アベノミクスの継承というのは、菅に経済政策に対する考えがないことを示している。つまり、自分の考える経済思想がないということは、その空隙を誰かが埋めることになる。そしてそれらの言いなりになってしまう。安倍首相ですらそうであったのだから。

菅は誰のパペットになるのか。ひとつは当然ながら財務省。もう消費税増税を云々するなんてアホである。10年はやらないというのは、逃げでしかない。10年経ったらやるという宣言だ。

岸田氏も言う。
「消費税は下げるべきではない。10%に引き上げるだけで、どれだけの年月と努力が求められたか。なおかつ消費税は社会保障の重要な財源となっている。社会保障の充実が言われている時に、この基幹税を軽減することはいかがなものだろうか。」
諸外国は現状を未曾有の経済危機と捉えて、消費税減税を早くも実施しようとしているのに。岸田も菅も当然同じ考えだろう。

国の借金が1000兆円もある。しかもコロナ対策で大盤振る舞い。あとは増税と緊縮で返すしかないじゃないか。今の人々のために使ったら、将来世代に莫大なツケを回すことになると。バカなことをいつまでも言い続ける。少しは本気でMMTのことを勉強しろよ。

これがアベノミクスの継承だ。菅には何の期待もできない。

 

そしてもう一つ、菅の空(から)の頭を埋めるもの。それはデイビッド・アトキンソン小西美術工藝社社長)の「中小企業は潰せ」の経済対策だ。

観光立国や生産性を向上させよと叫ぶあのデイビッド・アトキンソンはトンデモナイ奴と昔から思っていたが、やっと三橋貴明氏が明言してくれた。

 

菅・アトキンソン内閣」(2020.9.9)その他 新世紀のビッグブラザーより

特に、菅官房長官はデービッド・アトキンソンの影響を受けているため、

◆ 観光立国(インバウンド)

◆ カジノ立国(IR)

◆ 最低賃金強制引き上げと中小企業淘汰

◆ 中小企業基本法の改悪

が、確実に進められることになります。

上記の政策は、菅官房長官が最近、口にすることが多い政策ですが、元ネタはアトキンソンです。

菅官房長官は、インフレ対策とデフレ対策の区別もつかないようですね。しかも、国民、厳密にはデフレ下で懸命に足掻き続けている、我々企業経営者や従業員のことなど、な~んにも考えていない。もっとも、より情けないのは、菅官房長官の中小企業政策が、元ゴールドマン・サックスで、国際金融資本の代理人であるデービッド・アトキンソンの丸パクリであることです。

日本経済の主人公である中小企業を、狂った構造改革の荒波の中に放り込むなど、許されざる蛮行なのです。

間もなく始まる新政権が、「緊縮財政」「構造改革」「国民国家破壊(※アイヌ新法など)」の政策を安倍政権以上の勢いで進めて行くのは明らかです。」

 

こと経済に関しては誰が総理大臣になっても未来はないのです。残念ながら。

 

この、デイビッド・アトキンソン、日本の宝である中小企業を潰そうと企むこの男は、何故か日本では人気のある経済評論家兼経営者なのである。自虐的日本人論をうまく逆手に取って、日本のダメなところをくすぐると、おバカな日本人特にビジネスマンは泣いて喜ぶのです。日本はもうダメだなんて言われると、そうだそうだと喜ぶのです。

自民党の議員もそんなバカげたアトキンソンにかぶれた者が多いようで、菅次期首相が筆頭ですが、今回のコロナ対策の時にこんなことが言われたそうだ。

 

初期のコロナ自粛の際、多くの中小企業は大打撃を受けたわけですが、自民党は補償を躊躇った。

MMT推進派の安藤裕自民党議員がチャンネル桜討論会で次のように発言している。

「どうして補償しないのか?」と、安藤さんが自民幹部に聞きに行ったら、自民党幹部「これで潰れる企業は潰すから。」

 

つまり、中小零細の資金繰りが苦しい会社を政府は潰すらしい。これが自民党の幹部の本音なのだが、この考えはアトキンソンが提唱しているものなのだ。

つまり有名な経済評論家のお墨付きをえているので自民党議員も自信をもって、「潰れる企業は潰すことが日本国家の為になる」と言う。それはアトキンソンから間違って学んでしまったのである。

 

アトキンソンは言う。

「例えば、「中小企業は日本の宝」「サービス産業の生産性が低いのが、国全体の生産性が低い原因」「サービス業の生産性が低いのは、おもてなしに対価を求めない日本人の国民性が反映している」「大企業による搾取が日本の生産性を低下させている」「長時間の会議やハンコ文化が生産性を下げている」などなど。

日本では、規模の小さい小規模事業者や中小企業をやたらと美化して捉える傾向があります。こういう小さい企業が奮闘して、悪役の大企業を打ち負かすというストーリーのドラマや映画がヒットするのは、この風潮を明確に物語っています。

物語中で美化するのは何の罪もないので別に構いませんが、中小企業の生産性が低いという厳然たる事実から目をそらしたり、ごまかしたりするのは感心できません。

企業の規模が小さいほど生産性が低くなるというのは、世界中で確認できる経済の鉄則です。この鉄則にのっとり、先進国では小規模事業者で働いている労働者の割合が大きくなるほど、その国の生産性は低くなっています。逆にアメリカのように、ビッグビジネスが大好きな国の生産性が高いのも厳然たる事実です。中堅企業が産業構造の中心になっているドイツも、生産性が非常に高くなっています。

日本では、全企業の99.7%が中小企業です。これらの中小企業をひとくくりにして「日本の宝だ」というのは、究極の暴論です。冷静な目で見ると、中小企業は日本という国にとって、宝でもなんでもありません。宝なのは、大企業と中堅企業です。

特別な理由がないかぎり、小規模事業者や中小企業に「宝」と言えるような価値はありません。将来、中堅企業や大企業に成長する通過点としてのみ、価値があると言えます。永遠に成長しない中小企業は、国の宝どころか、負担でしかないのです。

(引用終り)

 

こういうふうに説得された自民党議員は、中小企業を潰すことは国の為なんだ、善なんだと勘違いすることになるのである。

三橋氏が今後アトキンソン批判を精力的に続けると言っています。期待したいと思います。