素人ブログに文句を言ってもしようがないが、いつも引用する「農と島のありんくりん」ブログは、いまだにウクライナ軍は攻勢を強めていると強がりを言っています。
「ヘルソン市が奪還され、市民は歓喜に沸き立っています。死の街は生き返りました。自由が帰ってきたのです。当たり前にじぶんの国の旗を掲げることができ、自分の国の国語で会話し、自分の意見を誰はばかることなく言える、言っても拷問に合わない、あるいは隣の人を密告せずに済む社会。これが「自由」と、私たちが呼ぶものではないでしょうか。」
農と島のありんくりん氏は能天気にもウクライナのプロパガンダを無邪気に信じて、全く逆なことを言っている訳です。ウクライナ国家は警察国家、ナチ国家に堕しているのに、自由があって密告もなく拷問にも合わないのがウクライナだと言っています。どこに目を付けているのでしょうか。
そんな風に喜ぶ農と島のありんくりん氏が悩んでいることは、ロシアによるエネルギー等のインフラ攻撃です。
「軍事的勝利が遠のいたロシアが狙っているのは、消耗戦に持ち込むことです。
軍事的消耗戦のみならず、ウクライナの経済・電源・交通インフラを狙い撃ちにして、ウクライナ経済全体を破壊しようとしています。
かつての大戦で日本が敗北したのが、この経済破壊をやられたためでした。
大戦末期の日本は海軍が壊滅した後、潜水艦による燃料や資源、食料の輸入の道を閉ざされ、全国の都市に爆撃を受けて経済と生活インフラが土台から崩れ去ってしまいしました。国民は飢えに苦しみ希望を失いました。
このかつて米国がB-29と潜水艦を使って日本を敗北に追い込んだことを、今度、ロシアはミサイル攻撃でしようとしているわけです。
ちなみに、このような民間人に無用の苦痛を与える戦略爆撃という方法は、戦時国際法とそれを発展させた戦後の国際人道法によって禁止されています。」(農と島のありんくりんより)
確かに指摘するように、ウクライナは日本の大戦末期のような国民は大変な状況に会っています。
しかし、「このような民間人に無用の苦痛を与える戦略爆撃という方法」をロシアが実施しているというのは、間違いでしょう。
米軍の戦略爆撃は、民間インフラ設備のみならず、工場や民間住宅を無差別に焼夷弾や爆弾で破壊し殺戮したわけですから、まさに戦時国際法違反といえますが、ロシア軍は人的殺戮を全く目的とせず、エネルギーインフラや生活必需施設の破壊をもっぱらとミサイル攻撃しているわけです。
もちろん、これから迎える厳寒のウクライナでこのまま戦争が続けば、砲弾ではなくて寒さと飢えで死ぬ可能性は大いにあります。
「大手メディアからの洗脳に騙されない為のブログ」や「Moon of Alabama」の記事から参考にさせてもらいますが、今やウクライナは電気・水道・ガスのほとんどが止まった状態のようです。
「何週間もの間、ロシアのミサイルはウクライナの送電システムの主要コンポーネントを標的にし、家庭、企業、政府機関、学校、病院、その他の重要な施設に電力を供給することが不可能な重要な変圧器をノックアウトしました。
ヨーロッパのシステムからウクライナへの限られた電力輸入はまだ可能かもしれませんが、その電力はウクライナの西部の都市でのみ利用可能になります。
電気がなければ、都市の配水システムに水が流れません。水なしではトイレは使用できません。公衆衛生は損なわれます。ウクライナのインターネットもダウンしています。
ロシアはまた、ウクライナが持っている天然ガス源のいくつかを攻撃しました。大規模なロケット攻撃が、最大の生産および掘削地域の1つであるシェベリンカを含むハリコフとポルタヴァ地域の10のガス生産施設を攻撃したと。」(「Moon of Alabama」より)
また、
「ウクライナ政府は残った電力をどこに供給するかを考え、東側のオデッサやニコラエフへの電力の供給を止めて、首都キエフと西側に優先的に供給することにしました。
その理由はやはり西側のほうがロシアからのミサイル攻撃の頻度が低いということ、西側のほうが政治的な意味で彼らにとって重要ということ、またミサイル防衛システムへの電力供給や軍への電力の供給を優先して、その結果、東部ヘルソン、ニコラエフ、オデッサは停電が続いている、という状況になっているようです。」(「大手メディアからの洗脳に騙されない為のブログ」より)
もうウクライナは雪も降ってかなり寒いはずですが、嘘つきゼレンスキーがYouTubeで発信する姿では、未だに半袖Tシャツを着ています。地下深くの大統領官邸のゼレンスキー執務室は余程暖房が効いているのでしょう。つまり、不足気味の電力を国民に分け与えずに、キエフ(といっても市内は停電しているようですが)に優先的に供給してゼレンスキーはぬくぬくとしているのです。これでは市民の苦労は分からないでしょう。
「農と島のありんくりん」氏が言うように、「戦闘では勝っているが、消耗戦では負けている」のではなく、戦闘でも今後はロシア軍が攻勢に出るために準備をしているところであり、負けている訳ではないのです。
ヘルソンから撤退したことについて、ジャック・ボー元大佐はウクライナを「ピュロスの勝利」と呼んでいます。
「ピュロスの勝利」は、「損害が大きく、得るものが少ない勝利」、つまり「割に合わない」という意味の成句であり、古代ギリシアのエペイロス王で、戦術の天才と謳われたピュロスの故事に由来します。
「百々峰だより」のブログ氏が以下のように説明します。
「…ヘルソン州都から撤退することは大きな打撃なりますし、プーチン大統領にとってもメンツを潰されたことになります。しかし私は、この戦術は正しい選択だったと思います。
というのは上記の地図を見ていただければお分かりのとおり、ヘルソン市は背後にドニエプル川が控えていますから、ウクライナ軍が圧倒的人数で攻撃した場合、ロシア軍は逃げ場を失ってしまい、多数の犠牲者を出すことになります。
だから、ここは『孫子の兵法』(謀攻篇)に従い、圧倒的に勝利できない場合、さっさと撤退し、相手に「ピュロスの勝利」を与えればよいわけです。ロシアは「戦術的勝利」ではなく、「戦略的勝利」を得る道を選択したのでしょう。
つまりウクライナ軍の得たものは、「犠牲が多くて引き合わない勝利」「損害が大きく、得るものが少ない勝利」に過ぎなかったのです。
この「ピュロスの勝利」については、スイス情報局のジャック・ボー元参謀本部大佐が次のように語っています。
<言い換えれば、ウクライナは領土のために戦い、ロシアは脅威の可能性をなくすことを目指した。ある意味領土を守ることでウクライナ側は、ロシア側の仕事をやりやすくしていたのである。領土はいつでも取り戻せるが、人命は取り戻せないからである。>
(引用終り)
つまり、「兵士の命を大事にするロシア」と「兵士の命を省みないゼレンスキー」の差がヘルソン撤退といえるので、ロシア軍は負けてはいないのです。
しかも、エネルギーインフラ等を破壊されて、ウクライナはもう国家としては成り立たない状況なのです。
「Moon of Alabama」が言います。
「「住めなく」なりつつある国は、戦争をして勝つチャンスがほとんどない。輸送手段、電気、熱、通信がない場合、すべてが信じられないほど困難になります。
これらすべてが引き起こす難民の流れは、ウクライナをロシアとの和平交渉に追いやるようヨーロッパへの圧力を高めるでしょう。厳しい条件が適用されますが、この混乱から抜け出す方法は他にありません。」
また、「大手メディアからの洗脳に騙されない為のブログ」より引用すると、
「…そのような中、ロシア政府からウクライナ政府に、「最後通牒」としての警告が届きました。
その内容は「ウクライナ政府が11月末までにロシアと交渉を再開する意志を表明しなければ、全部の電力供給システムは破壊されるだろう。」というものです。
ロシアからのその警告を受けて、ウクライナ政府はどう反応したかというと、交渉再開は拒否して、残っている3000万人の国民に12月が始まる前までに国外脱出することを呼びかけ始めました。(冬季の国外避難)
つまり、ゼレンスキー政権は今、交渉を再開してもウクライナ側が不利になってしまうことは分かっているので、電力は防空システムや軍のために最優先で供給し、そのため軍に動員された以外の国民は避難させて軍はあくまでもロシアと戦う(米国のネオコンたちの策略通り、「最後のウクライナ人まで」戦う という意味?)という意志を示したようです。」
(引用終り)
つまり、この期に及んでも、ゼレンスキーは国民のことを省みず、一億決戦、一億玉砕を叫んでいる訳です。困難に直面したウクライナ国民はそれでも「ウクライナの自由と独立のために」ゼレンスキーに命を捧げるという覚悟なのでしょうか。
そんな奇特な人ばかりではないはずです。
また、「大手メディアからの洗脳に騙されない為のブログ」より引用します。
「オデッサの近くには原子力発電所があり、ロシア軍はもちろん原子力発電所への攻撃はしていないので、そこからの電力は本来供給できるはずなのですが、政治的な理由で西側と首都、軍を優先した結果、オデッサでは19日時点で3日連続全く電気が来ないという状況で、そのことに不満を持った市民が大規模なデモを行いました。
そして、先日ロシア軍が自ら撤退したヘルソン州の中のドニエプル川の西岸の部分(ヘルソン州の40%)ですが、ここでも電気が来ていないこと、仕事もない、ゆえに給料もないこと、ロシアの支配下にあったときには仕事があって給料を貰っていた人もウクライナ政府の支配下に入ってからは仕事を失い電気も失い、おまけにこの解放された地域から兵士として強制動員まで始まっているという状況で不満が高まっています。
ゼレンスキー政権がとても恐れているのは 政府に不満を持ってデモを起こす動きがオデッサ以外の他の都市に広がることです。」
(引用終り)
これがロシアの狙い、戦略なのではないでしょうか。秀吉の毛利高松城の水責めのような。
つまり、敵であっても人的被害を最小限に抑え、ウクライナ国民自らゼレンスキー政権に反旗を翻すことを期待しているのでしょう。
ウクライナゼレンスキー政権は、農と島のありんくりん氏のいうような理想国家ではなく、ゼレンスキー政権は自由も国を守る気も全くないネオナチ政権なのです。
西側からの資金と武器の支援はゼレンスキーその他の懐に入ってしまい、前線の兵士には届けられていません。もう国民は十分承知しているはずですが、自由が弾圧され、密告が奨励され、見つかれば拷問・処刑が待っているのがゼレンスキー政権です。
しかし、もうそんなことはいっていられないと反政府運動が徐々に広がっているようです。オデッサのデモなど。この動きは厳冬を前にして一斉に拡大することでしょう。
そのとき、ウクライナ・ネオナチ保安部隊の銃弾は一斉にデモ隊に発射されるはずです。
それは悲劇ですがそうでもならないとウクライナ国民は覚醒しないでしょう。
まずは停戦交渉をすべきなのです。国民は独立を叫ぶより停戦を叫ぶべきなのです。
今が最後のチャンスです。戦闘で勝利を決めるべきではないのです。まずは停戦です。
ついでながら、ロシア軍のミサイルは発電所自体を攻撃していないようです。攻撃は主に変電所等。
破壊された発電所を再度立ち上げるには相当時間がかかることでしょう。恐らく戦争終了後に早期に生活インフラを復旧させるために、ロシアとして発電所は攻撃対象として選ばなかったのが理由だと思っています。