国際政治アナリスト伊藤貫氏のチャンネル桜での動画をこれまで紹介しましたが、参政党系のCh.Grand.StrategyというYouTubeチャンネルで伊藤貫氏が熱く語っているのを見ていませんでした。もうかなりの数の動画があるようですが、今日見たとても素晴らしい伊藤氏の講演動画「混乱する国際政治と日本に迫る危機」について紹介したいと思います。

これは約25分程度の動画で3本、計1時間半弱で構成されています。

 

①   「大手メディアでは報道されない米露関係の今」

 

②   「大手メディアでは報道されないウクライナ戦争」

 

③   「核の傘というアメリカの嘘」

 

最初の動画では米国覇権戦略の解説と批判、米露関係悪化の理由、米国がエリツィンロシアにしてきた悪どい犯罪行為、NATOの東方拡大はしないという嘘等々ウクライナ戦争の淵源が語られています。

NATOの東方拡大はしないと言い続けたのにクリントンはグルジアやウクライナに拡大しようとしたわけですが、(伊藤貫氏が言ったのではないんですが)国際政治学者細谷雄一は理想的兵卒らしく、いや米国はNATOの東方拡大はしないなんてひとことも言っていないとうそぶいてコラムまで書いています。

米国ベイカー国務長官がゴルバチョフ書記長と会談した際に、not one inchもNATOの東方拡大はしないと言ったことは事実だが、ワシントンに戻ってブッシュ大統領に報告したら却下されたので、米国の約束ではないと強弁(メアリー・サロッティ教授の研究を引用して)するのです。

呆れてしまいますね。外交で相手国に述べたことが上司の一言で簡単に反故にされるなんて。もしそうならもう一度交渉すべきでしょう。しないなら、米国は嘘を吐いたことになる。そう結果的にロシアを騙したわけですね。そういうことを細谷らは問題にしようとしないのです。それでも国際政治学者か、アホ野郎というしかありませんね。

 

二番目の動画はウクライナという国の成り立ちのいびつなこと、西ウクライナと東ウクライナは別の国のようであることの解説、悪いのはレーニンとスターリンであると。そしていつものウクライナ戦争の歴史的背景、また戦争の現状解説からウクライナは絶対に勝てないこと、そしてウクライナが余りの腐敗ぶりに如何に腐敗して国民の支持を失っているかということ。先日国防相が汚職で解任された訳ですが、ここについては少し文字起こししてみます。

 

「…去年から今年にかけてアメリカは1100億ドルの軍事援助と経済援助を送ったんですけれども、それでは足りないからといって今年の8月になってバイデンは200億ドル出そうと、共和党の保守派はもういい加減やめといた方がいいと。その理由はアメリカは1100億ドルの軍事援助と経済延長を送ったっていうことになってるんですけれども、アメリカ政府が本当にウクライナに届いたかどうかと確認できているのはそのうちの10%なんですよ。90%は本当にウクライナに届いてるのかどうかわかんないんですよ。軍事援助と軍需品とそれから経済援助が。

CBSが報道したところによると、アメリカがウクライナに提供している1100億ドルの軍事援助と経済援助のうちの半分以上はどこに行ったかわかんないという状態なんですね。どういうことかって言うと盗まれてるんですよ。

今年の2月か3月にCIAのビル・バーンズがキエフに行ってゼレンスキー大統領と対談して、その時にバーンズCIA長官は要するにこういう風にリストを見せて、この35人もしくは40人がアメリカの軍事援助と経済援助を一番盗んでいるウクライナ人のリストであると名簿を見せたわけですねゼレンスキー大統領に。

以前CIAのロシア担当官だったフィル・ジラルディという非常に一般の人がいるんですけれども、ジラアルディさんによれば、35人か40人のアメリカからの軍事援助と経済援助を盗んでいる人のリストのトップオブザリスト、リストのトップに書いてあったのがゼレンスキーの名前なんで、大統領は盗んでんですからみんな盗むわけですよ。だからCBSで言ってるようにアメリカが送った軍事援助と経済援助のうちの5割以上がどこに行ったかわかんないと。これはまあ勝ち目はないですねウクライナに。」

 

援助横流し(泥棒)のリストのトップにゼレンスキーの名前が挙がっているというのはまさに正しい。アメリカも見るところは見ている。これを見せられた時のゼレンスキーの顔が見たいものだ。

これで更にゼレンスキーは追い詰められたはずなのでアメリカも停戦方向へ向かえばいいのだが、ブリンケンやヌーランドらネオコンは負けるのが絶対に嫌らしく、さらに無駄な戦争をしてウクライナ兵を死に追いやっているのだ。このブリンケンやヌーランドらネオコンが米国の中枢にいるということが最悪の事態を招いているのだ。

 

最後の動画はウクライナ戦争の失敗で米国が二進も三進もいかなくなっていることを伊藤氏は解説する。今後はイランが核弾頭を持つようになった時イスラエルがイランと戦争するのか、その時アメリカは戦えるのか。米国軍隊の規模が世界の二地域で戦えるものではなくなっているから、それを一番喜んでいるのは中国だろうと。

そこから日米同盟の欺瞞、日本にだけは核武装させたくない米国、核の傘の嘘、中国が台湾封鎖をしてもアメリカは戦えないだろうと。そして日本が核武装しない限り中国の属国になるしかないという恐ろしいご託宣。

 

1時間半弱の講演だが、本当に分かりやすく、国際政治理解のための粋が詰まっている素晴らしい且つ貴重な動画だ。

これを親ウクライナ派の専門家及び素人衆は発狂するに違いない。もしくは単に「嘘つき伊藤貫」というか。

何度も見る価値がある動画だ。

Ch.Grand.Strategyの他の伊藤貫氏の動画もチャンと見なくちゃ。