小西洋之参院議員といえば、国会でクイズまがいのくだらない質問を安倍首相にしてヒンシュクを買ったり、委員長席に「ダイビング」をしたりと少し頭の足りない立憲の議員として有名だったが、これでも東大を出て、郵政官僚出身の議員なのだ。

佐藤議員に右パンチを頬に食らっている乱暴者が小西議員

 

最近は見掛けることがなかったが、久しぶりに国会審議でまた騒いでいるようだ。

安倍政権時代の放送法の政府解釈をめぐってのやり取りのようだが、ニュースだけではよく理解できない。

フジテレビ。

「高市経済安保担当相は、参議院の予算委員会で、野党側が示した安倍政権時代の放送法の政府解釈をめぐる内部文書とされる資料について、「ねつ造文書だ」としたうえで、文書がねつ造でなければ、議員辞職する考えを示した。

立憲民主党・小西洋之参院議員「仮にこれがねつ造の文書じゃなければ、大臣、そして議員を辞職することでよろしいですね」

高市経済安保相「結構ですよ、私はこのようなことは言っていません」

立憲民主党の小西参議院議員が入手・公表したのは、放送法が定める「政治的公平」の解釈などについて、安倍政権下の2014年から2015年にかけて、官邸と総務省の間で行われたとするやりとりを記録した内部文書とされる資料。」

 

日テレ。

「2015年5月に高市総務相が突如行った放送法の解釈。その内部文書」

政府はこれまで、放送の政治的公平性が確保されているかは、1つの番組をみて判断するのではなく、テレビ局が放送する番組全体をみて判断するとの原則的な解釈を示しています。しかし、小西議員はこの解釈を“安倍政権が極端な内容の番組ならば、1つの番組でも問題視する可能性があるという新たな解釈を加えた”と主張。内部文書とするものによれば、“当時の安倍首相側が、総務省に圧力をかけたことによって解釈が変更された”と訴えました。

 

立憲 小西議員

「言論報道の自由の根幹である放送法の解釈が政治的な圧力によってつくられたということが、認められていいとお考えでしょうか。お答えください」

岸田首相

「正確性や正当性が定かでない文書について、私から何か申し上げることはありません」

 

岸田首相は、本当に政府のものか定かではないと答弁しました。一方、小西議員は、入手した文書に“当時の安倍首相と高市総務相が電話で意見交換した内容が記載されている”と主張しました。

 

立憲 小西議員

「安倍首相からは“今までの放送法の解釈はおかしい”旨の発言。実際に問題意識を持っている番組を複数例示『サンデーモーニング』他。こうした会話、『サンデーモーニング』という言葉が安倍首相の口から発言があったのでしょうか」

 

高市経済安保相

「放送法について、安倍首相と何か打ち合わせをしたり、レクをしたことはございません。もしも、私と安倍首相の電話の内容が文書に残っているとしたら、私の電話に盗聴器でもついているのでしょうか。全くそれは、ねつ造文書だと私は考えております

 

立憲 小西議員

これをねつ造の文書だとおっしゃるのであれば、仮にこれが、ねつ造の文書でなければ、大臣そして議員を辞職するということでよろしいですね

 

高市経済安保相 「結構ですよ」

 

高市経済安保相は、文書がねつ造でなければ議員辞職する考えを示した上で、非常に悪意を持ってつくられた文書だと強調しました。

(引用終わり)

 

この内部文書、安倍・高市氏らの放送法に関するやり取りの議事録、役人の作ったものらしいが、そもそも総理大臣と当時の総務大臣がある案件について相談してどこが悪いんだ、という基本的な疑問がある。捏造文書だとしても、相談してどこが悪い、と突っぱねるべきなんじゃないのか。

「今までの放送法の解釈はおかしい」と安倍氏が指摘して何ら問題はないはずだ。

 

岸田が、防衛費は増税でなく国債で賄った方がいいかもしれない、と財務大臣と相談した時、立憲は、今まで増税だと言ってきたのに、国債に変えるなんておかしい、なんで財務大臣と相談するんだ、なんて小西が文句言ってきたら、「お前、アホか」の一言で済むんじゃないか。

 

さて、この怪文書のような内部文書は誰か役人が作ったわけだが、高市大臣を辞任に追い込む目的で作ったことは確かだろう。小西は元郵政省の役人だから、郵政が総務省となっているので知り合い又は元部下や高市嫌いの役人も知っていることだろう。そんなこんなで怪文書をでっち上げたに違いない。

 

高市氏はその文書を堂々とねつ造文書と言えるくらい自信があるのである。

高市氏はそこらのへなちょこ大臣と違うから、アホの小西に対しては敢然と戦う姿勢を示したわけである。

 

小西は高市大臣の議員辞職という言質を取った。

「これをねつ造の文書だとおっしゃるのであれば、仮にこれが、ねつ造の文書でなければ、大臣そして議員を辞職するということでよろしいですね」

高市経済安保相「結構ですよ」

 

おお、勝ったと小西は思っているかもしれない。安倍元首相がモリカケ問題のときに議員辞職を口にして、その後この点をねちねち責めた経験がある立憲だ。

 

「私(安倍)も妻も一切、この認可にもあるいは国有地の払い下げにも関係ないわけでありまして(中略)私や妻が関係していたということになれば、まさに私は、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめるということははっきりと申し上げておきたい。」

 

このモリカケ問題も財務省による安倍追い落としの陰謀であったから、今回は総務省役人と立憲がグルになっての高市大臣追い落としの陰謀かもしれない。

 

「ねつ造の文書でなければ、大臣そして議員を辞職するということでよろしいですね」

「結構ですよ」

 

しかし、このキップの良さ、潔さは素晴らしいのだが、私に言わせれば高市氏にもう一歩踏み込んでほしかった。

 

小西「ねつ造の文書でなければ、大臣そして議員を辞職するということでよろしいですね」

高市「結構ですよ。ただし、ねつ造文書であることがはっきりしたら、小西議員、議員を辞職するということでよろしいですね。その覚悟はおありですね!」

と。

 

このやり取りに、昭和初期軍部の横暴が問題になっていた時の議会の「腹切り問答」を思い起こさせる。

この腹切り問答とは、1937年(昭和12年)1月21日に帝国議会の衆議院本会議で浜田国松議員と寺内寿一陸軍大臣との間で起こったやりとりのことだ。

 

Wikiより。

この日、帝国議会において立憲政友会の浜田国松衆議院議員が「近年のわが国情は特殊の事情により、国民の有する言論の自由に圧迫を加えられ、国民はその言わんとする所を言い得ず、わずかに不満を洩らす状態に置かれている。軍部は近年自ら誇称して(中略)独裁強化の政治的イデオロギーは常に滔々として軍の底を流れ、時に文武恪循の堤防を破壊せんとする危険がある」と二・二六事件以降の軍部の政治干渉を痛烈に批判する演説を行った。

この時浜田は議員歴30年、前衆議院議長という議会の長老で、それだけにこの演説は党派を超えて多くの議員を唸らせるものがあった。

これを聞いた寺内陸相は答弁に立って「或は軍人に対しましていささか侮蔑されるような如き感じを致す所のお言葉を承りますが」と険しい表情で反駁

 

ところが浜田が2度目の登壇で「私の言葉のどこが軍を侮辱したのか事実を挙げなさい」と逆に質問をしたため、寺内は「侮辱されるが如く聞こえた」と言い直した

それでも浜田は3度目の登壇で「速記録を調べて私が軍を侮辱する言葉があるなら割腹して君に謝罪する。なかったら君が割腹せよ」と激しく寺内に詰め寄った。

これに寺内は激怒、浜田を壇上から睨みつけたため、議場は怒号が飛び交う大混乱となった。

(引用終わり)

 

高市氏なら当然この「腹切り問答」を知っているはずだ。そうなら、「文書が捏造でなかったら、議員辞職する」で終わらせずに、捏造であったら君が割腹せよ(議員辞職せよ)」と詰め寄ってほしかった。

 

おそらく、言葉の行きがかり上、捏造であったら君が割腹せよ(議員辞職せよ)と詰め寄られれば、小西は「おうよ、議員辞職してやろうじゃねえか」と啖呵を切るしかなくなったはずなのである。

その気迫で高市氏が迫れば、小西と役人が連携した陰謀は雲散霧消したはずなのである。

 

そして、文書が晴れて捏造だと判明したら、小西を議員辞職に追い込むことが出来たんじゃないか。

それが残念に思うのだ。