なかなか考えさせる謝罪会見であった。

 

「雨上がり決死隊の宮迫博之とロンドンブーツ1号2号の田村亮が20日、都内で開いた謝罪会見にて、反社会的勢力から金銭を受け取った問題について謝罪と経緯を説明した。二人は最初に虚偽の説明をしたことを謝罪したうえで、吉本興業側から「会見はさせない」と言い渡され不信感を抱いたことを告白している。
宮迫と田村は68日時点で、それぞれ100万円と50万円を受け取っていたことを吉本側に告白し、会見を開いて事情説明をしたいと嘆願。しかし吉本側に却下され「静観」を指示されたという。
また、この闇営業問題に関係している芸人たちの無期限謹慎を吉本興業が発表したのは6月24日だが、同日、吉本興業の岡本昭彦社長は、関係した芸人たちに対し「お前ら、テープ回してないやろな」「一人で会見したらええわ。やってもええけど、ほんなら全員クビにするからな。おれにはお前ら全員クビにする力がある」と凄んだという。
宮迫と田村は何度も「引退しても会見をさせてくれ」と頼んだそうだが認められず、田村は「嘘をついたことを謝りたいのに、それを止められる」という事実から、吉本側への不信感が募ったと明かした。」

 

「田村亮は、吉本興業から会見を止められていると告発し「子どもが本当に謝ろうとしていることを止めるのは親ではないと思います。それを言われて僕は不信感しかなくなってしまいました」と心境を明かした。」

 

「世話になった先輩についてコメントを求められると「恩返しのしようのない、たくさんのご恩をいただいている先輩方に、軽い気持ちで勝手な自分の思い込みの解釈で“金をもらってない”と言ってしまった。取り返しのつかないことですので、もうお会いすることはできません」と返答。
 中でも、自身にとって大きな恩義のある「ダウンタウン」松本人志については「お電話させていただきました。最初の段階で、勝手な思い込みで“打ち上げ代を出しただけだ”と伝えた時に、松本さんは“全員がいくらもらったかとか全部話した方がいい”とおっしゃっていただいたのですが、僕はとんでもなく甘く考えていて“そうですね”と答えた。あんなに恩義のある先輩の大事なアドバイスをちゃんと受け止められませんでした。すいません」と号泣。」

 

以下は会見議事録の抄録

「亮:会見をダメだということに関しては、正直納得いっていませんでした。僕は、ウソをついて。ツイッターでもラジオでもウソをついてしまって、淳(あつし)にもウソをついて、僕のことを擁護してくれる人もたくさんいて。ウソの擁護をしてくれている人に僕がつらくて。
それで会社にどうしても言いたいと。その(吉本側の)弁護士さんが(会見を)止めている理由がまったくわからなくて。その弁護士さんが言うには、我々が弁護士をつけたことは上層部が悲しがってると。ファミリーだというふうに言われました。
 でも、僕に言わせれば、本当に僕をファミリーだと言うなら、僕は子どもだと思っています。本当に悪いと思って謝ろうとしているのを止めるのが親ではないかと思います。
 それをやられて僕は、不信感しかなくなってしまいました。止めるのではなく、背中を押してほしい。どういうふうにしたら、こいつらがちゃんと謝ってくれるかを手伝ってほしかっただけです。本当のことを言うのがどんどん遅れて、しんどいことは伝えていました。ほかの先輩方や後輩がワイドショーでコメントしていた「会見した方がいい」というのは僕も同じですし、みんな同じです。なのに、止めてるのが、それは、あってはいけないと思いました。」

 

「質問:入江さんからは、どのような形で誘いを受けたのですか?
宮迫:正確に何日か前かは覚えていませんが、入江くんと亮くんと3人で飲みの席にいまして。僕が聞いた時は「結婚パーティーがあるんで、出てくれませんか」と。僕はその時にだいぶ酔っていたので、「もし空いてて行けたら行くわ」ぐらいのことを入江くんに言いました。そこで「ギャラが出ます」と言われました。値段を聞くと、正直言うとその時の記憶も定かではないので、亮くんに話を聞いて認識したんですけど。50万、100万だと。

そこで亮くんが「大丈夫かと。そんな大金払えるとこは」と入江くんに聞いたみたいで。その時に入江くんが、「僕がやる吉本の会社を通したイベントに付いてくれているスポンサーなんで、そこは安心です」と。そこで亮くんは、「じゃあ大丈夫か」と。僕はお酒に関してはダメなんですけど、飲んでいたんでよく覚えてないんです。亮くんはそこをはっきりと覚えているとのことでしたので、僕たちはそれを聞いてパーティーに行ったのが経緯です。」

 

「宮迫:これは本当に言い訳に聞こえてしまうかもしれないですけど、そのパーティーの時の記憶は、その後にみんなの記憶とすりあわせている時に、断片的には僕も歌を歌ったりということが思い出せた時に、そこに家族も子ども達も何組もいましたので、正直なところ、その場を反社会的勢力の場だということを認識できませんでした。

宮迫:もちろん、僕らが行ったのはとんでもない認識の甘さなんですけども、入江くん主催で、吉本興業の社員もいて、一緒にやっているイベントのスポンサーが、いわゆる反社会的勢力と気づかずに吉本興業も自社のタレントを派遣し、そこから入ったスポンサー料でギャラを支払っているという。これは決して批判とかそういうことではなく、ということは、構造的には僕らが行ったパーティーと一緒なことなので。吉本興業という大きな会社ですら気づけなかったということであれば、反社会的勢力というのを、一個人で判断することは難しいです。」

 

「質問:2016727日、大阪北新地のキャバクラでの記念撮影、経緯とギャラの受け取りがあったのかどうかも含めて教えてください。
宮迫:3年前の記憶ですが、写真を撮った記憶は薄っすらあります。当時その店に、中学の同級生と行きました。日付はおそらく違う。僕はトイレに行き、出たところを「写真を撮ってくれ」と頼まれて、ただ撮っただけです。
 この記事が載ったときに、一緒にいた同級生が憤慨し、当時の店長さんを探してくれて、アポを取り、その店長さんはそのことを覚えていて、僕がトイレから出たところを囲まれていたので「止めに入りました、でも宮迫さんが写真くらいええよと撮っていた。その一瞬だけです。お金の授与なんてありません。僕が証言してもいいです」と言ってくれています。これが真実です。僕は今の説明は会社にもしています。」

 

「質問:契約解消に至ったが、今の思いは?
宮迫:僕が、引退をするというのはあってしかるべきだという認識はあります。ですので、契約解消されたことについては何も文句はありません。
質問:引退ではないということ?
宮迫:何度もそのことは考えました。ですが、僕は18から30年間この仕事しかしていない。僕ができるのはこの世界で学んだことしかないんです。僕のような者でも、僕の能力でお役に立てることがいつかできるかもしれないという思いで、今は引退と言う事は考えられません。

(引用終り 順不動で引用しました)

 

宮迫・田村の謝罪会見を見て(部分的にだけど)、闇営業/反社勢力との付き合いも表で言われているだけでないように思えてきた。そして吉本興業側の芸人への愛がこれっぽっちもない、非情な、金儲け主義の会社が暴かれて、それこそ吉本興業のほうが反社会的勢力のような感じがしてきた。

 

宮迫は引退しないといっているが、特に宮迫を好きではない私もこの反社関連の流れの中で、即社会から抹殺、引退はひどすぎる仕打ちのようなので、引退しない発言を支持したい。

 

カラテカ入江のように反社と知って付き合った男とそれに引きずられて反社のパーティーに参加した芸人たちとは、罪の重さがかなり違うのではないのか。

反社と知らず知らずの内に付き合ってしまっただけで、もう重大犯罪人のような扱いにやや違和感を覚える。これも「差別」の一種ではないのか。

社会はLGBT差別には熱心だが、こういう差別には関心がないとでもいうのだろうか。

 

昔子供の時に、今なら完全にいじめの遊びだろうが、ターゲットをばい菌扱いする「エンガチョ」という遊びをよくやった。

Wikiによれば、「エンガチョは「糞便を踏んでしまう」「トイレの便器に触れてしまう」など、誰かが不浄なものに触れた瞬間を第三者に目撃された段階が起点となる不浄なものを触れた者は、当該部位を別の第三者にこすり付ける事で穢れから解放されるが、第三者が「エンガチョ」と叫び、印を結ぶと防御することが出来る。」

あるいは

「子供が汚い物や人(汚い物を触った人)に触れたとき周りにいる友達に触れることで汚れを移すという遊びをするが、エンガチョはその際に使われる囃し言葉であり、おまじないや呪文的言葉である。」

 

つまり、反社会的勢力という不浄なものに触れたことが明らかになるやいなや、その者自体が不浄なものとなり、遊びでは別のものに擦り付けることで、縁を切ることができるつまり「エンガチョ」なんだが、現代の「エンガチョ」である反社会的勢力という不浄なものに触れたら最後、何をしてももう穢れから解放されることはなくなる、つまり社会から抹殺されるという恐ろしい限りの現代版エンガチョ騒動。

「芸人-反社会的勢力-フライデー-吉本興業-テレビ局-世間」という関連の中で、穢れの徹底排除という恐ろしいまでの差別構造になってしまっているのではないか。水清ければ魚棲まず。

 

何人かの仲間の芸人がツイッターで、「やり過ぎ。ここまで袋叩きにしてトドメをさす100も承知だと思うが息子がいる、奥さんがいる、1人だけではない。犯罪者ではないのに雑誌やニュースは本当の犯罪者を叩かずここまできた」と。

 

何だか社会のイラツキが、犠牲者を求めて、こんなところで爆発し、排除して心を高ぶらせるという、余りにも嫌らしい形で出ているのが今の日本ではないのか。

 

宮迫その他の芸人に勧めたい。

今回関わった芸人は全員吉本興業を退社して(そもそも契約書がないから退社もないもんだが)、宮迫が新しい芸能事務所を起こして、地方周りの芸能プロダクションとして頑張ったらどうか。

また、吉本に所属していて、才能があるのに売れない芸人を引き連れて新しい芸能プロを創ったらどうか。世間はそれなりに暖かく迎えてくれるのではないだろうか。