おとなしそうな可愛らしい保育園児が痛ましい状態で発見された。過失事故なのか事件なのか。

 

「福岡県中間市の保育園の送迎バスの中に置き去りにされた5歳の男の子が熱中症で死亡した事故で、男の子の出欠確認が行われていなかったことが分かりました。

この事故は29日、福岡県中間市の双葉保育園の送迎バスの中で、置き去りにされた倉掛冬生ちゃん(5)が熱中症により死亡したものです。

送迎バスは女性園長が運転し、子どもを全員降ろしたか十分な確認をしないまま鍵をかけていました。捜査関係者によりますと、事故当日、送迎バスを運転した園長と担任の保育士との間で、亡くなった冬生ちゃんの出欠確認が行われていなかったことが新たに分かりました。担任の保育士は冬生ちゃんについて「休みだと思っていた」と話しているということです。

31日午前10時過ぎからは冬生ちゃんが乗っていたバスの検証が行われました。警察は、保育園側が冬生ちゃんを送迎バスから降ろし忘れ9時間近く放置したとみて、業務上過失致死の疑いで調べています。」

 

事件の発生状況は次のようなものだ。

「同署によると、冬生ちゃんは29日午前8時過ぎに園の迎えのバスに乗り、午後510分に母親(37)が帰りのバスを迎えに行くと、降りてこなかった。午後515分ごろ、園の駐車場に止められていた朝の迎えのバス車内で倒れている冬生ちゃんが見つかり、約1時間半後に死亡が確認された。

 園は迎えと送りで違うバスを使用しており、朝の迎えのバスは冬生ちゃんが見つかるまで約9時間、駐車場に止まったままだったとみられる。園長は同署の調べに「(冬生ちゃんが)降りたと思っていた。自分がバスの鍵をかけた」と話しているという。」(毎日新聞)

 

そして、保護者会での園長の説明・謝罪は次の通り。

「…女性園長は冒頭で「この度は私の確認不足で職員間の連携もうまくできず、冬生君の命を奪ってしまう事故を起こし本当に申し訳ありません」と頭を下げたという。しかし、女性の保護者は「園長は『普段できていることが(今回に限って)できなかった』と説明したが、到底納得できない。誰もが『言い訳だ』『うそだ』と怒っていた。これから子供を通わせるのに不安しかない」と語気を強めた。

 園児の点呼について、この保護者によると園長は「日ごろはしているがこの日だけしていなかった。園児が連絡なしに休んでいる場合も確認することになっているが、この日は園内でコミュニケーションが取れず気づかなかった」と釈明を重ねたという。」(毎日新聞)

 

これらの報道を読む限りですら疑問でいっぱいだ。

ネットもかなり騒いでいるが、園長のイジメ又は虐待による故意の閉じ込め事件で死に至らしめたように思われる。

まずおかしいのは、園児を迎えに行ったバスと帰りのバスが異なることだ。いつもそういう使用方法だったのかわからないが、普通は慣れたバスを使うのではないか。もし、帰りも迎えのバスを使っていたら発見はもっと早かったはず。といっても夕方には既に死亡していたようだけれど。

この園長はわざと帰りのバスを迎えのバスでないものを使用した可能性がある。つまり、せっかんして閉じ込めたことを知っていた疑い。

 

次に、「園児が連絡なしに休んでいる場合も確認することになっているが、この日は園内でコミュニケーションが取れず気づかなかった」と釈明したというが、これは全く理解出来ない。

100人も保育園児がいる大規模保育園ならいざ知らず、22人乗りのバスで送迎していたのだから、1020人の小規模保育園のはずだ。それなら保育士は全ての園児の顔と名前と性格等を知っていて当たり前である。そして当日のバスに乗った園児はわずか7人だった。

 

それなのに、「この日は園内でコミュニケーションが取れず気づかなかった」という園長の説明はそもそも説明になっていない。保育士も冬生ちゃんの欠席に必ず気付くはずで、親からの連絡がないのだからおかしいと気付くはずである。それでも一日過ごしてしまったのは、冬生ちゃんの欠席を保育士は確認したはずなのである。恐らく迎えのバスを運転した園長に。

 

「園長は「(冬生ちゃんを)乗せた認識はあるが降りたと思っていた。確認したわけではない」と説明している。」と報道されているが、もしこれが真実なら、つまり「降りたと思っている」なら、保育士が欠席確認をしたとき、もう降りたわよ、と言っているはずだ。それなら保育士は部屋にいると思うはずで、居なければそこで大騒ぎになってしかるべきなのである。

しかし、「担任の保育士は冬生ちゃんについて「休みだと思っていた」と話している」ようだ。そう思わせたのは誰か。

「園児がいない?休んだかもね」なんていい加減な扱いしかしないのか、ここの保育園は。そうではないはずだ。園長が休みだと言ったはずなのである。

或いは、事件後口裏合わせを強いられたのではないか。

 

これから次のようなことが考えられる。

園長は、保育士から問われて、今日は冬生ちゃんは休みだとかあるいはバスに閉じ込めてあるとか言ったはずだ。そして、保育士は納得してしまった。いや、納得せざるをえなかった。

なぜか。ネットの口コミによれば、園長は怖い存在だったようだ。

「保育士としてあり得ない発言が多く、勉強不足、対応力のない親や子供のせいにする。とくにベテラン(園長のことか)」とか「倉庫に閉じ込める」とかの書き込みが事件以前にあったようだ。

 

しかし、園長だけは冬生ちゃんがバスに乗ったことは知っているのである。これも100人乗りのバスでない普通のワゴン車にすぎず、しかも保育園児が少ない保育園なのだから、園長だけは冬生ちゃんを乗せたことを知っている。わずか7人乗車!

そして園内での保育士の冬生ちゃんの欠席確認(想像で言っているがこれは絶対になされたはずだ)を園長にしたはずで、その際園長は、もし善良な園長なら「ああ、バスに置き忘れたかもしれない」と気付いたはずなのだ。

それに気づかない振りをしたのは、保育士に嘘をついたか堂々とバスに閉じ込めてせっかんしていると言い放ったに違いないのである。

保育士は「ああ園長、又やった」と思ったかもしれない。

 

しかし、不思議なのは、帰りのバスの運転は誰がしたのかである。

午後510分に母親(37)が帰りのバスを迎えに行くと、降りてこなかった。」

もし園長であるなら、冬生ちゃんがバスに乗ったことは知っているし、「降りたと思っている」と園長は言っているのだから、帰りのバスに冬生ちゃんが乗っていないことに園から出発する時点で気づいていないとおかしいのだ。

だから、帰りのバスの運転手は園長ではなく、別の人にさせた。後に運転士は冬生ちゃんの担当保育士だと判明した。

おそらくこの時点で園長はトンデモナイことをしてしまったと後悔したのではないか。だから迎えと帰りのバスを取り換えた。そして発見を遅くして単純な確認ミスにすり替えた。

 

冬生ちゃんの動画を見ると、元気いっぱいのいたずらっ子というより大人しめの子にみえる。こういう子は概していじめられやすい。いわばバルネラビリティ(「脆弱性」「傷つきやすさ」)といういじめられやすい存在と言われる。きつい園長からすれば、かっこうのイジメ対象であったのではないか。

 

そして何らかの腹の虫の置き所が悪くて冬生ちゃんをお仕置きとして、バスに閉じ込めた。

この辺のところは、推定に過ぎないが、疑わしいことが沢山あるのである。

恐らく冬生ちゃんはすぐに熱中症にかかったわけはないのだし、しかも5歳といえば動きも活発にできる年齢だから、バスに閉じ込められても少しは我慢したとしても、窓やドアを叩いて助けを呼んだ可能性もある。しかし、それには全く園は知らん顔をした。又は恐怖で冬生ちゃんは助けを呼ぶことが出来なかったかもしれない。

 

真実を知るためには、まずは他の保育士から証言をキチンと取ることだ。嘘をいえば共犯者になると脅してでも。

そして、他の園児にも事件の日と日常の事情を聞くことだ。そこから様々なことが分かるだろう。また、卒園者の児童と保護者からも聞き取りをすべきだ。

 

このまま単なるミス・不注意で終わってしまえば、業務上過失致死に問われようと大した罪にならないはずだから、また繰り返し事件が起こる可能性がある。

保育園児はこんな危険な保育園から早くおさらばしないといけない。