大物政治家によるウクライナ戦争についての発言では、森喜朗元首相の今回の発言は一番まともな意見と言えるだろう。
鈴木宗男参院議員も前から日本が報道も含めてウクライナ寄り過ぎることを批判していたが、癖のある政治家発言として非難されこそすれ、まともな扱いはされていなかった。
しかし、森喜朗元首相の発言は重みがあるといえるのではないか。
「今のロシアの問題もそうです。せっかく積み立ててここまで来ているのに、こんなにウクライナに力入れちゃっていいのかなと」
「ロシアが負けるってことは、まず考えられない。そういう事態になれば、もっと大変なことが起きる。その時に日本がやっぱり大事な役割をしなきゃならない。それが日本の仕事だと思います」
と政府のウクライナ支援の方針に疑問を投げかけた。
ネットで調べてみると、森氏は今回が初めての発言ではないようだ。
去年11月には、鈴木宗男氏主催の政治資金パーティーで、ゲストの森喜朗・元首相が「ゼレンスキー氏は、多くのウクライナ人を苦しめている」と発言して物議を醸したと書かれていた。
(要するに、世間体を気兼ねせずに、日本国のことを本当に心配して発言できるのは森元首相ぐらいしかいないのである。悲しいというか、恥ずかしいというか、日本人も堕ちたものだ。)
この発言に鈴木宗男氏は
「森総理が言わんとしたのは、外交とは約束であり、信頼の積み重ねだという当たり前のことです。よく日本の国会議員が、『われわれはウクライナ国民とともにある』って言うんですが、勉強不足です。ゼレンスキー政権がそれほどまで信頼に足るのでしょうか。ミンスク合意(注:2014年にウクライナ東部で始まった紛争の停戦合意)を守る義務はない、と開き直ったのはゼレンスキー氏ですよ。
しかも、ブダペスト覚書(注:1994年、ハンガリーの首都ブダペストで、アメリカ・イギリス・ロシアの核保有3か国が署名した覚書。内容はウクライナの核兵器放棄と引き換えに、安全を保障するもの)の見直しまで言い出した。だからロシアが特別軍事行動をせざるを得なかったんです」
今回の森氏の発言に対し、
「私も国力から見てロシアが負けることはないと考える」と森元首相に同調した。その上で「今のウクライナゼレンスキー大統領の発言と大本営発表が私には重なってくる」とし、ドイツと米国がウクライナに戦車を供与することを発表したことに触れ、「欧米がこうした武器を供与することにより、一つ間違いなく言えることは、戦争が長引き、犠牲者が増えることである。その犠牲者は、子供、女性、お年寄りが一番被害に遭うのである。停戦をし、話し合いをするしかないのである。日本の役割を果たしてほしいものだ」とブログを綴った。
森氏の発言に対してマスコミの扱いはひどいものだ。
森喜朗元総理の“ロシア負けない”発言が物議 現役閣僚からも「とんでもない」と批判の声
TBS NEWS DIG
「こんなにウクライナに力入れていいのか」。欧米が支援を強化する中、日本の外交姿勢に疑問を呈した森元総理の発言が、物議を醸しています。
(中略)
総理就任後、初めての外遊先にロシアを選んだ森氏は、退任後も特使としてプーチン大統領と会談するなど、日ロ関係のキーマンとなってきました。日本としての対ロシア外交の重要性を訴えた形ですが、自民党内でも波紋を呼んでいます。
現役閣僚「G7の主要議題なのに、とんでもない」
自民・ベテラン議員「サービス精神でああなっちゃうんだよな」
今回の発言を受けて、日本政府は…
木原誠二官房副長官
「森元総理のご発言につきましては、承知をしておりますが、その逐一について、政府としてコメントすることは差し控えたいと、このように思います」
日本政府は、ロシアへの制裁を維持し、ウクライナ支援を進める方針に変わりはないと強調しています。
(引用終わり)
TBSは平和を求める森元首相に対し、自民党内から批判が出ているとして森氏の発言を「とんでもない」と否定したことを取り上げ、日本が戦争にのめり込むことに何の躊躇もないようなのだ。
左翼TBS、護憲TBS、戦争反対TBSはどこに行ったのか。
太平洋戦争さなかに軍部の戦争を支持して、国民の戦意宣揚を図ったマスコミについて、深く反省したんじゃなかったのか。
日本がアメリカの言いなりになって遥か果ての戦争にじわじわと参加させられているという自覚はないのだろうか。本気でウクライナの民主主義と独立を守るために支援するなんて思っているのだろうか。ナチス国家ウクライナを。
今通常国会が開かれているが、森氏の言う如く日本が「こんなにウクライナに力入れていいのか」と政府を野党はなぜ追及しないのかとマスコミは責めないのか。
現役閣僚は「G7の主要議題なのに、とんでもない」と言ったそうだが、この被爆地広島でG7首脳は何を世界に訴えようと画策しているのか。
それは、核戦争の悲惨さを訴え、NATO軍によりに核をウクライナに撃ち込み、ロシアが核を使用したと捏造し、だからロシアに核を撃ち込んでもいいんだということを画策しているらしいという見方があるのだ。核戦争を引き起こすために、広島が使われるというおぞましい計画だ。
日本の首相は広島で「ロシアを倒すまでもっと、ずっと戦争を」と言いたいらしい。
現役閣僚は「G7の主要議題なのにとんでもない」ということは、ロシアを倒すために、もっとウクライナに加担しろと言っているのだ。
日本人は日本の政府にそんな馬鹿げたことを言わせていいのか。
岸田もマスコミも鈴木宗男氏の
「欧米がこうした武器を供与することにより、一つ間違いなく言えることは、戦争が長引き、犠牲者が増えることである。その犠牲者は、子供、女性、お年寄りが一番被害に遭うのである。停戦をし、話し合いをするしかないのである。日本の役割を果たしてほしいものだ」
という言葉をかみしめてほしいものだ。
本来日本の役割は、停戦のためのリーダーシップを取ることである。
しかし、そんなことは今やないものねだりになっている。情けない、本当に情けない!