今の主流メディアはウクライナ側の情報しか流さない。だから真実はよくわからない。
しかし、世界の人々は、そのためそれらの情報を鵜呑みにして勝手にメディアの誘導通りの判断しかしない。
主流メディアが信用できないのは、米国大統領不正選挙やワクチン問題を正しく報じなかったからだ。今回のロシア侵攻だけは真実を報道しているなんて信ずることはできない。
勿論主流メディアの流す情報が100%嘘と言っているわけではない。少しの真実を入れなければ誰も信じなくなる。その見極めが難しい。
ロシア寄りの情報を伝えれば、それは全てプロパガンダだと否定される。自分たちの情報もプロパガンダでしかないのに。
そんな中で、国際政治評論家の田中宇氏のコラムはロシア寄りと言える。しかし、その情報源はロシアではなく、アメリカその他だ。
今戦われている戦局がロシアに不利であると伝えられているが、田中氏はというか米共和党系の軍事専門家ダグラス・マクレガーの言によれば、かなり異なっているようだ。
以下に引用する。ウクライナに全面的に肩入れしている人からすれば、このコラムは全て嘘、という評価しかしないだろう。しかし、こういう見方もあるのか、という情報は滅多に見られないから貴重であろう。
ウクライナで妄想し負けていく米欧
2022年3月20日 田中 宇
米共和党系の軍事専門家ダグラス・マクレガー(Douglas Macgregor)が、ウクライナでロシア軍が作戦をゆっくり展開しているのは、ウクライナの市民や都市を破壊しないようにしつつ、露軍を攻撃してくる敵方の極右民兵団(ウクライナ内務省傘下のアゾフ大隊など。ネオナチ)だけを潰せるようにしているからだ、と指摘している。
それなのに欧米のマスコミ権威筋は、「露軍がウクライナで苦戦し負けている」と勝手に間違った妄想を展開・喧伝し続け、「ロシアが負けているのだから米欧NATOがウクライナの領空を露軍から奪還して飛行禁止区域を設定できるはずだ」と勘違いしている、とマクレガーは言う。
私が見るところマクレガーは正しい。NATO内で、米政府やNATO事務局は、マスコミの方が妄想で実は露軍が勝っていることを知っているので、「ウクライナに飛行禁止区域を設定するのは不可能だ。核戦争の世界大戦になってしまう」と言っている。
だが、間違った妄想の方を軽信してしまっているバルト三国やポーランドなど東欧の政府議会、それから米欧全体のマスコミとその軽信者たちは「早く飛行禁止区域を作れ」と叫び続けている。
もし今後、東欧のどこかの国が自体を甘く見誤って戦闘機をウクライナに入れようとして露軍に撃墜され、NATOの5条が発動されて米国がロシアと戦争する義務を負った場合、米国はNATO5条を無視して動かず、米国がこの不履行をやった時点でNATOの信用が崩壊する。
マクレガーによると、プーチンは開戦時から露軍に対し、ウクライナで市民を殺したり市街を破壊することをできるだけ避けつつ任務を遂行せよと命じてきた。
米欧のマスコミ側の人々は「マクレガーはロシアのウソのプロパガンダを軽信しているだけだ」と言っているが、実のところ、マスコミ側の人々の方が間違っている。
ロシア人にとってウクライナ人は同じ民族に近い半同胞であり、ウクライナにはロシア系も多いので、ロシア軍ができるだけウクライナの市民や街区を破壊せずに任務を遂行したいのは当然だ。
2014年に米英が起こしたマイダン革命の政権転覆後、ウクライナは米諜報界が軍事訓練して育てたロシア敵視の極右民兵団に席巻され、彼らがウクライナのロシア系住民を殺して街区を破壊する内戦を開始し、ウクライナ系に対しても略奪などをやり続けてきた。
極右はゼレンスキー側近などウクライナ政府の上層部にも入り込んできた。米諜報界は、育成した極右を通じてウクライナを事実上植民地支配してきた。ロシアは、ウクライナの極右を退治したかったが、米国はロシアよりはるかに強く、最近まで手出しできなかった。
最近、米国の覇権が急低下し、コモディティのインフレも激化して、米露が対決したらロシアが勝ちうる状況になったので、今回の戦争になった。
米政府は露軍侵攻の前に米欧の大使館や諜報要員をすべてウクライナから撤退して支援を突然に打ち切り、ロシアに有利な状況を作ってやっていた(米国は隠れ多極主義的だ)。
この流れから見えるものは、露軍のウクライナ侵攻の目的がロシア政府の公式発表の通り、ウクライナの非武装中立化(米英傀儡からの脱却)と非ナチ化(米英に操られた極右勢力の排除)であると考えるのが自然ということだ。
ロシアやプーチンの主張は全部ウソだと言っているマスコミとその軽信者(今や日米欧の人々の大部分)の方が間違っている。私が見るところ、ウクライナは以前のような米英の傀儡国であり続けるより、今回の戦争でロシアの傀儡国に戻った方が安定して平和になる。
マクレガーによると、露軍はすでに、あちこちにいるウクライナ側の軍勢(正規軍と極右民兵団。主に極右)のすべてを包囲し、補給路を断っている。極右は露軍に包囲された状態で、住民を「人間の盾」にして立てこもっている。この状態で露軍が極右を攻撃すると市民が死ぬので、露軍は極右を包囲したまま、ウクライナ政府と交渉して人道回廊を作って市民を包囲網の外に避難させ、その上で極右を投降させるか、潰そうとしている。だから、露軍は極右を包囲したまましばらく動きを止めている。
米欧諸国がウクライナに携帯用地対空ミサイルのスティンガーなどを送る話になっているが、ウクライナの軍勢は、露軍に包囲され補給路を断たれているため、それらの兵器を受け取れない。ウクライナ空軍はすでに設備のほとんどを露軍に破壊された。米欧は、ウクライナ側が潰されかかっている戦況を変えられない。
マリウポリの劇場を露軍が空爆したと米欧日のマスコミが喧伝しているが、これはたぶん意図的な誤報=プロパガンダだ。マリウポリの市役所はウクライナ側で、彼らが言ったウソをマスコミが意図的に鵜呑みにして大騒ぎしている。
マリウポリの劇場は地下に防空壕がある。極右が劇場を占拠し、防空壕に避難した市民を人間の盾として使いつつ、極右は上階に兵器を置いて陣取り、露軍を攻撃していた。露軍はそれを知っていたのでマリウポリの劇場を攻撃していない。劇場を爆破したのは極右だ。その後、マリウポリの劇場から無傷の市民が多数救出されたが、その一方で死者の存在は報じられていない。負傷者1人だけ報道された。ウクライナ側と米欧マスコミはロシアを極悪に描くため、死者がいたらすぐ大々的に報じるはずだ。続報しだいだが、死者数が少ないか、誰も死んでいない可能性すらある。
露軍機は、ウクライナ領空に入らず、ロシア領空内からウクライナを空爆している。ウクライナ極右のもとにスティンガーが届いたとしても、それで露軍機を撃墜できない。露軍機は日々の攻撃でウクライナの領空に入っていないので、ウクライナの領空が飛行禁止区域に指定されても、露軍はそれと関係なくウクライナを空爆し続けられる。
飛行禁止区域の設定を守るため、東欧諸国などのNATO軍機がウクライナ上空に来て、それを露軍が攻撃するとNATOとロシアの戦争になる。
しかしすでに述べたように、NATO加盟の東欧諸国がロシアと開戦しても、米国はNATOの義務を履行せず、参戦しない。
NATOが崩壊して一番困るのは東欧諸国だ。だから東欧諸国もロシアと戦わない。もう誰もロシアと戦わないが、インチキな戦争報道だけはガンガン続く。コロナのときと同様、そのうちマスコミの巨大なウソに気づく人が増えていく。
ウクライナ戦争でロシアが負けているという、米欧日のマスコミ権威筋がばらまく大間違いの妄想は、米欧日にとって不利な状況を今後いろいろ引き起こす。
近いうちにロシアが負けて米欧に降参し、プーチン政権が転覆されて米英傀儡政権に戻るので、ロシアからの石油ガスの輸出が再開されるだろう、とか。これもトンデモな妄想だ。
ロシアは勝った状態のまま、米欧の妄想をあえてそれほど打ち消さず、この状態を長引かせることで、米欧を主に経済面で窮乏させ、米国覇権を自滅させていきたい。プーチンはこれを意図的にやっている。現状が長引くほど、米欧日は窮乏する。マスコミはプーチンのうっかり傀儡になっている。これも隠れ多極主義者の意図のうちだろう。
ウクライナ難民と称する人々がドイツやフランスにどんどん入ってきているが、仏マスコミによると、フランスに来ているウクライナ難民の3分の1はウクライナ人でなく、北アフリカや中東から来た難民のふりをしたアラブ人の出稼ぎ者たちだ。
こうした偽装難民の多くは、何年も前からフランスなど西欧に住んでいるが自分の都合で来たので市民権を得られていないアラブ人で、どさくさ紛れに自分の地位を引き上げたい。さもありなんだ。
さあ、みんなでウクライナ難民を助けるために献金しよう!!。カネを出さないやつはプーチンの傀儡とみなすぞ。マスクはもうしなくていいからね。
今回の指摘を出したマクレガーはトランプの側近だった。トランプは彼を駐ドイツ大使にしようとしたが米議会に阻止されて失敗した。トランプは政権末期、マクレガーに国防総省の顧問をやらせていた。
最近マクレガーは、共和党系のFOXテレビのタッカー・カールソンの番組によく出ている。民主党や軍産エスタブ系のマスコミがばらまいてきた新型コロナのインチキ報道のウソを暴いたカールソンは今、同じマスコミ勢力がばらまいているウクライナ戦争のインチキ報道のウソを暴いている。マクレガーは、それに貢献している。
マクレガーは以前から、親露的だと非難されてマスコミや軍産民主党からボロクソに誹謗中傷されてきたが、誹謗中傷してきた側の方がウソつきだった感じだ。ロシアゲートのウソや、ハンター・バイデンの不正行為をめぐる話からもそれが感じられるが、それらはあらためて書く。
(引用終り)