国際政治ジャーナリストの堀田佳男氏が、今日のJBpressにロシアの次の戦略についての解説記事を書いている。

これによると、これまでの「ウクライナ勝った」という雰囲気はまるでなく、インフラ攻撃に次いで、プーチンの2段階作戦によってウクライナ軍の全滅、そして戦争終結の可能性を指摘している。

 

ただ、この記事の難点は、ウクライナが窮地に陥った時、NATO及び英米がどう出てくるかについての言及がないことだ。もう支援すべき砲弾が枯渇したといわれているが、ロシア軍の今後の攻勢に黙って指をくわえてみているはずはないからだ。

本当に全面戦争をするつもりなのか、それとも真剣に停戦交渉をし始めるのか、どちらの可能性が高いのか分析を示してほしかった。

 

JBpressはビジネスマンにも読まれていると思われるので、こういう記事が出てくることはウクライナ戦争の本当の状況が分かってとてもいいことだ。

防衛研究所の小泉悠や高橋杉雄など「ウクライナ攻勢中、ロシア軍は敗退」とプロパガンダ通りを分析と称してマスメディアに垂れ流している輩はぜひこの記事に反論してほしいものだ。

 

JBpress

プーチンの2段階作戦でウクライナ軍全滅の危険性も

インフラ攻撃は戦争終結への前段階と米軍事専門家

2022.11.30(水)堀田 佳男

 

ロシア軍によるウクライナでの軍事攻撃が続いている。

 これまで、戦略的インフラ(軍隊や軍事施設)が主なターゲットだったが、最近になって戦略に変化がみられ、狙われるのが民間のエネルギー施設や通信インフラ、輸送施設へと変わってきた。

 ウクライナ各地では、ロシア軍に攻撃された発電所やインフラ施設の復旧作業に追われており、すでに電力不足も発生している。今の時期に広範囲にわたって停電になれば、氷点下の気温に耐えられず、多くの住民がウクライナからヨーロッパ諸国に越境することもありうる。

 同問題に精通している米ジャーナリストのマイケル・ホイットニー氏によると、「ロシア軍の作戦目的は、戦争を行うウクライナ軍の能力を弱外化させることにある」という。

 さらに「いま攻撃されている電力網、鉄道、燃料輸送施設、指揮統制センターは戦争を早く終わらせるために計画された2段階のファーストフェーズに過ぎない」とのことである。

 

 ウラジーミル・プーチン氏のファーストフェーズの狙いは、ウクライナのエネルギー・インフラをミサイル攻撃して、大規模な停電を起こすことであるという。

 すでに夜通し続いた攻撃によってウクライナの広範な地域で停電が発生。それにより、プーチン氏はウォロディミル・ゼレンスキー大統領が二国間交渉に関与してくると読んでいた。

 しかし、ゼレンスキー氏はあらゆる場面で頑なに外交を拒否し、ロシアと戦う選択をしている。この決断は米ワシントンの政府関係者から支持されているためでもある。

それでも先日のロシア軍による電力発電施設への攻撃により、15基の原子炉を備えた4つの原子力発電所はすべて活動停止へと追い込まれた。11月24日の朝、首都キーウは70%以上の家庭が停電に見舞われ、水道も首都の約半分で断水という事態に陥った。広範囲にわたる停電が継続されると、必然的に生活に支障がでて、百万単位のウクライナ人がヨーロッパ諸国に避難することもあり得る。

 ウクライナの電力システムの多くはすでに老朽化しており、そこにロシア軍による変電所などへの破壊行為が加わり、市民の生活は困窮してきている。

「ウクライナは徐々に石器時代に突入している」という冗談ともいえないことが語られはじめているほどだ。

 

 プーチン氏が目論むファーストフェーズのインフラの破壊が行われた後は、第2段階としてウクライナの戦力の破壊に力が注がれるという。

 ロシアは約50万人の軍隊を戦略的にウクライナに配備し、遭遇するウクライナ軍を叩き、主要都市を占領していく予定だ。ウクライナは隣国ポーランドからの補給線が遮断され、軍隊の機能が低下して、すでに攻撃に対して脆弱になってきている。

 米ダグラス・マクレガー米陸軍大佐(退役)はネット上で次のように述べている。

「ロシア軍はいま、ウクライナ郊外に54万人を駐留させている。私の予測では、ロシアはウクライナでの戦争を終結させるための攻撃準備に入っている」

ロシアはそろそろ戦争の幕引きを図ろうとしているというのだ。同大佐はこうも言う。

「54万の兵士のほか、1000のロケット砲システム、1500台の戦車を含む5000の装甲戦闘車両、そして数百の戦術弾道ミサイルを用意している」

「これを使うことになると、1945年以来、経験したことのなかった規模の戦争になる可能性がある」

 

 ロシア軍による第2段階の展開がどうなるかは正確には分かりかねるが、軍事サイト「1945」が掲載した記事を読む限り、ウクライナ側の損害は甚大であり、衝撃的といえるほどの結果になりかねない。 記事の執筆者であるダニエル・L・デイビス氏は元米陸軍中佐で、4回戦闘地域に派遣された経験者だ。

 プーチン氏が全面攻撃を命じれば、大規模な空爆、ミサイル攻撃から始まり、ウクライナの電力網、変電所、燃料貯蔵施設、鉄道基地、通信施設などを完全に破壊することになると言い、ここまではすでに進行中とみなすことができる。

 そうなるとウクライナ空軍の支援が功を奏しなくなり、国内での部隊の移動も困難になり、食糧、水、医薬品、弾薬等の補給能力も著しく低下することになる。キーウが戦闘部隊への補給を優先すれば、市民は凍死したり食糧不足に陥る可能性が高まり、ウクライナは不利な状況に追い込まれる。

 デイビス氏によると、プーチン氏はいくつかの方策を考えているという。

 1つは20万人の追加部隊をウクライナに投入し、ポーランド国境からの供給網を遮断。

 ポーランドはこれまでもウクライナに強力な政治的支援を行ってきた。ウクライナは1日に1000トンの支援物資が必要といわれているが、そのほとんどがポーランドから入ってきている。

 2つ目の方策は「大都市を攻撃することが成功につながるわけではない」という内容だ。

 プーチン氏は大都市攻撃の代わりに、生活の基盤となる補給網を断つことに力を注ぎ始めている。「戦争に勝つために維持しなければならないものを奪うこと」が重要なのだという。

 ウクライナの場合、キーウからポーランド国境に至る西側が第1の攻撃対象になっている。ロシアが狙っているのは、ポーランド国境に近いリビウ市周辺への優先攻撃だ。さらに東方に位置するスームィ方向への北東攻撃、そして東部ドンバス地方に向けて、現在の攻勢を強化する支援攻撃が3本柱になる。

 デイビス氏によると、ロシアに3方面の補給網を遮断された場合、「キーウが数週間以上戦時作戦を維持することはほぼ不可能になる」という。

 さらにベラルーシ南東部からリビウ市にかけて、ロシアに集中攻撃を仕掛けられた場合、ウクライナ軍にとっては戦略的に最大の脅威となる。すでにロシアの戦略家は、ポーランドからの補給網を断たないかぎり、ロシアが戦争に勝つチャンスは低くなることを理解しているという。

 

 ウクライナでの戦争が、デイビス氏のシナリオ通りに展開されるかどうか分からないが、最終的にゼレンスキー大統領が交渉のテーブルにつかない限り、戦争の終結はみえない。

 1945年以来の本格的な全面戦争が起きた場合、ウクライナは「全滅するかもしれない(annihilated)」という予測もあり、そうならないことを祈るばかりである。

(引用終り)

 

ウクライナ戦争の終結が見えてきた。どちらにしても、死神ゼレンスキーの命運はあとわずかということだ。

その最後は、ヒトラーのように地下壕で自決するか、ムッソリーニのように市民に吊るされて街頭に晒されるか、どちらかだろう。

亡命してコートダジュールにてヨット遊びで余生を送らせることなど絶対にあってはならない。最低でも裁判で有罪にしないと。

 

 

東京裁判は勝者の裁判だから否定するが、ゼレンスキーについては、平和に対する罪、人道に対する罪、通常の戦争犯罪の全てを犯しているのだから、ウクライナ国民は極刑とすべきである。