大関一人という寂しい場所が続くが、全般的に面白くないのだが、それなりに見どころもあって中々興味深い。といっても、幕内前半の取り組みは全く見ていないから下位力士の動向はわからないが。

 

まず大関貴景勝。6日目にして3敗だから期待された綱取りは無理だろう。

 

3日目に左膝を痛めたとのことだが、私は膝の故障がなくても先場所から横綱は無理だと思っていたし、むしろ横綱になってはいけないと思っている。

なぜか。強くないし取り組みが安定しないから横綱は無理で、協会が無理して作ったら、またひやひや横綱を毎場所見ることになってしまい、相撲ファンをガッカリさせるだろう。

 

「大関で2場所連続優勝またはそれに準ずる成績」というのが横綱昇進条件らしいが、それは正常な状態つまり横綱や大関が1~2人存在するときの基準だと思われるし、今のような横綱すら休場しているときに2場所連続優勝しても、横綱としての「力・強さ」の判断とはならないはずだし、そんなときにこれまでの基準を適用すること自体がおかしい。

機械的にこの条件に当てはめれば、安定しない弱い横綱を作ってしまい、興行的にまたまたみんなが悩むことになってしまうだろう。

 

貴景勝の相撲は「押し」と苦し紛れの「引き」しかない。突進パワーが相手に発揮される場合は勝てるが、相手力士も貴景勝を研究してくるから、時が経てば経つほど、相手力士が勝つ確率が高くなる。つまり取り組みに安定性がない。これでは横綱になっても安心してみていられない。

 

6日目で3敗。左膝を痛めたとのことだが、かえって綱取りが遠のいたのは貴景勝にとっては僥倖と考えた方がいい。下手に横綱になるより、大関の位置をしっかり守って長く相撲を取るべきだ。そして仮に大関を陥落してもまた頑張ることができる。横綱は片道切符。負けが込んだら休場か引退しかない。若くして引退なんぞファンも見たくないだろう。

 

稀勢の里が一番いい例というか典型的な例ではないか。実力もないのに、無理やり横綱になったばかりに若くして引退する羽目になってしまった。横綱昇進基準の機械的当てはめと相撲協会の思惑との犠牲というしかない。もし横綱になっていなければ、大関と小結の間を行ったり来たりでまだ相撲を続けていたのではないか。

 

相撲協会としては早く一人横綱、一人大関の状態を解消したいことだろう。

しかし、その解消はここ1年は無理だろう。

貴景勝の横綱昇進の可能性はなくなった。照ノ富士もケガが治らなければ引退だろう。

 

大関昇進候補は、若手が伸びてきた感じが少ししていたが、豊昇龍がこけた。

一番の大関候補は豊昇龍と思われたが、最近の相撲を見ていると、少し傲慢さが、見ていてもわかるような粗い取り組みをする。相手をバカにしたような。それが過ぎて結果的に負けている。

実力は一番ある(回しを即取りに行く正攻法)ような気がするが、「俺は強いんだ」という気持ち先行を改めない限り、上手の手から水が漏れてしっぺ返しを受ける。もっと謙虚にならないといけない。

 

後は不祥事で下まで落ちてしまった朝乃山が早く幕内に戻り、早く三役に戻ることを待つしかない。

うまくいけば来年終わりには大関に復帰している可能性があるのではないか。早いかな。

 

私が先々場所くらいから注目しているのは、翠富士だ。

現在6連勝。先場所は負け越したが、相撲内容が負けても充実している。つまり、小兵ながら舞の海や炎鵬のような忍者的な相撲は一切取らず、常に正攻法(全てではないが)で向かっていくことだ。腰も安定し、腕っぷしの力もあり、回しも早く取りに行くし、粘り(つまり諦めない)も素晴らしい。体全体にエネルギーが漲(みなぎ)っているのを感じる。

最近の力士にはない、古いタイプというか正攻法力士で一番まともな力士に思える。

負けても館内をどよめかす、これが力士というものだ。

 

大関、横綱は無理にしても常に上位をキープできる力を持っているから、今後はもっと翠富士に注目すべきだ。今6連勝だから、まだ早いが優勝候補の一人だ。徐々に人気も出てくるに違いない。

 

あとまだ見たことがないのだが、大柄で関取最長身204センチあるという新入幕の北青鵬、元横綱朝青龍の目に留まり相撲界にはいったという金峰山。両力士ともに頑張っているようだ。

この二人ともモンゴル人とのこと。モンゴル力士がいなければ相撲界は成り立っていかない。それなのに、元横綱白鵬につらく当たるのはなぜなんだろう。白鵬の横綱時代に少し古臭いルールから外れたからといっても貢献度は多大なはずなのに。

 

あと、十両の落合。これも見たことがないのだが、髷も結う暇がないくらい早く出世してきた力士のようだ。この有望若手力士3人の評判はすべて女房からのものだ。結構見る目が高いので、その評価は確かなものと思っている。

 

若手に有望株がいることはとてもいいことだ。

相撲に限らず、トップスターだけが面白いのではなく、頑張っている若手等(若手に限らないが)を自分なりに見つけて、応援するのも面白い。

 

ああ、大関候補を一人忘れていた。関脇阿炎だ。今日も勝った。しかし、私は全く阿炎が嫌いだ。

取り口がのど輪と突きと引きしかないのは、相撲として全く面白みがない。長い手で突きとのど輪を防ぐのが難しいので、阿炎は勝ちを収めるが、勝てばいいってもんじゃない。取り口の「美」というものがあるはずなのに阿炎にはそういうものが全く感じられない。ただドタバタ!このままでいけば、大関昇進も早いかもしれないが、最近は阿炎の突きを外す対抗策を考え始めた力士も出てきたから、みんながこれを研究すれば阿炎はなかなか勝てなくなる。突きだけでない勝ち方を錣山親方は阿炎に教えないといけない。

 

ついでに、今場所急に調子が良くなった正代。力が体に漲っているように感じられる取り組みがあった。今頃なんで頑張るのかねえ。大関復帰の可能性があった場所に頑張ればよかったのに。つまり、精神力が弱いんだろうな。熊本県人のくせにもっと男を出せ、コンニャクの様なくねくねはやめろ、と火の国出身の女房が叫ぶのでした。

 

(追伸)

相撲と卓球を見ていていつも思うこと。

土俵の大きさ、もう少し大きくできないのかね。

力士の体はドンドン大型になっているのに、土俵はいつまでも昔のまま。

もう少し大きくしたらもっと迫力のある相撲が見れるんじゃないのか。

小兵力士にはマイナスかもしれないが。

 

同様に、卓球も。

あのテーブル幅と長さをあと2~30センチ大きくしたらどうか。

そうしたらもつと迫力が出る打ち込みなどができるんじゃないのか。

ちまちまし過ぎ。

 

そうそう、バレーボールもバスケットボールもゴールのネットやバスケットの高さをあと30㎝ぐらいたかくしたらどうか。

特に背の高い選手がバスケットにぶら下がるのは、大胆というより単に背の割に低いということだろう。

相対的に低いバスケットにぶら下がりながらボールを入れたって当たり前だし面白くもなんともない。

柔道で重量制を取り入れないで試合しているのと同じではないか。100キロの選手が50キロの選手と戦って勝っても何にも面白くないではないか。昔は姿三四郎が大きい相手を投げ飛ばしたのが柔道の醍醐味だとマンガに書いてあった気がするが。

バスケットボールはだから大嫌いなスポーツだ。