テレビは毎日ロシア軍の住民虐殺報道で持ちきりだが、全部ウソと捏造、ロシア軍へ濡れ衣を着せる行為だとわかるのだが、証拠も集めようともせず、ロシア軍の犯行と決めつける。マスコミにジャーナリスト精神又は良心というものがあるのだろうか。

ドネツク州クラマトルスクの鉄道駅にミサイル攻撃をして50人以上殺害したが、櫻井ジャーナルは、この着弾ミサイルは古くて。現在ロシア軍は使っておらず、ウクライナ軍が使っているミサイルだと述べた。(この件は前々回のこのブログ記事に書いた。)そうなら、それをキチンと調べれば、誰が住民の中に打ち込んだかすぐに分かろうというものだ。

しかし、ロシア軍に罪を着せたいという大目標があるマスコミは、そんなことも調べようともしない。

ネットでは、それを調べたものがいる。凄い!

ミサイルのシリアルナンバーを調べたのだ。

 

シリアルナンバー915xxx はドンバスで内戦中のウクライナ軍が使ったものだそうだ。

09/04/2014 Khartsizsk (915622)

02/02/2015 Alchevsk (91565)

13/02/2015 Logvinovo (91566, 915527, 915328)

19/03/2022 Berdyansk (915611)

17/03/2022 Melitopol (915516)

そして今回鉄道駅に打ち込まれたミサイルのナンバーは、「91579」。

まさに、ウクライナ軍使用のミサイルである。もし違うというなら、国連に申し出て調べさせるべきだ。

 

嘘は簡単にばれる。しかし、またも「認めない、伝えない、ミサイルナンバー♪」とかっぱえびせん方式で真実を握りつぶす。良心を持ったジャーナリストよ、出て来い!

 

さて、最近はそんなウクライナに関する報道が、即座に嘘とその裏の意図がわかるようになってきた。素人の我ながら、すごいことだと思うよ。

 

今回のアメリカの汚いプロパガンダは、ウクライナ軍事作戦を統括する司令官としてドゥボルニコフ司令官を任命したと報じていることだ。

わざわざ、ホワイトハウスのサリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官が話しているのだ。何故なのか。

単なる新司令官任命にすぎないのに、さも重大ニュースのように取り上げるのは何故か。

もちろん、これはプロパガンダなのだから、表の意味と裏の意図がある。もう見え見えだ。

 

まずは新聞記事から。

 

ロシア軍、作戦司令官を任命 東部掌握狙い立て直し

4/10(日) 

【ワシントン共同】ロシアのプーチン大統領が、ウクライナ軍事作戦を統括する司令官として南部軍管区のドゥボルニコフ司令官を任命したと複数の米欧主要メディアが9日報じた。米欧の当局者らが確認したとしている。作戦統括の司令官任命は侵攻後初めて。ウクライナ東部の掌握を目指し、部隊間の連携を強化して態勢を立て直す狙いとみられる。

 ドゥボルニコフ氏は2015~16年、内戦中のシリアでアサド政権軍を支援する軍事作戦を指揮し、人口密集地周辺への爆撃で多くの民間人死傷者を出したことで知られる。ドゥボルニコフ氏の指揮下でウクライナの民間人犠牲が拡大する恐れがある。

 

もう一つ。

米国のジェイク・サリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官は10日、新たに任命されたロシア軍のウクライナ戦争総括司令官がウクライナで民間人にさらに残忍な攻撃に踏み切る可能性があると話した。
サリバン補佐官はこの日、CNN放送の時事番組『ステート・オブ・ザ・ユニオン』に出演して「この将軍は、シリアで民間人に野蛮的な行為を犯した経歴がある」とし「ウクライナでこのような行為がさらに多く発生する可能性があると予想する」と話した。

 

NHKもいう。

ドボルニコフ司令官はかつてロシア南部のチェチェン紛争に参加したほか、2015年から翌年にかけてはロシアが軍事介入したシリア内戦で指揮を執り、この間、多くの市民が犠牲になりました。
ドボルニコフ司令官について、アメリカのホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は10日、CNNテレビに出演し「シリアで市民に対して残虐行為に及んだ過去がある」と述べ、ウクライナでも同様の行為をするおそれがあると懸念を強めました。

(引用終り)

 

まずは表の意味。

・優秀な司令官により、ロシア軍を立て直そうとしていること。

・シリアで民間人に野蛮的な行為を犯した経歴があること。

・ウクライナでも同様の行為をするおそれがあること。

以上の三つだ。

 

この内、一番目はそのとうりだが、2番目は嘘であり、3番目が一番の肝であることだ。ただし、文字通りの意味では全くなく。

 

さて、ロシア軍がシリア内戦に介入したことを詳しく知っている者はどれだけいるだろうか。国際政治や中東専門家などは当然知っているだろう。

しかし、普通の素人はほとんど知らない。シリアって内戦で街は瓦礫になっているが、アサド政権って独裁者で悪い奴がのさばっているところだろう、ぐらいのイメージしか知らない。

私もそうだった。「オリバー・ストーン オン プーチン」(文藝春秋社)というプーチンインタビューを読むまでは。といっても詳しく知った訳ではないが。しかし、プーチンの説明を読むと、これまでのイメージとは違ったシリアの状況が分かってくる。

(プーチンインタビューはamazonプライムビデオで見ることができる)

 

どういうことなのか。

シリアでは2011年以降、内戦が激化するなかで、ISISをはじめとする過激派が勢力を伸ばしてきており、次のようにwikiに書かれている。

 

「シリア内戦は各国・各勢力の思惑が露骨に衝突した戦争となっており、それがこの紛争の解決をより一層難しくしている。アラブの春に影響を受けた、当初の目的である平和的な反政府デモを発端とするものの、その後は反体制派が周辺国からも入り乱れて過激派にとって代わられることで双方の対立が激化。その反体制派からはISILまで生んだ。

つまり、欧米諸国とその同盟国が描く巨悪・アサド政権に対する自由を求める民衆の蜂起という構図は、その後のシリア内戦で変質した。多国籍の軍隊がそれぞれ別の思惑でシリアを舞台にして、自らの権益を拡大・死守する代理戦争と化し、欧米が支援する反体制派では、民主化とは正反対であるイスラム原理主義の過激派勢力が台頭した。

同時にこの対立構造ではSNSを駆使した情報戦が行われており、BBC・CNN等の西側メディアも含めて悲惨な難民の姿や女性、子供の被害者・犠牲者を、メディアを通じてセンセーショナルに報道する場面が目立ち、プロパガンダの応酬となっている。」

(引用終り)

 

次に、シリアにおけるアメリカとロシアについて、国際政治評論家の田中宇氏の文章を見てみる。

 

ロシアのシリア空爆の意味 田中宇

2015年10月4日

昨年夏にISISが台頭して以来、米軍はずっとISISの拠点を空爆し続けてきた。だが「世界最強」のはずの米軍が1年半も空爆し続けてもISISは力が衰えず、シリア政府軍を押しのけて、シリアでしだいに多くの領土を支配するようになっていた。米国などのマスコミは、なぜISISが強いのかを説明するのに苦慮してきた。

イラクやイラン、シリア、ロシアといった、露イラン同盟の側は、米軍はISISを攻撃するふりをして支援していると指摘してきたが、そうした見方は米欧マスコミで無視されてきた。

 ISISは、イラク駐留中の米軍によって涵養されたテロ組織だ。米軍は、ISISを空爆する作戦をやりつつも、ISISの拠点だとわかっている場所への空爆を控えたり、イラク軍と戦うISISに米軍機が武器や食料を投下してやったりして、戦うふりをしてISISを強化してきた。米軍は、露軍の駐留に猛反対しても不思議でない。

 

 しかし今回、露軍がISISを空爆し始めると、わずか3日でISISが崩れ始めた。ISISの幹部や兵士たちは、家族をシリアから、まだ露軍の空爆を受けていないイラクに避難させている。ロシアによると、すでに600人のISISの戦士が、シリアの戦場を離れ、古巣の欧州へと逃避(帰還)しているという。露軍が3日でやれることを、米軍は1年半かけてもできなかった。これは米軍が無能だからでなく、ISISと戦うふりをして支援していたからに違いない。 

 

米欧日のマスコミは、ロシアを意図的に悪者として描くことに執心している。しかし現実を見ると、米英仏のシリアでの空爆が、シリア政府の許可も受けず、国連安保理の決議も経ていない国際法上「違法」なものであるのに対し、ロシアの空爆は、シリア政府の正式な要請を受けて行われている「合法」なものだ。シリアへの軍事進出に関し、ロシアだけが合法で、米欧は違法だ。

 

米国のケリー国務長官は、数日前まで、ロシアのシリア派兵を、アサドの延命に手を貸していると批判していたが、9月22日に態度を転換し、ロシアのシリア派兵はISISと戦う米軍を支援する意味で歓迎だと言い出した。米国は依然、アサド打倒を目標として掲げるが、当面、ISISが掃討されるまでは、ロシアがアサドを支援してISISを退治することを容認しよう、というのがケリーら米政府の新たな態度になっている。

 しかし最近、露軍駐留に対する米軍内の意見が「歓迎」の方向になっている。露軍が空爆するなら、米軍がISISを空爆する(ふりをする)必要がなくなって良いし、露軍がISISとの戦いで苦戦するほど、ソ連崩壊の一因となった1980年代のソ連軍のアフガニスタン占領と同様の重荷をロシアに背負わせ、プーチンのロシアが自滅していく流れになるので歓迎だ、という理由だ。国務省も国防総省も、ロシアにやらせてみたら良いじゃないかという姿勢で、米国がプーチン提案に反対しない可能性も高いと考えられる。

(引用終り)

 

他のネット記事から。

「ロシア国防省は4日、シリアで過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の拠点をさらに空爆したと発表した。一方で英国のキャメロン首相は、ロシアがISIS支配地域以外の標的を攻撃していると批判した。

ロシアの「イスラム国」空爆は相当な成果をもたらしている。一方この空爆によって、アメリカは過去1年半ほど「イスラム国」を空爆してきたものの、その攻撃は真剣に行なわれていなかった事実が明白になった。むしろ「イスラム国」が米・英軍から積極的な支援と武器の供与を受けているのは明らかだ。

アメリカは、イスラエルに敵対しているシリアの「アサド政権」の打倒 を最優先に考え、これと敵対している反政府勢力の「イスラム国」をむしろ支援する動きをしていた。

(引用終り)

 

どうだろうか。これらの記事を読むと、ロシアのシリア介入の意味やイメージが、ホワイトハウス・サリバン補佐官が話す「シリアで市民に対して残虐行為に及んだ過去がある」なんぞということは嘘っぱちであることが分かるだろう。

ロシアがシリアで残虐なことをしたのではなく、残虐なことをしているイスラム国その他のテロリスト集団退治をアメリカがキチンとやろうとしないから、ロシア軍が国連の支持に基づき空爆して退散させたのである。問題はイスラム国を潰すことだったのだ。

一応そのことをアメリカですらロシアを評価しているのである。

 

そんなことを7年も前のことだから誰も知らないだろうと高をくくって、サリバンは嘘をつき、新司令官を悪魔のような残虐なことをやる軍人だと罵った。

他の新聞マスコミ、NHKもそんなことを調べもせず、(NHK国際部はサリバンがデタラメなことを言っていると当然知っているはずだ)サリバンの言う通り報じるだけだ。

 

そして、視聴者も当然シリアのロシア軍の果たしたことを調べる訳がないから、その報道を信ずる。

NHKは素人は当然シリアのことなど知らないから、信ずるだけだと、いい加減な情報を流しても平気なのだ。

 

さて、アメリカのプロパガンダの目的は、トンデモナイ奴がウクライナ侵攻の新司令官になった、シリアで民間人に野蛮的な行為を行ったから、ウクライナでもやるかもしれない、と脅かすことが目的ではない。

 

一応、そう脅かして、ロシア軍は危ない司令官が着任したと思わせる。

その後に起きること(又は起こすこと)が一番アメリカにとって、そしてウクライナにとって大目的なのである。

 

それは、このイメージが出来上がった後では、ウクライナ軍特にアゾフ連隊などのネオナチ軍が、更に大規模な住民虐殺を行えることになったということである。

堂々と住民虐殺を、民族浄化を!誰からも邪魔されず、訴追されない民族浄化!

 

もうやってしまった住民虐殺は、全て新司令官ドゥボルニコフが命じたことだと、虐殺の罪をなすりつけることが可能になったのである。

シリアでもやったのだから、(全くやっていないが)ウクライナでも虐殺をしたんだ、と。ドゥボルニコフ司令官は悪魔なんだと。

 

今回のプロパガンダは、そのための、刷り込みのためのプロパガンダなのである。やったもの勝ちなのだ。アメリカやウクライナにとって、真実などクソ喰らえなのだ。マスコミに取っても同じだ。プーチン憎しで全ての虐殺は、ロシア軍がやったことに決まっているのだと。

 

だから、今後ドンバス地方では、罪もないウクライナ住民、特に親露派住民が多いから、ゼレンスキーやアゾフ連隊にとっては、彼らを虐殺することなど屁でもないのだ。

ウクライナ国民を殺すゼレンスキー。まさに死神大統領なのである。

 

これが、私が解いたアメリカの新司令官着任報道の裏の意図、恐ろしい意図だということだ。