年はアスペルガー症候群の疑いありで、IQは高いが社会性に少し欠けている。そんな彼を父親はなるべく外へ出かけるよう連れだし、いろんな疑問を徹底的に調査することを教えてくれた。自分にとって最高の存在の父親がある日突然命を絶たれてしまった。少年も母親もどうしても空いた穴を埋めることができないでいる。



 父親のクローゼットからどこを開けるのか不明の鍵がでてくる。きっとそれは何かの答えを導いてくれると確信した少年は、鍵の入った封筒に書かれた「ブラック」という名前えを頼りに、得意の調査と冒険を始めることを決意する。



 ところが一歩外に出て、見知らぬブラックさんを訪ね歩くのは彼にとってかなりハードルが高い。

不安症状を抑える為、タンバリンをしゃらしゃらさせながら、危険に満ちた街角を駆け抜ける彼。そんな時に向かいのマンションに住む祖母の部屋の間借り人と不思議なタッグを組むことになる。彼は年老いていて口がきけない。少年は何故口がきけないの?と容赦なく疑問をぶつける。「ぼくが調べた限りでは...」と選択肢を突きつける様子はかなり傍若無人で手加減なく、少年の極端な一面をのぞかせる。



 それでも徐々に二人は距離を縮め良い相棒となりつつあったのだが、少年の誰にも打ち明けられなかった痛々しい告白を聞いてから、彼はどこかへ去って行ってしまう。




 さまざまなブラックさんを巡る旅をひととおりすませるころには、お互いぎこちなかった母親との関係を見直すことになる意外な結果が待っている。それでも彼は一通りの冒険を経て抱えきれない不安や疑問から少しは解放され、父親への思いもある程度冷静に見つめ直すことができたようだ。




 9・11についての映画だが、その歴史的大事件についての考察というより、それによって家族をなくした少年自身にクローズアップしています。テロという一面は、もちろん家族喪失の重要な原因で、この作品の背景に常に漂う隠された主題だ。とは言え、テロの意味を理解するより、まずどうして父親が死んだのかの明確な答えを得られないことで少年は苦悩している。やはりこういう悲劇的な事件により突然家族を奪われてしまう、ということがどういうことなのか?そしてどうやって人間が回復していくか、ということに焦点を当てた作品に思えます。









 トム・ハンクスの子煩悩で頼りになる父親ぶりはさすがにベテランな彼らしくとっても説得力あるし、サンドラ・ブロックの突然夫を亡くし悲嘆にくれる"か弱い母親ぶり”も意外にしっくりきて、「スピード」とかの結構アクション系な頃の印象が強かったので、ワオ!見度に化けてる!(失礼)と思ってしまった(^_^;)



 口のきけない老人は、YesとNoをそれぞれ左右の手のひらにマジックで書いてある。イエスかノーだけならいちいち筆談せずにさっとどちらかの手を挙げて見せればいいシステムだ。それに少年が「クール!」とか言ってるのが 面白かった。いちいち筆談しなきゃいけないのは結構面倒だろうけど、二人で行動するようになってから、少年を導くように点々とメモを貼り付けていたり、時にはこっちね、とばかりに→だけ書いてあったり。そういうコミュニケーションの取り方が少年の小さな冒険へのさりげない後押しになっていたようだ。



 少年がなぜワールドトレードセンターにいる父親からの電話の録音メッセージを母親に聞かせずその存在を隠したのか。なかなかその心境をずばりと当てることは難しいけど、少年自身も動揺し、絶望的な予感の中で自分のとった行動の意味に後で苦しむことにもなってしまったのだ。




 母親が意外なくらい少年の行動を見抜いてさりげなく彼をバックアップし、少年も物足りなく思っていた母親への愛情を再確認する、というハッピーエンドな流れで締めくくられる。いろんなブラックさんとの触れ合い、鍵の正体が分かってからはそれぞれのブラックさんへお礼の手紙を書いた。この悲惨な事件のおかげで図らずも思いがけない出会と癒しを町の人々へもたらし、少年自身も成長したのだ。そういう偶然が偶然を生む奇跡的な邂逅を思い、平凡な日常にもいとおしさと丁寧さを感じるようにしなくちゃな、と思うのでした。(ま、当然ながら平和な時ははすっかりそんな事忘れちゃうものだけど)






 この映画、謎解きめいたわくわくさがあります。純粋に鍵の謎に引き込まれ、老人の正体を推理したり。


 また主人公役の男の子もかなり達者ですよね。早熟でやたら口が悪く、でも、いろんなことが不安でできなかったり、そのあたりのギャップや神経質な部分とかほんと演技上手だなーと。初めて会う大人なのに、その人が落ち込んでたりすると 「ハグしたほうがいい?」と聞くところは、『可愛いなあ♡』って思っちゃいました(*^_^*)そんで密かにこの少年役の男の子、すんげーかっこよくなりそうだなあなんて

よからぬ想像したりもしてしまったのでした。