先日、中米からの移民キャラバンのいかがわしさにについて、巨大な組織がある意図を持って援助していると思わざるを得ないと書いたが、ドイツ在住で独逸の政治や社会の動きについて、普通のマスコミが伝えない優れた情報をレポートしてくれる川口マーン惠美氏が「シュトゥットガルト通信」という連載記事に

「米国を目指す「移民キャラバン」は、ドイツに来た難民と瓜二つの謎 裏で糸を引いているのは何者なのか」

と題して書いている。

ほとんど私と同意見だ。

 

川口マーン恵美「シュトゥットガルト通信」

「…ホンジュラス、エルサルバドル、グアテマラの移民(希望者)が、何千人も徒歩でメキシコに向かっている。もちろん最終目的地はアメリカ合衆国だ。

その果てしなく続く人々の列を見た途端、20158月末、ハンガリーからオーストリアに向かって歩き始めた中東難民(希望者)の姿を思い出した。当時、彼らの最終目的地はドイツだったが、今、中米で起こっている光景は、それと瓜二つといってもよいほど似ている。

移民キャラバンは、現在、メキシコ内を北上し続けており、米国はメキシコ国境に数千人規模の軍隊を派遣し始めた。ところが、報道はというと、米国のその行為がまるで違法であるかのような雰囲気を醸し出している。

移民の行進には、不思議なことがたくさんある。そもそも、貧困や犯罪に苦しんでいた人たちが、ある日、突然、自然発生的に歩き出し、みるみるうちにこのような民族大移動になったわけではない。

今回の場合、ホンジュラスのある元国会議員の呼びかけで160人ほどが歩き出し、それがテレビで取り上げられた途端、何千人もが加わったらしい。もちろん、その後ろには、ちゃんと情報を発信し、ロジスティックを担当し、人々に必要な物資を与え、勇気づけ、導いている人たちがいるのだろう。」

 

「…2015年、中東難民が続々とドイツに到着した時もそうだったが、今回、メキシコを大河のようになって歩いている人たちも、皆、驚くほど軽装だ

 ヨーロッパでは、昔から多くの若者がバックパッカーとして巨大なリュックサックを背負って旅をしているが、今、アメリカに向かっている移民希望者たちはほとんど皆、小さなリュックサックが一つだけ。

道中、食べ物や飲み物や、簡素とはいえ寝場所が提供され、救急医療が行われている様子は映像にも映っている。スマホの充電ステーションもあり、着替えや赤ん坊の紙おむつや衛生用品も支給されているという。巨大なリュックサックは必要ない。

移民希望者を助けているのは、人道的な意味で駆けつけたNGOもいるだろうが、それだけとは思えない。」

 

 裏で誰かが糸を引いているのでは、と川口氏は示唆するが、それが誰なのかの推測まではしていないし、その目的についても言及していない。

私は勝手に衝突目的ではないかと勘ぐっているのだが、そこまでは川口氏はいわないが、この記事ではもっと重要なことを述べている。

 それは国連の難民支援という名のとんでもない動きについてだ。

 

そもそも国連の反日姿勢は有名だ。もう左翼の巣窟と成り果てている。

例えば、ユネスコの世界記憶遺産に中国の申請によって、いわゆる「南京大虐殺」が登録されたり、国連の世界遺産委員会が明治文化遺産で「朝鮮人強制労働」で日本に謝罪するよう迫ったり、国連人権理事会の作業部会が日本の人権状況を掲げて、その中で北朝鮮などが「朝鮮学校への平等な取り扱いの確保」を掲げて、高校授業料の無償化を求めたり。

また最近では、国連女子差別撤廃委員会が、皇位継承権を男系男子に限定する日本の皇室典範について「男女差別である」とする勧告書を出そうとしたりと、左翼の巣窟そのものと言ってよい。国連という名を借りてバカげた勧告を出したり、要求したりと日本を徹底的に貶めている。

 

これを批判し積極的に行動していたのは、杉田水脈氏だから、それが気に食わない左翼は、杉田氏を追い落とすために陰謀として、LGBT問題で徹底して弾圧したのだと思われる。

 米国も国連人権理事会を「政治的偏見のはきだめ」だと批判して離脱した。

要は国連の人権とか女子差別撤廃とか歴史問題とかに関わる委員会は「糞」なんである。

 

 そんな糞の国連が、反日よりもっと影響力が大きい悪さ、難民支援について企んでいると川口マーン恵美氏は報告しているのだ。聞きなれない「難民に関するグローバルコンパクト」の採択についてだ。

 

「…メキシコ入国に渡河が必要なところでは、川の浅瀬に補助のロープを張って、その不法入国を助けている人たちもいた。そして、その様子をドイツメディアが応援するように報道する。

ところが、ドイツでは報道されないこともある。

たとえば、国連で12月に採択が見込まれている「難民に関するグローバルコンパクト」について。

これは何かというと、難民、および移民を援助する申し合わせで、主に4つの目的がある。

①難民受け入れ国にかかる負担の軽減

これは、現在、難民を一番多く受け入れているのは、中東やアフリカの戦乱地区の周辺の貧しい国々なので、まずはそれらの国への援助を増やすということ。そして、

②難民の自立を支援

③第3国定住などへのアクセスを拡大

④難民の自主帰還を促進

と続く。要するに、難民・移民の権利の拡大だ。

ちなみに、なぜコンパクトという名称になっているかというと、「協定」にすれば法的拘束力が出てきてしまうので、多くの国が採択を躊躇すると思われるからだそうだ。

compactには、契約、同意、協定、盟約という意味がある。管理人注)

つまり、国連はハードルを下げることにより、何が何でもこの申し合わせを採択に持っていくつもりらしい。

誰が移民として認められるようになるかというと、自国で人間らしい生活の送れない人たち全員だ。これからは、気候温暖化のために島が沈み、住むところがなくなったと主張する南太平洋の人たちもそれに含まれるらしい。

そして、彼らに移民先として選ばれた国は、グローバルコンパクトに署名していれば、移民を受け入れなければならない。法的拘束力がないとはいえ、受け入れを拒否することは難しくなるだろう。

 

しかもこのコンパクトは、②③により、移民が移住先で、そこの国民と同様の権利を持てるよう応援している。しかも④で、移民は祖国に戻る権利も保持できるため、帰りたくなれば、帰郷もサポートしてもらえる。」

 

 この「難民に関するグローバルコンパクト」に署名した国は、移民を受け入れるということを国際的に約束したことになり、受け入れを拒否することは難しくなるということだ。

アメリカがこのコンパクトに署名したら、メキシコ国境で移民阻止はできなくなるのだ。

 

案の定、この内容に危惧を覚え、同コンパクトを採択しないと宣言する国が出てきた。例えば、アメリカ、オーストラリア、ハンガリー、スイス。

一方ドイツでは、本件をほとんど誰も知らず、10月の末、お隣のオーストリアが採択拒否の声明を出したという報道で、ようやくその存在に気付いた始末。オーストリアの声明は下記の通りで、簡潔そのものだ。

「移住の権利という人権は、オーストリアの法的基盤においては未知である。そのような国際条約上存在しないカテゴリーを作り出すことも、合法と違法の移住に関する水増しも、拒否すべきものである」

このあとドイツでも、俄かにこのコンパクトを危険視する声が広がった。

ところが驚いたことに、ドイツ政府はその声を、「ポピュリストたちによって、グローバルコンパクトに反対する空気作りが行なわれている」と非難したのである。

 

メルケルは余程移民が好きらしい。というかドイツ国民のことなどどうでもいいらしい。

なぜそうなるのか。移民・難民が弱者・正義に祭り上げられ、そのもたらす様々な問題について議論すら許さないという風潮が体制のなかに出来てしまっているのである。

だからこそそれに反対して、多くの国に右派系の政党が台頭、というよりとても大きな勢力になってきているのだ。

 誰がそういう風潮を作っているのか。中米の移民キャラバンに関しては、反トランプ派勢力と言えるが、大きく捉えるなら「エスタブリッシュメントのグローバリスト」たちと言えるのではないか。よくわからないが。絶えざる低賃金労働者供給?

 

ドイツ政府はここ数年、反対意見に議論で対決しようとはせず、すぐポピュリズムや反民主主義と決めつけて、それを押さえつけようとする傾向が目立つ。議論になると困るものはなるべく目につかないようにし、あるいは議会を回避して決めてしまうこともある。

人間の波は、一度堰が切れれば止められなくなるのは、すでにEUでは証明済みだ。今、日増しにアメリカ国境に迫りつつある中米からの人の流れも、一つ間違えれば、いずれアメリカ合衆国だけでなく、北米、中米、南米すべてを混乱に巻き込むほどの威力を発揮するだろう。それをさらに「難民グローバルコンパクト」で応援しようというのは、かなり無謀な動きだ。」

 

そして川口氏は日本について警告する。

「日本もあっという間に、この動きに飲み込まれる可能性は高い。日本では政治家も国民も、日本海は海が荒いので、朝鮮半島や大陸からのボート難民はそう簡単に来られないと高を括っているが、大きな船を提供する何者かが現れ、公海上で「遭難」している難民希望者を救助して日本まで運んでくれば済む話だ。

あるいは、日本の近くで難民を再び小舟に乗せ換えてSOSを発信すれば、自衛隊か海保が助けに行くだろう。

それと同じことは、すでに何年も前から地中海で起こっており、各NGOの船が、中東やアフリカの難民を、シャトル便のようにイタリアやギリシャへピストン輸送してきた。

トランプ大統領はメキシコ国境に塀を作り、何と言われても中米の難民を阻止するつもりだろうが、日本は海に塀は作れない。それに、「人道」と言われれば受け入れ拒否などありえない。」

(引用終り)

 

海は大きな壁のようなものだと思ったら大間違いなのだ。むしろ、海だけに塀すら作れないやっかいなものだと考えたほうがいい。

日本が安易に「難民に関するグローバルコンパクト」に署名したらトンデモナイことになる。

「難民に関するグローバルコンパクト」を国際法と同等と判断されてしまうと、徴用工裁判で国際法無視した韓国、なんぞと非難できなくなる。入管法改正より、もっと危険なものがこの「難民に関するグローバルコンパクト」といえる。

大丈夫だろうか日本は。外務省は当てにならないからなあ。