今日の読売新聞一面記事は酷(ひど)かった。事実の記載のことではなく、その記者のスタンスのことだ。

 

インバウンド(訪日外国人客)需要を見込み、政府がタイとインドネシアの「短期滞在」ビザ(査証)を免除して以降、短期滞在で来日した両国の不法残留者が倍増したことがわかった。昨年7月現在で計9649人に上り、観光客を装って来日した後、成田空港に近い関東地方の農家で不法就労するケースが目立つ。入国時に「就労目的」と見抜くのは難しく、今後も増加は避けられないとみられる。

「短期滞在」全体の不法残留者数は、14年1月現在の4万1403人から昨年7月現在は1・2倍の4万9901人。

業種別でも15年以降、男女ともに農業従事者がそれまで上位だった工員やホステスを上回り、18年は農業従事者が男女で計2504人と全体の不法就労者の4分の1を占めた。

 訪日外国人旅行者数は7年連続で過去最多を更新し、昨年は3188万人に上った。入国後の実態把握は難しく、同庁は、摘発された不法就労者は「氷山の一角」とみて警戒を強めている。」(読売新聞2020.1.22)

 

タイとインドネシアの不法残留者数が増加したというが、中国じゃないのか。

読売新聞は日本政府の20年に訪日客を4000万人に増やす目標を支援するための記事を多く書いているが、観光公害や不法残留の問題なとは余り書かないできた。知らせない自由か。

 

今回は「ビザ免除、不法残留倍増」と観光立国の影の部分を取り上げているように見えるが、単なるアリバイ作りにすぎない。

ビザ免除で訪日しやすくすれば不良外人が大挙して押し寄せるのは前から警察庁などが指摘してきたことだ。それを読売新聞は「農家」が悪いと農家を悪者にして知らん顔だ。

 

「安く使えて便利」ニセ観光客を農家が悪用…ビザ免除、不法残留が急増

 ビザ(査証)が免除される短期滞在で来日したタイ人やインドネシア人の不法残留者が急増していることが明らかになった。観光客を装い、就労目的で来日するケースが多い。成田空港に近い千葉や茨城両県などの農家では、必要に応じて安価に人手不足を解消できる「ニセ観光客」が重宝されており、背後にはブローカーの存在も浮かぶ。

不法と知りつつ

「『不法』だと安く使えて、煩わしいチェックもない。何かと便利だった」。千葉県旭市のネギ農家の男性(70)はそう語る。男性は「観光目的」で入国したタイ人に不法就労させたとして、昨年11月、同県警に入管難民法違反(不法就労助長)容疑で摘発され、罰金50万円の略式命令を受けた。」

 

よくもこんないい加減な記事が書けたものである。

「ニセ観光客を農家が悪用」というが、「悪用」したのは、観光庁つまり日本政府(安倍政権)ではないか。

4000万人だか6000万人だかとてつもない訪日外国人観光客を目標にして、糞も味噌も一緒に「訪日客」として数えて、増えた増えたと観光庁は喜んでいる。バカの極みだ。

 

前にも書いたが、訪日外国人観光客の過大目標設定は、デフレのごまかし、内需拡大失敗の糊塗に過ぎない。無策の安倍のアベノミクスをこれで誤魔化そうとする。だから、観光公害や不法残留など全く解消する気はないのである。

 

日本政府が不良外人を入国させないという強い意志があれば、ニセ観光客など来るわけがないし、農家もそういう外人を利用したくても出来なかったはずだ。

観光庁がビザを緩くさせ、不良外人でもお客様だともてなした。架空売り上げ、水増し売り上げも売り上げなんだということだ。こういう粉飾をやる会社は倒産寸前の会社だろう。つまり日本経済も破綻しているのだ。(借金が多いからではなく、少なすぎるから)

 

読売新聞ももう少し現実の深堀りができないものか。こんな低レベルな記事を書いているから、新聞離れが止まらないのだ。朝日新聞を笑っていられないぞ。

 

観光庁のバカ連中はこういう記事をどう読んでいるのか。余計な事を書いてくれたとでも。

糞も味噌も一緒でいいじゃないか、とでも。

 

今観光庁への罰が下ろうとしている。

その罰は新型肺炎のパンデミックで与えられるだろう。これで五輪もお祭り騒ぎじゃなくなる。

まずは訪日客の目標を取り下げ、ビザ発給を厳格化し、少なくとも来るべきでない外国人、不法入国就労目的や肺炎のウイルスを持ってきそうな外人を日本に入国させないことだ。

 

さもないと東京五輪は誰も会場には行かなくなるかもしれない。観光庁への罰である。