次の衆議院選挙に向けた自民・公明両党の候補者調整で、公明党は焦点となっている「東京28区」への擁立を断念したうえで、東京では自民党の候補者に推薦を出さない方針を決定し、自民党に伝えたという。

公明党のいいなりなっている自民党には歯がゆい思いをしている人々も多いようだから、これを機に連立解消まで行くとよい。

 

これまで選挙協力をしてくれないと勝てないとかで、ズルズルと公明党の言いなりになってきた自民党だが、公明党の力の衰えが見えてきたり、維新や国民新党など公明党に代わる連立政党が成長してきたから、自民党も公明党に対して強気に出ているのではないか。

 

まあ、公明党の協力がなければ負ける議員は落ちればいい。これで自民の議員数が減っても公明党に鼻面をいつまでも引きずり回されるよりはいい。公明が連立から離脱すれば、困るのは自民より公明党だろう。与党として甘い汁を十分吸ってきたのだから、離縁などしたくないはずで、今後これまたチキンゲームが続くはずだ。

 

仮に公明が離脱すると、自民の連立の第一候補は維新の会だ。しかし、それはそれで最悪だ。

維新は新自由主義政党で、身を切る改革だとか緊縮だとか馬鹿げたことを言っているし、橋下徹という黒幕が控えているので全く信用ならない政党だ。しかも、下手をすれば橋下が首相になりかねない。

そんなことになるなら、公明の方がよほどましなのだが、今はまだ小さい政党だが、国民新党のほうがよほど物事を考えている(民主党から分かれて路線転換した玉木には期待が持てる)から、この党がもう少し拡大をして連立に入るのが一番ベストだろう。

 

さて、公明党。バックの創価学会のいいなりということで批判を受けているが、まあ創価学会が親会社で公明党は子会社の関係だからやむを得ない部分もある。

ただ、それでは政策の意思決定が有権者に選ばれた国会議員に何の権限もないということになってしまう。つまり、選挙に選ばれない者が意思決定をすると、失敗について責任を負わないということになってしまうのだ。

とはいうものの、自民党だって、どこからかの指示(宗主国)で政策を決めているのだから、公明党のことだけ文句をつけることもおかしいといえばおかしいが。

 

親会社としての創価学会。

今の会長は誰なんだろう。関係者以外で知っている人なんているのだろうか。昔は池田大作が長く会長をやっていたから誰でも知っていた。その池田氏ももう95歳にもなるようだ。

 

私が中学生のころ、池田大作原作の「人間革命」という映画を学校で学年全員連れていかれて見に行った記憶がある。課外授業ということか。60年くらい前のことだ。

昔は学校で映画を見に行くのが授業にあった。

記憶では、「人間革命」と「西部戦線異状なし」と長門勇主演の浪人ものだ。

長門勇はテレビ「三匹の侍」で人気になったのだが、長門勇の主演映画なんて単なるエンタメでよく学校で見せに連れて行ったものだ。

 

しかし、「不思議な」のは、映画「人間革命」だ。

これは、創価学会会長池田大作の同名小説を映画化したもので、第2代会長の戸田城聖の物語で、丹波哲郎が演じている。

 

 

「不思議な」とした理由は二つある。

一つは、学校がなぜ課外授業で新興宗教である創価学会の物語、いわば創価学会の宣伝映画を授業の一環として見せたのか、である。文部省も日教組も問題にしなかったのか。

空海とか親鸞の伝記映画ならまだしも、創価学会第2代会長の戸田城聖の物語とは。

 

この話を女房にしたら、中学生のころ学校でみんなで見に行った記憶があるという。といっても主役が丹波哲郎というような記憶はないのだが。

ということは、私の見た墨田区の中学校だけのことではなかったようだ。女房は熊本出身だから、東京でも熊本でも、ということは全国で文部省推薦映画になっていたのだろうか、という疑問である。

 

二つ目は、映画「人間革命」の記憶がほとんど薄れてしまったので、ネットで調べたところ、私の中学生のころには、まだ映画「人間革命」が存在していないのであった。

 

映画「人間革命」は1973(昭和48)年10月に東宝映画でロードショー公開されたとなっているではないか。

1973年といえば、私が会社に就職した年である。中学生の時に学校に連れて行かれて見たというのは記憶違いだったのだろうか。しかし、会社に入ってから創価学会の宣伝映画「人間革命」など見る訳ないのだ。当時は私は左翼だったのだから。

しかも、女房も中学生のころに確かに学校の講堂で見たという。

夫婦二人とも記憶違いをしているのだろうか。

 

もう一つ不思議なのは、映画「人間革命」の原作は、ネットによると、池田大作氏が1965年(昭和40年)『聖教新聞』紙上で小説『人間革命』の連載を始めたとなっているのだ。

1965年は私が中学3年生で、やっと小説『人間革命』の連載が始まったとのこと。つまり、小説『人間革命』がまとまってもいないときに、私と女房は映画『人間革命』を見てしまったのである。

 

単なる記憶違いということでしかないのかもしれないが、私と女房ともに別々の場所でしかも学校推薦で見たという記憶違いなんて生ずるものだろうか。

昔、ロッド・サーリングがホストを務めたテレビドラマ「トワイライト・ゾーン」(日本では「ミステリー・ゾーン」)というのがあって、よく見ていたが、トワイライト・ゾーン内のような不思議なことが起きた、そんな感じなのか。

 

      ロッド・サーリング

私の推理は、池田大作氏が小説『人間革命』の執筆中に、もう脚本が出来ていて、創価学会自体が映画『人間革命』を自主制作していたのではないかというものだ。私と女房が見たのは、その自主制作映画であって、それから丹波哲郎主演の本格映画が製作されたのではないかという推測だ。

まあ、創価学会が、そんな自主制作映画なんて作っていません、といわれれば推理は瓦解するけど。

そして只々老夫婦の記憶違いと?

 

誰か、私も遠い昔映画「人間革命」を学校で連れていかれて見たよ、という人があったら教えてください。