英国でのCOP26は、石炭火力発電の廃止がかまびすしい。今回の特徴はグレタを始めとして若者の反対がクローズアップされていることだ。

 

マスコミはプロパガンダに何かと若造を繰り出し、純粋さ・真摯さを売り物に訴えようとする。

小狡いいつもの宣伝工作だ。今日のTBS報道特集やNHKニュースほかあらゆるニュースに若者がアホ面をさらして恥じない。日本版気候若者会議というものもあるらしい。

 

5年前の安保法制化反対時のSEALDs活動を思い出させる。

彼ら学生は共産党に操られていたのだが、今や雲散霧消、どこに消えたのか。今回のバカ者たちの活動も中心には共産党がいることだろう。そしてそこの若い活動家(民青なんて今もいうのだろうか)が、無知な学生をオルグして活動に引き入れる。

 

脱炭素、脱石炭火力運動等の環境運動は、共産主義革命活動の看板を変えたものに過ぎないが、どういうことか世界の現体制も脱炭素で共産主義者と手を取り合っている。つまり、脱炭素を叫ぶ資本家は脱炭素が儲かる商売と考えている証といえる。だからややこしいし、問題は悪化する一方だ。

 

ニュース

COP26での岸田総理大臣の演説を受け、日本の高校生と大学生が現地で抗議デモを行い、温室効果ガスの排出量が多いとされる石炭火力発電の全廃を訴えました
 イギリス・グラスゴーでCOP26の首脳会合が行われた2日、日本から現地に向かった高校生らがデモを行い日本政府に対して石炭火力発電の廃止を求めました。議長国のイギリスのジョンソン首相は、途上国も含め2040年までの石炭火力発電の全廃を求めています。

 デモに参加した学生「まだまだ(日本の発表した)内容が不十分だった。まだ日本は対策を取るべき」

「(岸田総理が)出てきてすぐ帰ってしまったことに、すごく怒りというか、もどかしさを感じた」

 首脳会合で岸田総理は途上国への資金拠出を表明した一方で、石炭火力発電の廃止には触れませんでした。欧米諸国からの圧力が強まるなか、日本の対応に注目が集まっています。

(引用終り)

 

日本でも新宿で集会をしていた。TBS報道特集では札幌の若者を紹介していた。

麻生副総裁の「北海道のコメは温暖化でうまくなった」という発言に「腹が立つ、危機感がなさすぎる」と。

確かに全ての若者がSEALDsの時のように共産党に操られているとはいえないようだが、その純粋さは無知ゆえに空回りしている。そして善人ほど始末が悪い。

 

中国べったりのグレタは、よく見えている人にとっては信用されていないが、今や英雄気取りでデタラメを吼える。悪魔のような顔をして。

 

「これはもはや気候会議ではない。グローバル・ノース(北半球の先進国)によるグリーンウォッシュ(偽善的な環境への配慮)の祭典だ」と糾弾。「COP26は失敗であることは秘密ではない」と非難。

科学界の合意を無視することはできない。私たちを無視することもできない」と主張。「私たちのリーダーはリードをしていない」と述べ、集まったデモ参加者たちを指して「これがリーダーシップの姿だ」と。

 

グレタは単なる威勢のいい無知なアジテーターに過ぎないが、温暖化防止を煽る側に取っては使い勝手がとてもいいタレントだ。

日本の若者は恐らくこの無知なグレタを教祖のように崇(あが)めているに違いない。

 

しかしだ。若者が政治的にではなく、本当に考えようとしているなら、もっと勉強してくれ。

グレタのアジテーションやマスコミのまき散らすいつもの嘘と捏造の裏の真実を把握するようにまず務めるべきだ。

 

地球温暖化や環境、再生可能エネルギーの問題に詳しい近藤邦明氏は若者に対し、「気候変動枠組条約COP26に集う愚かな若者」という題のコラムの中で以下のようなことを考えよと指摘する。

 

①産業革命以降の大気中CO2濃度の上昇が人為的な影響が主因であることを、自然科学的に説明できるのか?
②大気中のCO2濃度の上昇が気温上昇の主因だということを、自然科学的に説明できるのか?
③自然エネルギー発電の導入で化石燃料の消費を伴わない工業生産が可能だということを、自然科学的に説明できるのか?

 この素朴な私の三つの疑問に対して、若者たちが自らの言葉で答えてくれるのであれば、私は喜んで彼らを応援しましょう。

(「環境問題を考える」より)

 

グレタはこの質問には答えない。なぜなら、科学的な議論はもう済んだというのである。つまり、CO2の上昇は人間の活動がもたらしたということ、そしてCO2上昇が地球温暖化の主因だということ、脱炭素時代のエネルギーは自然エネルギー発電が自明だということ、そんなことはもう議論する時期は去ったといって根本的な論議を拒否するのである。

 

しかし、これらは全く自明ではない。若者は本当に環境問題に関心があるのなら、急がば回れで、上記の3つの問題をまず考え、皆で議論すべきなのだ。そうしないと、典型的な事例であるあのアホといわれるレジ袋進次郎になってしまうだろう。

地球温暖化CO2説ありきで初めてはならない。最初が間違っていれば、その上に築かれた思想と行動は全く無意味なものなのだから。

 

グレタとそして日本の若者たちが(もちろん世界各国の首脳も)理想とする脱炭素が実現したとしよう。

どんな世界になっているだろうか。それはいうまでもなく、世界不況の経済停滞したコロナ感染より最悪の世界になっているはずだ。そして各国はその状況から脱却するために戦争すら起こしかねない。まさにディストピアの世界だ。

 

その一端が今、垣間見える。

ひとつは脱石炭火力と脱原発を強力に推し進め、全てのエネルギーを再生可能エネルギーで賄おうとすれば、ブラックアウト、産業の生産停止に陥るだろう。

今中国が豪州石炭の輸入を止めてその実験をしている。中国は地球温暖化防止のために石炭輸入禁止をやっているわけではないが、石炭を止めれば市中は停電し、生産は不能になるということの証明をしてくれている。

 

もう一つは、石油価格の大幅上昇である。

石油価格が大幅上昇すれば、ガソリンの価格は上がり、電気の値段は上がり、あらゆる産業の価格は上昇して一般市民の生活を直撃する。50年近く前の石油ショックの再来だ。

 

なぜ石油価格が大幅上昇しているのか。OPEC産油国が増産を控えているからだ。

「農と島のありんくりん」ブログより。

「…産油国が増産することで、いままでは解決してきましたが、今回に限って産油国の腰が異様に重いのです。というのは、産油国はCO2対策がこのまま拡大すると読んでおり、うかつに産油量を上げることにきわめて慎重だからです。

そして化石燃料が悪玉扱いされる世界的流れの中で、石油・天然ガス・石炭の開発投資は急減しています。

OPECプラス参加国の中で実際に増産を行えているのはわずかで、多くの国は過去の設備投資の過小投資の影響で割当て産油量さえままならない状況です。
たとえばナイジェリアやアンゴラは、産油施設の老朽化によって、昨年夏から割当量すら達成できない状況に陥っています。

中東で唯一生産量を上げられる余裕があるのは、皮肉にもイランだけですが、米国の制裁で輸出が出来ない状況です。

 

従来は原油高騰時の安全装置が米国のシェールガスでした。ではその頼みの米国のシェールガスはといえば、少し前までは原油価格が上昇に転じればシェールガスが増産されて、原油高騰に歯止めをかけられていたのですが、このシェールオイルも過少投資によってバブルが弾けて次々に設備を閉じている状況です。

トランプはパリ協定から離脱し、炭鉱を保護してきましたが、バイデン政権になって一転して、化石燃料生産に対して制限を加える動きに出ました。
そのために一斉に原油やシェールガス掘削業者らは化石燃料の先行きは暗いという見通しを立てて、設備投資を控えるようになりました。

 

このように今、世界で起きているのは、CO2の過激な削減要求による人工的な原油不足なのです。
一方、唯一ロシアだけはこの原油高の状況を大いに楽しんでいます。彼らからすれば、唯一の輸出品である天然ガスの高騰ほど嬉しい状況はないからです。

(中略)

世界が必要とする原油供給が絶対的に不足する事態になり、原油高はその国の経済だけではなく庶民の生活まで苦しめ始め、復興を妨げ始めました。
覚悟せねばならないのは、この原油高が一過性のものではないことです。原油・天然ガスの高騰の原因がCO2対策にある以上、この高値相場は構造的になるでしょう。

これは一種の合成の誤謬です。一人一人は 地球環境にやさしくという正しい理想に基づいていても 、それが人類単位で集合するとこのような 原油高を招き人々を苦しめます。
したがって泥沼化し、長期化します。(後略)」

(引用終り)
 

萩生田光一経済産業相はCOP26で合意した石炭火力廃止の声明に、日本が加わらなかった理由について、資源が乏しく多様なエネルギー源を活用する必要があるためと説明したそうですが、当たり前であり、かつ賢明でした。中国も米国もインドも豪州も参加しなかったのは当然です。

 

若者たちは嘘っぱちの地球温暖化防止のために、せっせと自分の首を絞め、生活を苦しくしているのに、そのバカげた呪縛が間違っていると非難することもできずに従うしかないのです。

 

いま日本も世界も原油高騰で生活が苦しくなっていきますが、脱炭素、脱石炭火力発電を叫べば叫ぶほど、産油国は油井を閉めて資源確保=価格上昇させることだろう。

そんな世界を今の若者は欲しているのですか。

 

そして、地球温暖化はCO2によって起きているのではない(あと何十年かしたら氷河期突入ですよ)のですから、脱炭素の努力は全く無意味なのです。そんな無意味なことをやって、生活を貧しくするなんてバカしかやらないでしょう。

グレタにうつつを抜かす暇があるなら、自分の足元を見つめて勉強し直すべきなのです。