グレタ・トゥンベリはもうスウェーデンに返ったのだろうか。まだ北米大陸をうろついているのだろうか。どうか文明の利器は使わないように。使えば、人類と地球絶滅に加担することになるのだから。

 

グレタのバカバカしいほどの狂気に満ちた国連演説は、世界の若者は熱狂させたようだが、日本ではそれ程の盛り上がりを見せなかった。まだ日本は健全な精神の持ち主が多いとみえて安心した。

ネットではグレタに批判的なコメントが多かったが、マスコミは何も考えていないから無神経にグレタ礼讃の記事が多かったように思える。

 

しかし、グレタの叫び、

人々は苦しんでいます。人々は死んでいます。生態系は崩壊しつつあります。私たちは、大量絶滅の始まりにいるのです。

「もし、この状況を本当に理解しているのに、行動を起こしていないのならば、あなた方は邪悪そのものです。」

というアジテーションに動かされて、行動をしなくちゃと思った人もいる。

例えば、こんなネットの声。

「この半世紀の事実として、温暖化、CO2排出増加、海面上昇があります。既に評論の時期は過ぎて、行動の時期に来ていると思います。100%の科学的根拠を求めることに何か意味があるのでしょうか?若い世代がトライするのを見守り、成功への手助けをしたいと思います。」

 

「評論の時期は過ぎて、行動の時期に来ている」という。「評論の時期は過ぎて」と言いながら、「100%の科学的根拠を求めることに何か意味があるのでしょうか?」と及び腰は何故なんだろう。

根拠が曖昧なのになんで行動しなくちゃいけないんだろう。

「若い世代がトライするのを見守り」と書いているから、これを書いたのは若者ではないようだが、若者の行動は応援すると言っている。大人の無責任!

 

グレタの後ろには環境活動家・エコテロリストの姿がある。グレタが純粋に活動している訳ではない。

しかし、世界の若者は、グレタの純粋性に魅せられて、勉学も放り出して、デモだストだと騒ぎまくっているようだ。

 

パリでも昨日5日、5日、気候変動の危機を訴える運動「絶滅への反逆」の活動家らがショッピングモールを占拠する大規模なデモを行ったという。

環境破壊による「終末」を警告する「絶滅への反逆」は、7日からの2週間に世界60都市で市民による不服従運動を展開する計画で、パリのショッピングモール占拠はこれに先駆けて行われた。

「絶滅への反逆」は昨年、英国で学者らが中心となって始まり、環境危機を訴える運動として急速に拡大したとのこと。

まさに世界的に気候変動の危機を訴える運動が激化しているが、左翼学者・運動家たちが暴れるためのいいターゲットを見つけたのだ。グレタもその運動激化に一役買っているのだ。

 

昨日紹介した川口マーン恵美氏は環境版の文化大革命かと危惧する。

「今、起こっているFridays for future運動も、いわゆる世代間闘争の一種なのか。それとも、環境版の文化大革命?

ただ、子供たちは環境運動のつもりでも、応援している人々の頭の中には、まったく違ったものがあるように思える。メルケル首相は、気候法案の発表の際、「私たちは、ここで何かイデオロギー的なことをしているわけではありません」とわざわざ言った。

しかし、このままでは、市場経済や自由競争がじわじわと崩れ、国民の交通手段も、市場に出回る商品も、価格も、次第に国家が統制するようになっていくのではないか。」

 

そうグレタの騒動は中国文化大革命の紅衛兵の狂信的な行動を彷彿とさせる。紅衛兵ならぬ「緑衛兵」といったところか。

 

「文化大革命」(文革)とは、1966年、中国の毛沢東が党内の政敵を追い落とし、権力を再掌握するための権力闘争だった。

これにより国民の間で、党の幹部や官僚、教師や文化人などに反動勢力を見つけ出し、つるし上げる運動が巻き起こった。多くが危害を加えられ、自殺に追い込まれる人もいた。

この運動の先頭に立ったのが、「紅衛兵」を名乗る学生など若者たちが形成したグループだ。

共産主義の理想を信じ、文革を忠実に実行したが、それは同時に中国の伝統的な価値観を容赦なく破壊するということでもあった。彼らは自分の親たちでさえも、理想の名の下につるし上げた。

 また彼らは派閥を形成し、自分たちのイデオロギーこそ真正だと信じ、時に激しい派閥抗争を繰り広げた。文革の専門家でハーバード大学のロデリック・マクファーカー教授は言う。

「私が思うに、文革で最も恐ろしい側面は、党主席が国全体を混乱に陥らせたということばかりではない。スタートのピストルが鳴らされるや、中国人がお互いに対して極度に残酷になったということだ。国民同士が戦い、殺し合った――特に紅衛兵の派閥抗争において」と語っている。

 

グレタの狂信的な行動が世界の若者に浸透し、過激になればなるほど文明を忌避することに歯止めが効かなくなり、紅衛兵の時代と同じようにお互いに対して極度に残酷になっていくことだろう。

また、「文革当時、学生は、教師や、親までも含めて、権威ある人物を弾劾することが求められたし、伝統的な道徳と方針が攻撃され、仏教寺院が外観を汚され、破壊された、と教授は伝えている。」

 

このエコファシズムの暴威は文革における文化・文明破壊と同じ道をたどる可能性がある。なぜなら、グレタは、地球の絶滅はこの文明に起因していると非難しているからだ。従って、この文明の恩恵をのうのうと享受する輩は、地球と人類の絶滅の加害者と告発できる。それなら、文明は破壊するしかないと、洗脳されたバカな子供たちはタリバンのように荒れ狂って破壊に走るかもしれない。

 

中国の文革は毛沢東の政治闘争、奪権闘争の一環として紅衛兵が利用された。そして、過激になりすぎて毛沢東の邪魔になった途端「下放」という形で、紅衛兵たちは体よく農村の田舎に放逐された。

それと同じように「緑衛兵」たちも過激になり過ぎて、エコファシストたちの歯止めが効かなくなれば、紅衛兵同様捨てられるだろう。

 

下放された紅衛兵はどうなったか。子供の時から破壊をくり返し、全く勉強しなかったから、文字も書けない学力ゼロの青年として成長したという。それは中国にとって大きな損害となった。

 

グレタに扇動された若者たちは、学校を平気で休んで、デモ・ストに参加しているという。それを学校が許し、政治家が許し、大人が許している。このままではヨーロッパの青少年の学力はガタ落ちになるだろう。エコファシストの活動はことほど左様に罪深いのである。

彼らエコファシストにとっては文明を否定し、自然に還れと叫んでいるのだから、学力ゼロで猿同然になるのは何の問題もないと構えているのかもしれない。

 

日本は是非とも高みの見物をするだけにしておくべきで、ゆめゆめ「何か行動をしなくちゃ」なんてバカな考えを起こしてはならない。