昨日のフジテレビ「イット!」で、西村大臣出張対応マニュアルが作られていたと、さもスクープであるかのように報じていたが、出張対応マニュアルが作られていたことに政治家として瑕疵でもあるのだろうか。全く報じることが意味不明である。こんなバカがフジテレビにいるから視聴率が最低になるのである。

 

恐らく、フジテレビの政治部なのか社会部なのか知らないが、どこからか役人の作った西村大臣出張対応マニュアルを入手したので、これは自民党特に安倍派の有力政治家西村康稔大臣を叩くのに使えると判断したに違いない。統一教会による自民党叩きはもう飽きたからなあ、と。

 

 

フジテレビ「イット!」(2022.9.2)

 8月の内閣改造で経済産業大臣に就任した西村康稔氏(59)。経産省の職員が西村大臣の「出張時の注意点」と題した対応マニュアルを作っていたことがわかった。

【取扱注意】と書かれたA4サイズ1枚のこの文書。出張時の場面を分類し、「車中」「お土産購入時」「帰宅時」それぞれの注意点が詳しく書かれていた。そのひとつが「お土産購入ロジ」と題された項目。
2021年まで経済再生担当大臣を務めていた西村大臣。その時は視察で訪れた各地の名産品をお土産として購入し、SNSによく投稿していた。
マニュアルにある出張時のお土産購入の注意点を見ると「大臣は、お土産の購入量が非常に多いため、荷物持ち人員が必要。秘書官一人では持ちきれないため、東京駅の大臣車積み込みまで対応することが理想」
「また、お土産店を移動して買い物をすることも想定されるため、会計は一人ではなく複数人で対応できる体制が必要。(大臣はご自身で払おうとするが、会計には時間がかかるため事務方が瞬時に支払い(立替)にいくことが必要)」などと書かれている。
また「生ものを購入することもあるため、保冷剤の購入や移動車の冷房は必須」などと記されている。
試食し自ら支払い ”ジム通い”で食事にもこだわり
8月に福島県浪江町でお土産を選ぶ西村大臣の写真からも、背後からじっと見つめる職員が細心の注意を払っていることがうかがえる。
2年前、大分県豊後高田市を訪れた際の映像では、和菓子店に立ち寄り試食をすると…。
西村経済再生相(当時):おいしいね、これ。ちょっと買って帰りましょうかね
店員:ありがとうございます。お土産にちょっと?
西村経済再生相(当時):買って帰りますよ
お土産用にと即決でお買い上げ。
西村経済再生相(当時):お支払いしますよ。現金がいいですか?払います、払います、払います
確かに大臣が自ら財布を出し、支払いをしていた。


こだわりは、食事にも…。

対応マニュアルの「帰宅時・駅構内での対応」では、こんな注意点が書かれていた。
「大臣は、夕食を購入するために駅構内を散策。弁当購入部隊とサラダ購入部隊の二手に分かれて対応」
関係者によると、西村大臣は「体形維持のためにジム通いをしていて、サラダが好物。炭水化物は控えている」という。
さらに「出張での車の中での対応」として「西村大臣の五月雨(さみだれ)式の質問に答えられるよう体制の構築が必要」などとも記されている。


2年で秘書官5人交代 西村大臣「過度に気を使う必要はない」
なぜ、このような対応マニュアルが作成されたのだろうか。
西村大臣が新型コロナ対策相を務めていた頃を知る内閣府の関係者からは、次のような声が出ている。
内閣府の関係者:何度か出張に同行したが車内で叱責されて、なんとか理由をつくって同乗するのを避けていた
内閣府の関係者:みんな出張の同行を嫌がっていた。秘書官が大変すぎるということで、特別に「大臣室長」というポストを2年前に初めて作った。

西村氏の新型コロナ対策相時代は、2年間で秘書官が5人交代したという。
その一方で各地でお土産を買い、地方でお金を落とすことを評価する意見や、政府関係者からの「このくらいのマニュアルは普通です」との声も出ている。
経産省によると、この文書を作ったのは8月の福島出張に対応した職員だという。


FNNの取材に対し、経産省は「今後の出張の準備の参考になるよう、あくまで参考用の内部文書として自発的に作成したもの」と回答。「西村経産相からの指示は事務方として過度な負担とは認識していない」としている。
その上で、この文書について西村経産相から「過度に気を使う必要はなく、ましてやこのような文書を作成する必要もない」といった指示があったとしている。

(引用終り)

 

FNNの取材担当者、西村大臣への悪意のレッテル貼りは失敗だったのではないか。

役人を頭ごなしに叱ったり、顎でこき使い、私的な仕事まで役人にさせる等々いかにも性格の悪い大臣として描きたかったようだが、トップなら誰しも部下には厳しいし、それに対応する部下は気を使うのが当たり前で、そういう普通の大臣としての西村氏が描かれたに過ぎなかったように思われる。

 

内閣府の関係者に

「何度か出張に同行したが車内で叱責されて、なんとか理由をつくって同乗するのを避けていた。みんな出張の同行を嫌がっていた。」なんて、宮仕えの部下なら誰もが思うことだ。フジテレビだって上司に仕えるディレクターも同じような経験はあるだろうに。だからこの程度の内容では全く悪意のレッテル貼りは失敗だったというのだ。

 

また、「大臣対応マニュアル」を問題視したいらしいが、これなんぞ大臣対応をスムーズにするための知恵として称賛されこそすれ、問題にされることは何もない。

どこでもやっていることだ。うるさい上司がいたらなおさらだろう。

 

私の会社員時代の経験より。

30年ほど前に名古屋支店にいたのだが、名古屋支店長が交代して、多摩支店長が新任として赴任することになった。名古屋支店の総務の課長はわざわざ多摩支店の総務部を訪問して、多摩支店長の性格、行動、仕事の仕方をヒヤリングした。

というのも、今度赴任してくる多摩支店長は相当うるさい人物として評判だったからだ。

だから、名古屋支店としては新任支店長に粗相があってはいけないと準備をしたのであった。

 

といっても、名古屋支店の総務部は毎回新任支店長について、前任地の仕事ぶりを調べていたわけではない。うるさ型という評判の支店長のときだけだ。普通の支店長なら通常の扱いで済むのだから。

うるさ型にはそれ相応の対応するのはサラリーマンとして当たり前なのである。

そして、ヒヤリング結果が文書になって回覧された。当然管理者のみである。

 

ほとんど何と書かれていたか忘れたが、ひとつだけ覚えている。

それは「土曜日が好き」と書かれていたこと。

へえ、土曜日が好きってことは、土曜日にゴルフでもやるのが好きなのかなぁと。一応私は総務部に確認してみた。これってどういう意味?

総務部曰く、「土曜日が好きというのは、土曜日に仕事をするのが好きということで、休みの土曜日でも管理者をやたらに呼びだす、という意味です。」

がっくりきたのはいうまでもない。こりゃ嫌な奴がくるなあ、と。

 

ああもう一つ、女好きという項目もあった。つまり、女性社員には優しく、やに下がること甚だしい、と。

これは私の方でうまく使わせてもらった。

ある案件でどうしても支店長の了解を取れそうもない。一計を案じ、案件に関係のない部署の若手女性社員に支店長説明をさせたのだ。案の定、支店長は案件については上の空で了解となり、あとは女性社員との会話がはずんだのであった。単なる好色バカ支店長だったのである。

 

対応マニュアルを作った訳ではないが、うるさい上司と如何に処すかはサラリーマンとしては重要事項なのであって、大臣対応マニュアルを作っていたことを問題にしようと考えたフジテレビディレクターは、サラリーマンの機微を全く知らなかったのだろう。自民党叩きしか頭にないバカテレビ局を露呈してしまったのだった。