GSOMIA破棄を寸前のところで撤回して延命させた文在寅だが、国内向けとはいえ、いつものように嘘を吐きまくっている。全面敗北なのに勝利というのは、池乃めだかのギャグだが、そんなことはものともせずに、日本に悪態をつきまくる。やはり、GSOMIAを破棄してもらって米国から大きな制裁をさせるべきだった。
文在寅の二枚腰は筋金入りの革命家であることから生じているから、親分の盧武鉉元大統領とは全くやることが違い、積極的かつ破壊的だ。その言うこととやることの矛盾や独裁政治まっしぐらへの批判など全く意に返さない。ある意味、凄腕・非情政治家と言える。
チョグク法相辞任で独裁の目論見が今のところ頓挫しているようだが、少しすれば必ず復活する。チョグクにやらせたかった検察改革、改革とは名ばかりで政敵の弾圧・粛清のための独裁一直線の制度化だ。
それは、「高位公職者犯罪捜査処」設置だ。
「この法案は、高位公職者の捜査、逮捕、起訴などの権限を検察から取り上げ、大統領直属の公捜処に移すという、ナチスのゲシュタポのような第二検察をつくろうというものである。公職処のトップは大統領が直接任命するため、大統領権限が異常に強大化する。
捜査対象となるのは高位公職者約6,000人だが、その内5,000人以上が検事と裁判官で、公捜処がその気になれば韓国の司法をすべて握ることができる。中国共産党と同じくらいの酷さであり、そうなれば、文在寅は大統領から”総統”になる。ヒトラーがゲシュタボをつくったように、文在寅も合法の名を借りて議会で法律を通し、どんどん韓国を全体主義に染めようとしている。」
この解説は、月刊hanada 2020年1月号の「文在寅は第2のヒトラーだ(西岡力、櫻井よしこほか)」の記事への書評(wakaさん)から引用している。
この「高位公職者犯罪捜査処」設置を文在寅は絶対に諦めないはずだ。これが通れば文在寅に何も怖いものがなくなる。反対派は全部逮捕できるのだから、必ず復活させるはずだ。その時韓国内は香港民主化運動のような激しいデモや騒動が起こるかもしれない。
この完全なる独裁を目指す文在寅は、過去にも現在も非情なことをやってのけている。脱北者の北朝鮮送還だ。処刑されることを前提にしての北朝鮮送還。これは未必の故意の殺人だ。
今このことが韓国内でも問題になっているようだ。
デイリー新潮(2019年11月27日)が次のように伝えている。
「今月7日、韓国統一部が行った発表に国際社会は度胆を抜かれた。文在寅政権が、韓国の領海内で拿捕した脱北者の男性2名を北朝鮮に強制送還したのだ。
「強制送還された脱北者は殺されるか拷問を受けるかのどちらか。男性2人は騒がないよう目隠しと猿ぐつわをされ、板門店まで連れて行かれたそうですが、目隠しを外され、北朝鮮当局員の姿を目にした途端、腰を抜かして座り込んでしまったといいます」(現地記者)
国内外から批判を浴びることになった韓国政府だが、
「文大統領は“亡命者ではない”の一点張り。なんでも、彼らは密漁に出た船上で16名の乗組員を次々と殺害。逃走中に拿捕したもので、政治的亡命者ではなく凶悪犯。北朝鮮に送還するのは当然だというのです」
さらに「その方法も、就寝中の船員を2人ずつ起こして甲板に呼び出し、斧1本とハンマーだけで次々と殺害するという説明だった。木造のボロ船上で、わずか4時間のうちに16人が殺されたことになりますが、そんな映画みたいな話が現実に起こるとは思えません」
(後略)」(引用終り)
文在寅の脱北者の早期北朝鮮帰還はこれにとどまらない。今年1月のレーダー照射事件で頑なに韓国が事実を明かさなかったのは、北朝鮮での金正恩暗殺未遂犯の亡命者の乗る船を捜索していたからであると言われている。だから、この脱北者2人は1週間で即北朝鮮に送還してしまった。恐らく処刑されただろう。
まだ文在寅が脱北者を強制送還した事例があったのである。
11年も前の盧武鉉大統領時、文在寅が大統領秘書室長の時の話だ。
この事件を週刊ポストと月刊hanada 2020年1月号が北朝鮮亡命作家の告発として紹介している。
週刊ポスト 2019年11月8・15日号
「北朝鮮亡命作家が告発「文在寅は脱北者を見殺しにしている」」
ジャーナリストの赤石晋一郎氏がレポートする。
「文在寅大統領は政治的目的のためなら人命をも犠牲にする人物だということを知って欲しく、日本メディアの取材を受けました」
こう語るのは脱北者で作家の李主成(イジュソン)氏だ。
かつて人権派弁護士として活躍した文在寅氏は、大統領に就任してからも“公正と正義”という価値観を標榜する韓国リベラルの旗手として大統領まで上り詰めた。日韓の懸案となっている歴史問題でも、“被害者中心主義”を唱え、人権派として振る舞っている。そんな大統領が人命に対して冷淡であるとは、いったいどういうことなのか──。
(中略)
李氏の最新作である『殺人の品格 宿命の沼』は、実際に起きた「脱北者強制送還事件」を題材としている。
時は2008年の盧武鉉政権まで遡る。盧政権末期に当たるこの時期、文在寅氏は大統領秘書室長の職にあり、「盧武鉉の影法師」という異名を持つ実力者と評されていた。
事件が起きたのは2月8日早朝だった。西海(黄海)にある延坪島付近をゴムボートで漂流していた北朝鮮住民22人が、韓国海軍に救助された。
彼らは15~17歳の未成年3人を含む、親子、夫婦、叔父などのグループで、水産事業所や共同農場で働いていたとされる。
韓国政府は救出された北朝鮮住民を、その日に板門店を通じて北朝鮮に送還する。国情院は後に「彼らはカキ漁中に遭難したもので、脱北者ではない」と明かした。
同事件については報道が少なく、韓国内では救助や送還の事実すら知られていない状況にあった。李氏は独自に調査を進め、ある疑惑に辿りついたという。
「私はこの事実を、文在寅が大統領選に出馬したときに知りました。北朝鮮情報筋から、22人は漁をしていたのではなく、何らかの方法でゴムボートを入手し北朝鮮から逃げようとした脱北者だったとの情報を得たのです。
ゴムボートは北朝鮮では軍しか使用できないよう規制されている。なぜかというと、軽くてスピードが出るため脱北に使われ易いからです。ゴムボートに乗っている時点で漁民ではなく、韓国軍は脱北者だと理解していたはずです。」
この事件については、同年2月18日放送のVOA(ボイス・オブ・アメリカ、米政府運営の放送局)でも、次のような疑義が呈されていた。
〈一家親戚や隣人など22人もの少なからぬ人数が一緒に船に乗っていたこと、旧正月に漁労作業に乗り出したこと、未成年が含まれたことなどから、ただの漂流ではないとの疑惑が相次いで提起されている。国情院はこれらの住民に亡命する意思をきちんと確認したのか。彼らが板門店に送られるまでに、調査時間がわずか8時間しかなかった。22人に対する調査時間としては納得しがたい〉(要約)
李氏は語気を強めて語る。
「脱北者を北朝鮮に送還するのは“殺人”に等しい行為です。実際に1か月後に、北に戻された22人は黄海海州公設運動場で公開処刑された。銃殺刑です。私が確認したところでは、北朝鮮内の講演でも『反逆者は処刑する』と22人の処刑について語られている」
『殺人の品格』では、22人の処遇をめぐり、青瓦台内で交わされたという生々しいやり取りが描かれている。
盧武鉉「彼らを北に送ったら殺されるのではないか」
文在寅「22人の脱北は韓国政府にとって負担になる。南北関係を良くするために、それは甘受しなければいけない」
左派政権の奥の院に切り込んだ同作だが、前述のように韓国内では“発禁本”として封印されてしまった。李氏が言う。
「脱北者を北に追い返すという冷酷な決断を下したのが、当時大統領秘書室長の文在寅だった。小説で書いた文在寅の言動は、政府要職にいた人物から聞いた話であり、限りなく真実に近いやり取りです。この小説は文在寅の正体を広く知ってもらうために執筆しました。
しかし、10社以上の出版社から『本を出版すると政府から制裁、弾圧を受ける』と言われ、刊行を断わられてしまいました」
(中略)
国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチは「北朝鮮は反国家事犯の犯人とされた人物、子供を含むその家族を収容所に送る。警備兵は収監者に性暴力、殴打、拷問を加える。餓死、脊椎が曲がる強制労働、公開処刑が日常化している」(2016年北朝鮮人権報告書)と報告している。
北朝鮮の金正恩委員長が、親族ですら処刑、暗殺した非情な独裁者であることは国際社会の常識である。
そうした国に、文在寅氏は笑顔で手を差し伸べている。事実、文政権になってから北朝鮮の人権問題を改善させる取り組みは急速に冷え込んだ。
『殺人の品格』で描かれたような、脱北民に対する冷淡な仕打ちは、文在寅政権下で現実に起きている。4月にはベトナム経由で韓国への亡命を目指していた3人の脱北者が、ベトナムで身柄を拘束され、(入国元の)中国に追い返される事件が起きた。
「脱北者団体が韓国政府に3人の受け入れを要請したものの、韓国外交部は『待て』と言うだけで、動かなかった。今年、米国務省が公表した人権報告書でも『韓国政府は脱北者団体を抑圧している』と指摘された」(韓国人ジャーナリスト)
もし3人が北朝鮮に送り返されたとしたら、刑務所送りになるのは確実。最悪、『殺人の品格』で描かれたように処刑される(されている)こともあり得るだろう。
(後略)」
(引用終り)
つまり文在寅の脱北者強制送還による死出の旅路への命令は、今始まったことではなく、昔から文在寅のお家芸なのである。つまり殺人にも匹敵する行いを、いとも簡単にやってのけるのが盗人猛々しい文在寅という大統領なのである。
では、なぜ文在寅は脱北者に死をもって仕打ちをするのか。恐らく、文在寅は脱北者を北朝鮮国家の裏切り者と捉えているのであろう。北朝鮮の金正恩様に逆らうことは許せないから強制送還して死をもって裏切りという罪を贖わせているのであろう。
これと同じことがやはり社会主義国では行われているのだ。社会主義とはなんと恐ろしい思想であることか。それは、74年前の第二次大戦終了後のナチスドイツと戦ったソ連兵のことだ。
ソ連兵はナチスドイツと死に物狂いで戦ったのだが、敗れてドイツ軍の捕虜となった兵も何十万にものぼった。彼らはドイツ軍に処刑されたり、収容所に入れられたりして死線をさまよった。
そして、ドイツ軍が敗退して捕虜であったソ連兵は解放されたわけであるが、故郷ソ連に帰りたい兵士は少なかったという。
ここに脱北者の強制送還がたどった萌芽がある。つまり、ソ連に帰還すると多くが処刑されたのである。疑心暗鬼の祖国から裏切り者として。
この辺の事情をウィキでみてみよう。
ソビエト将兵元捕虜に対するソビエト連邦の仕打ち
ドイツ軍の収容所より生きて出ることができたソビエト捕虜はナチスの為に働いたとしてソビエト当局に非難されるか、あるいは自発的な降伏を禁止した指令第279号の元に、反逆者のレッテルを貼られることになったという陳述がある。
第二次世界大戦中もしくは戦後、解放された捕虜は特別な「濾過」収容所に送られたが、彼等のうち90%以上が死亡、約8%が拘束され、懲罰大隊への所属を余儀なくされた。
1944年、彼等は内務人民委員部(NKVD)により、粛清されるため、直接予備部隊へ配属された。さらに1945年、ソビエトへ送還された東方労働者、元捕虜、強制追放者ら400万名以上が調査され、約100もの濾過収容所に収容された。(後略)」
文在寅は社会主義者である。社会主義者は裏切りを許さないのである。脱北者に人権など全く認めない。処刑されるとわかっていても、というより処刑されることが分かっているから文在寅は北朝鮮に強制送還するのである。
非情な文在寅は国内でも積弊清算を合言葉に粛清を行っている。さすがに今は死刑にはできないが、完全なる独裁者になれば国内でもやるにちがいない。