次の文章はどうだろう。

「…本物の左翼とは、左翼である状態をこの上なく素晴らしいものと考え、自らが左翼であることを否認する左翼である。さらにこの左翼が完璧な左翼である所以は、どれほど否認しようが、左翼は左翼にすぎないという不愉快な事実を思い起こさせる自由人を、非難し誹謗中傷する点にある。本物の左翼は、自分自身が哀れな存在にとどまり続けるだけでなく、その惨めな境涯を他者に対しても強要するのである。深刻な事態として指摘せねばならないのは、こうした卑しいメンタリティが、「戦後の国体」の崩壊期と目すべき第二次安倍政権が長期化するなかで、疾病のように広がってきたことである。」

 

なるほどね、これは左翼の現状と本質をえぐり出した文章だ。

左翼が完璧な左翼である所以は、どれほど否認しようが、左翼は左翼にすぎないという不愉快な事実を思い起こさせる自由人を、非難し誹謗中傷する点にある。

全くそのとおりである。

 

さてこの文を書いたのは誰か。

京都精華大講師で政治学者の白井聡(43歳)である。

早稲田大学元総長を父(この父親もトンデモ左翼らしく、あの中国スパイの巣窟孔子学院を早大に設置した男だ)に持つエリート。でもレーニン主義者の革命家である。

革命家の白井聡が左翼であることを反省して書いたのだろうか。

否、これは私のちょっとしたイタズラで少し白井の文を変えてみたのである。そしたらぴったりと左翼の本質をえぐった文に変貌したのであった。

 

元は白井聡「国体論 菊と星条旗」(集英社新書)にある次の文章だ。

「日本は独立国ではなく、そうありたいという意思すら持っておらず、かつそのような現状を否認している・・・。本物の奴隷とは、奴隷である状態をこの上なく素晴らしいものと考え、自らが奴隷であることを否認する奴隷である。さらにこの奴隷が完璧な奴隷である所以は、どれほど否認しようが、奴隷奴隷にすぎないという不愉快な事実を思い起こさせる自由人を非難し誹謗中傷する点にある。本物の奴隷は、自分自身が哀れな存在にとどまり続けるだけでなく、その惨めな境涯を他者に対しても強要するのである。深刻な事態として指摘せねばならないのは、こうした卑しいメンタリティが、「戦後の国体」の崩壊期と目すべき第二次安倍政権が長期化するなかで、疾病のように広がってきたことである。」(297-298頁)

 

この文にある「奴隷」というコトバを全て「左翼」に置換したのが前に引用した文である。

まあ、奴隷という言葉でもこの文意は通じるし、その通りだと思う。

しかし、左翼に置換したほうがまさに左翼の本質に通じる。つまり左翼の本質は奴隷の本質と同じことだと言えるかもしれない。

 

さて、レーニン主義者の革命家である白井聡が恥ずかしいことをしたのである。

(デイリー・スポーツより)

「安倍首相が辞任表明した8月28日深夜、松任谷はニッポン放送「松任谷由実のオールナイトニッポンGOLD」で「見ていて泣いちゃった。切なくて。安倍夫妻とは仲良し。同じ価値観を持っている」などと発言。白井氏は29日、フェイスブックに「荒井由実のまま夭折(ようせつ)すべきだったね。本当に、醜態をさらすより、早く死んだほうがいい」と書き込んだ。

 

そしたら、言い過ぎを橋下徹や志らくに批判され、しかも勤務先の京都精華大から厳重注意される始末。

立川志らくは「自分が正義だと思っているから、罪悪感すらおそらくない。一番タチが悪い。それがまだ若い子がね、世の中のことを知らずにポロッと言っちゃうというなら。これだけの地位があって影響力もあるその方がなんでそんなことをするんだというね。本当にみっともない」と。

それに対し、白井は、「自身の発言の不適切さに思い至りました」と謝罪したんだ。

 

私がレーニン主義者の革命家である白井聡が恥ずかしいことをしたと言ったのは、松任谷由実に、早く死んだほうがいい、と無礼なことを言ったからではない。謝罪したからだ。

確かに白井は無礼だし、大人げない。しかし、白井はれっきとしたレーニン主義者の革命家だよ、共産革命活動家だ。橋下徹や志らくその他から非難されて、何でそんなに簡単に謝罪するのかね。

レーニンが聞いたら泣くぜ!革命家らしく戦えよ。革命家として恥ずかしくはないのか。

 

「先日の私のフェイスブック上での発言につきまして、多くのご批判をいただきました。人の生命を軽んじる発言、暴力的な発言であるとのご指摘を受け、自身の発言の不適切さに思い至りました。深く反省をしております。松任谷由実氏に、心からお詫びを申し上げます。また、不快な思いをされた多くの皆さまにもお詫びいたします」

「私はユーミン、特に荒井由実時代の音楽はかなり好きです。それだけに、要するにがっかりしたのですよ。偉大なアーチストは同時に偉大な知性であって欲しかった。そうしたわけで、つい乱暴なことを口走ってしまいました。反省いたします」

 

ああ恥ずかしい。革命家が反省するなんて。革命家は「人の生命を軽んじる」のがモットーだろう。「暴力的な発言」をするのが革命家だろう。こんなことで革命を成就させることができるのか、反省している場合か。修業が足らんね。北朝鮮に行って、もっと革命家の訓練をしてこないといけない。

 

国際政治学者の篠田英朗東京外国語大学教授は、この白井聡が目指しているのは、本物の「革命」である、と述べている。「本物」が聞いてあきれるけど。

そして、白井氏がどういう思想を持っているか、レーニン『国家と革命』の解説において、次のように述べていることを紹介する。(アゴラ「白井聡『国体論』の反米主義としてのレーニン主義」)

 

「われわれは一度でも、こう考えてみるべきなのだ。すなわち、ロシア革命の失敗は、われわれが責めを負うべき事柄なのではないか、と。あるいは、もっと正確に言えば、ロシア革命の失敗が失敗であるがままにとどまっているのは、ほかでもなくわれわれのせいなのではないか、と。

・・・果たして、われわれはわれわれ自身の義務を果たした上で、レーニンの革命を批判しているのか? レーニンの革命は、いつか再び社会主義革命が世界的理念として<力>を獲得しない限り、挫折した呪わしい革命として永久にあり続けるほかない。その理想を救済することができるのは後に来る者たちだけであるとすれば、『国家と革命』に出現した革命を汚辱のなかに捨て置かれたままにしているのは、われわれ自身の仕業にほかならない。

・・・自由な精神は、大いにレーニンを批判すべきである。ただしそれは、われわれが、われわれの時代が、レーニンの革命よりももっと偉大な革命を成し遂げるとき、その革命そのものによって行われるのである。

・・・日本では、三・一一の地震が原発震災と化したことをきっかけに、政・官・財・学・マスコミの形づくる腐敗した支配の構造が、白日の下にさらされつつある。要するにそれは、日本における革命の必要性を突きつけた。

・・・『国家と革命』はもう一世紀近くもの間待ち続けている。書かれなかったあの最終章が、われわれの手によって書かれる日を、待ち望んでいるのである。」(白井聡「解説 われわれにとっての『国家と革命』)

 

革命家レーニンの理想化、つまり社会主義の理念は間違っていない、社会主義革命を甦らせよう、未完のロシア革命を日本で実現しようと意気込む白井。あの地獄をもたらしたロシア革命を賛美し、日本を共産化して北朝鮮のような全体主義国家を「理想の国家」として作ろうとしているようだ。

そんなすごい革命家が、橋下徹や志らくその他の非難でヘナヘナとなって、反省しきり。こんなことでは革命なんか無理だ。よかったよ、こんな男に革命なんぞされてはたまらんから。でも白井の正体が分かっただけでも価値あるツイートであった。

 

さて、海外で言われている(らしい)左翼と右翼の違いを語る文をみつけた。

 

右翼はベジタリアンであるなら、肉を食べないだけ。
⇒左翼はベジタリアンなら、皆が肉を食べられなくなるように法的禁止を求める。

右翼は誰かの言論人や番組を気に入らないなら、チャンネルを変える。
⇒左翼は気に入らない言論人を首にして番組の放送を禁止するように騒ぐ。

右翼は同性愛者なら、静かに私生活を送るだけ。
⇒左翼は同性愛者なら性指向を公に出して騒いで、法律改正を求める。

右翼は仕事を失ったら、次はどこで働こうか考える。
⇒左翼は仕事を失ったら、どうやって働かずに生活保護を貰おうか考える。

右翼はこの文章を読んだら微笑むだけだろう。
⇒左翼は傷ついたと言って差別を訴える 

 

これを読んだネットの声。

「ここで言う右翼って、ただの常識人の事だよね。左翼が特別なだけで。」

確かに右翼だけ正しいということは言い過ぎになるから、ここでは右翼を「常識人」と置き換えるべきだろう。

 

ここには5つしか挙げられていないが、いくつも自由に書き加えることが出来ると思う。

例えば、

・常識人は「私はあなたの意見には反対だ、だがあなたがそれを主張する権利は命をかけて守る」

⇒左翼は「私はあなたの意見には反対だ、だからあなたがそれを主張する権利は命をかけて許さない」

とか。