やっと梅雨が明けたと思ったら、3335度の猛烈な暑さ。海水浴にはもってこいだ。私は嫌いだから行かないけれど。

 

夕方のニュースで厨子海岸で多くの外国人が海水浴に集まり、無法地帯化しているとレポートしていた。

酒を飲んで泳いだり、バーベキューをしたり、大音響の音楽を流したり…。

 

今年は新型コロナウイルスの影響で神奈川県の海水浴場が1カ所も開設されないという異常事態になっている。

先のGWに向けて、神奈川県黒岩知事が「湘南の海には来ないでいただきたい」と呼びかけた。

それを受けて県はガイドラインを設け、海の家は完全予約制にし、椅子やテーブルの間隔を広げて換気や消毒も徹底したうえで、砂浜に一定の間隔で目印を設けることなどを求めた。黒岩知事自ら“厳しめにした”と。

 

つまり、県が海水浴場の開設を禁止したのではなく、ガイドラインを厳しく設定し、開設出来ないように仕向けたのである。そのため、海水浴場の組合は今夏の海水浴場の開設を断念したのであった。

 

しかし、海水浴場は開設しないが、砂浜の立ち入りは規制されない。また、遊泳客との接触回避のため、例年設定されるマリンスポーツの禁止区域も今季はなしになったとのこと。

その結果、その当初から今夏の海水浴場は無法地帯化すると関係者は懸念していたそうである。

 

県や市は無法地帯化するとの予想にどう思っていたのだろうか。恐らくコロナ感染拡大が怖くて、無法地帯化することまで気が回らなかったのだろう。

いや、無法地帯化することは分かっていたが、海水浴場開設でコロナ感染が出たら責任を取らされることだけを心配していたのではないか。

県として海水浴場開設を禁止した訳じゃない。開設断念は組合が勝手にしたことだから、俺たちは知らないよ、とほっかむりを決め込んだのだろう。

 

「海水浴場は開設しないが、砂浜の立ち入りは規制されない」ということは、自由に来て勝手に遊んで下さい。何が起きても責任はあなた達にあるからね、と。

まさに無法地帯化を認めているのと同じなのだ。

だから外国人たちは(当然日本人も)大いにここで羽根を伸ばして海水浴を、バーベキューを、酒盛りを満喫している。しかも例年より人が少なく気分もいい。監視する人間もほとんどいない。つまりやりたい放題で無法地帯化。

 

何故か県や市は何もしないが、ライフセービング協会に監視等を任せたらしい。これも県の責任逃れの表れだ。

「逗子市では、2時間を目安に巡回し、長時間滞在する客に声掛けをする。ただ、監視所はなく、安全対策は手薄になる。市の担当者は「一番は海に来るのを控えてもらうこと。安全対策を強化すれば『例年通りに海水浴ができる』との認識が広がってしまう」と複雑な胸中を明かした。」

とのこと。

 

この県と市の無責任さは、ゴミの不法投棄とよく似ている。理屈先行で現実無視のところが。

山林などへの粗大ごみや産廃不法投棄のことではない。これらは犯罪だから警察が捜査してつかまえようとするから問題はない。

もっと身近なゴミの不法投棄の起こす問題のことだ。

 

指定場所に指定されたゴミしか捨ててはいけないという決まりがある。そしてそれに違反したゴミは収集しないで放っておかれる。汚くなっても、それはゴミを不法投棄した奴が悪いんだから、市としては関知しない、と。

しかし、不法投棄した奴が「そうかそういうことか。じゃこのゴミは指定された次の月曜日にもう一度出すか」なんて真面目に考える玉なんかじゃない。勝手に不法投棄し後は知らん顔、街が汚くなろうがそんなことは知ったこっちゃない、という輩だ。

その結果どうなるか。

不法投棄されたゴミはいつまでも片づけられずに放置されるだけだ。

市の収集車は絶対に片づけない。仕方なしに近所のおばさんかおじさんが嫌々片づけることになる。

 

これが海水浴場が開設されないで無法地帯化するのと構造は同じなのである。

つまり、県や市は、新型コロナ対策のために、海水浴場開設を禁じた。だから、その禁を破って無法地帯化しても自治体に責任はないのだというのだ。つまりゴミが不法投棄されてもルールを守らないのだから、ゴミの収集義務はない、だからゴミで無法地帯化しても市には責任はないのだと。

 

逗子市の担当者は次のように言った。

「一番は海に来るのを控えてもらうこと。安全対策を強化すれば『例年通りに海水浴ができる』との認識が広がってしまう」

ゴミ収集について言うなら、不法投棄されたゴミを市が仕方なく収集していたら、不法投棄しても持って行ってくれるのだから、不法投棄してもいいんだ、という認識が広まってしまうと。

一見、市の担当者の言い分は正しいように思える。悪い奴はのさばらしてはいけない、ルールは厳格に守ってもらわなければ、と。

その結果はどうなるか。

海水浴場は無法地帯となり、不法投棄されたゴミはいつまでも残されて、街は不潔にそしてゴミが堆積し始める。それでも自治体は知らん顔だ。理屈が勝って現実を見ないという最悪自体。

 

それを少しだけ改善しているのは誰なのか。

海水浴場では、ライフセーバーたちであり、不法投棄ゴミを処理する近所のおばさん、おじさんである。

しかし、こんなことでいいのか。

海水浴場は無法地帯で大きな事故が起きた時、自治体は自己責任だから知らんと言い続けるのか、それともライフセーバーに責任を押し付けるのか。

ゴミ処理も気の付く近所のおばさん、おじさんがおらず、しかも昔中国人がゴミを大量に捨てていったことが問題になっていたが、そうなると善意だけでは解決できなくなるが、それでも市は収集しないと言い張るのか。

 

大事なことは、現に起きている現場の問題をどうするかなのだ。事件は現場で起きているのだ。

海水浴場が無法地帯になったのは、県の事なかれ主義、無責任から生じている。早く普通の海水浴場として開設して、通常のルールの下に置くべきなのである。コロナ対策もその中でやっていくべきなのである。現実から逃げてはいけないのだ黒岩知事よ。

 

ゴミも不法投棄であっても市が収集すべきなのだ。ルールを守らない奴のゴミは収集しないなんて狭い根性は捨てるべきなんだ。まずは街をきれいにすること。それが市役所の最大の務めだろう。ゴミ捨てルールを守らせる仕方はそういう方法でないやり方を考えるべきなんだ。