貴乃花の理事降格は前から想定されていたから驚きはなかった。私も前に以下のようにブログに書いていたから、単にその通りになっただけだ。

 

理事とは会社で言う取締役だ。取締役には「忠実義務」というのがある。「忠実義務」というのは「会社の利益を犠牲にして自己の利益を図ってはならない義務」である。この定義に照らせば、貴乃花は明らかに「忠実義務」に違反している。まさに、「相撲協会の利益を犠牲にして自己(貴乃花)の利益を図って」行動しているのだ。この「忠実義務」違反は懲戒、理事解任に相当する。」(「モンスターペアレンツ貴乃花の暴走を「改革」のためと持ち上げるマスごみ。小池劇場ならぬ貴乃花劇場か」2017.11.20

 

しかし、次の理事選挙まであとわずかだから、あまり意味のある懲戒とは言えない。それにしても高野危機管理委員長の貴乃花への弾劾はしっかり常識に基づいていて気持ちがスッキリした。当然すぎる指摘ばかりだが、テレビのあまりのバカコメンテーターの貴乃花ヨイショを毎日聞かされると、高野委員長の指摘が新鮮だった。おせち料理に飽きてラーメンを食べた時の気分か。

 

 ところで、前に書いた「貴乃花の異常行動は、新興宗教信者であることで説明がつくかもしれない」(2017.12.20)の末尾に以下のように書いた。

 

「…何としても弟子を守るって貴乃花はかっこつけて言ったようだけど、弟子が突然二人も廃業したことについて、何の説明もしてないようだ。週刊誌によれば黒い噂が原因のようだが、こういう時は弟子を守る気はないらしい。正義の味方が聞いてあきれるねえ。この件は次の機会に。」

 

 予告編を書いたのだが、面倒になって放っておいたら、夕刊フジに中身が書かれたようだ。この記事には重大なことが書かれていた。しかしマスコミは全く報じていない。いつもの報道しない自由か。

その題は「衝撃!貴ノ岩にも暴行容疑 元貴乃花部屋力士の訴訟で発覚「逃げ回る力士にエアガン」」で、記事は以下のとおり。

 

「元横綱日馬富士に暴行を受けた十両貴ノ岩が、逆に“暴行疑惑”で昨年12月27日に東京地裁へ証人として出廷していたことが26日、わかった。引退した貴乃花部屋の元幕下力士が日本相撲協会を訴えている民事訴訟で、3人の元力士が貴乃花部屋で行われていた暴力の実態などを証言。貴乃花親方と花田景子夫人も貴ノ岩と同日に証人尋問で出廷した。訴訟は現在も東京高裁で争われている。

 相撲協会を訴えているのは、十両目前の幕下3枚目だった2014年九州場所限りで引退した元貴斗志(27)。貴乃花親方に引退届を出されたことから15年3月、相撲協会を相手取り「地位確認等請求」、「報酬の支払い」などを求めて東京地裁に提訴。今年3月に請求を棄却されたものの、控訴して現在は東京高裁で係争中だ。

 裁判記録によると、元貴斗志は14年10月18日の朝稽古中、貴乃花親方から「不良みたいな態度を取りやがって。荷物をまとめて出ていけ」などと何度も怒鳴られ、貴乃花部屋から追い出されたという。(中略)」

 

 被害者ツラしていた貴ノ岩が加害者として訴えられていたのだ。(そうか、だから貴乃花は日馬富士の暴行も訴えたいのだな。)

 

 貴ノ岩の暴力については次のように書かれている。

「…この裁判記録で驚かされるのは、貴乃花部屋内の暴力問題だ。元貴斗志は、09年初場所でともに初土俵を踏んだ“同期”で、当時すでに幕内の関取だった貴ノ岩と暴力騒ぎを起こしている。

 元貴斗志の主張によると、14年4月に番付上位の貴ノ岩が「お前、あいさつもしないのか」と絡んできたため、「すみません」と謝ると、「お前何様のつもりだ」と平手で3発殴られたという。

 しかし貴ノ岩は法廷で「元貴斗志が『あんたの若い衆(付き人)ではない』と殴りかかってきて、喧嘩ではなく一方的に暴力をふるわれたのが真実」と反論している。

 元貴斗志はその際に「格上である関取に手を出してしまった反省として、けじめをつけなければいけない」と一旦は引退の意向を示し、断髪式も予定されたが、相撲への強い思いから撤回。その半年後に師匠から追放されたことになる。

 また昨年秋場所で引退した元古関(31)は、「貴ノ岩が新弟子の頃から雑用などをせず、出世すると、逃げ回る力士を笑いながらエアガンで撃つことが何度もあった」と証言。さらに、「朝起こしに行くと貴ノ岩は『師匠いる?』と聞き、貴乃花親方が稽古場に来ていないと、二度寝をして稽古の終わった食事の時間になると現れた」とも話している。(中略)」

 

 貴斗志の言い分が正しいのか貴ノ岩が正しいのかよくわからないが、部屋で暴力沙汰がしょっちゅう起こっていたことを覗わせる。貴乃花部屋だけが理想の部屋のようなイメージは貴乃花とマスコミが作ってきたし、改革させないのは相撲協会のほうだと主張するが、貴乃花の足元がそもそも腐っているのに、改革を主張する資格があるのだろうか。

 

 夕刊フジはまだ続く。

「… 大相撲はいま元日馬富士による暴力事件で大揺れだが、被害者側の貴乃花部屋で当時、毎日のように暴行が繰り広げられていたとすれば驚きだ。裁判記録には、かつて貴ノ岩の付き人で14年名古屋場所を最後に引退した元貴翔馬(36)の次のような証言もある。

「貴ノ岩は私には暴力を振るうことはなかったが、他の力士には先輩、後輩関係なしに暴力を振るったり、新弟子時代から先輩力士に対して聞く耳を持たなかったり、いじめていたのはよく知っています」

 さらに「4、5年前、九州場所の宿舎で嵐望(らんぼー、現世話人)は貴神龍(今年の名古屋場所で引退)の頭をビールケースで殴り、貴神龍は頭から血を流し、顔の半分を真っ赤に染めた」、「古関の頭をまな板で何度も殴り、まな板が衝撃で6分割ぐらいになった」と明かしている。

 また、貴ノ岩が元貴斗志との暴行騒ぎの際に「『鉄アレーを持ってこい』と叫んだと聞いたことがある」と元貴翔馬は付け加えている。」

 

 この訴訟騒ぎの本人貴斗志は2014年九州場所前に突然引退している。あるブログから。

 

2014年九州場所、幕下上位で期待されていた貴斗志(24)である。しかし、何の前触れもなく場所前に突然引退してしまったのだ。貴斗志と同時に入門した双子の兄は、今年3月に怪我の影響で既に引退していた。それだけに期待が高かったことから、この引退には相撲関係者やファンが首を傾げた。加えて、貴乃花親方が弟子の引退理由を何一つ語らないことから、様々な憶測が流れることになる。」

 

 またいつものように何も語らない貴乃花。いや貴斗志は昔の話であった。その昔から貴乃花は都合が悪くなると黙して貝のようになる。全然弟子を守っていないじゃないの貴乃花さん。

 このブログにあるように貴斗志も双子力士で、兄は貴月芳と言っていたが、これも引退した。貴斗志の突然の引退については理由は不明だが、こんな噂がある。敬天新聞という出所は胡散臭そうだが、その筋の情報には長けていそうなブログ記事だ。

 

双子力士が出所祝に懸け付ける

 以前に、歌舞伎役者の海老蔵への傷害事件で一躍時の人となった元関東連合の石元太一を叔父にもつ双子力士の存在だ。双子の兄弟力士、貴月芳と貴斗志である。この兄弟、あの市川海老蔵暴行事件で一躍時の人となった関東連合OBの甥っ子なのだ。この双子力士は、海老蔵への傷害事件で服役していた伊藤リオン元受刑者の(仮)出所祝の席に、ちょんまげ姿で堂々と参加していたのである。

 叔父である石元太一の大事な友達が晴れて出所したのだからと、貴乃花親方が喜んで双子力士の参加を認めたとは考え難い。ならば事後報告で知ったのかもしれないが、これといった御咎めもなかった様子だ。暴排条例の括りからすれば、当局が関東連合関係者を周辺者として捉えていることは間違いない。その様な連中が屯する場に、同席したことを親戚付き合いで片付けていいものか、甚だ疑問である。」

 

 こういう関わりが引退と関係しているかもしれないが、貴乃花は説明しようとしない。こんなことで相撲協会の改革なんてできるのだろうか。

 

 2012年の貴乃花部屋暴行事件について、週刊新潮5310日号は次のように報じている。

「…同誌に告白したのは、2年前に入門し、今年38日に廃業した18歳の元弟子(貴王良のこと)。この元弟子によると、今年1月の初場所で、入門から初めて勝ち越したため貴乃花親方に報告に行くと、「なんで先輩よりも先に報告に来るんだ!」と怒鳴りつけられ、腹や顔面をボコボコに殴られたという。この元弟子に対する同親方の暴行は入門から1年が過ぎたころから突如始まったが、同親方の弟子たちへの暴行は以前からほぼ満遍なく行われ、1人につき多い時は週に12回、少なくとも月1回は繰り返されていたという。

 部屋のおかみさんである景子夫人も見て見ぬふりだったというが、この元弟子が部屋を飛び出すと、実家の父親に電話をしてきた景子夫人は、父親から同親方の暴行を聞かされ「知らなかった……ショックです……」と話したという。

 さらに、同部屋からは円満解決を図るべく、これまでの生活について「いじめや問題となる行為をなんら受けることはなく……」などと書かれた「誓約書」なる文書が送られ、文書に親子で署名・捺印しての返信を求められたという。怒りが収まらない父親は2度にわたって日本相撲協会に抗議するもナシのつぶてだったというから、角界の変わらぬ体質がまたまた浮き彫りになってしまった。

「貴乃花親方はいわゆる“かわいがり”的な暴行は当たり前の環境で育ってきたため、加減できなかったのでは。20042月に貴乃花部屋を構えた際、貴乃花親方は『5年以内に関取を育てる』と宣言したが、いまだに育てた関取はゼロ。というか、名選手が名コーチになれない典型で、教え方があまりうまくなく、まったく入門者がいない時代が続いていた。現在、幕下で十両入りを目指す弟子3人は貴乃花親方自らスカウトしたとはいえ、1人はモンゴル人、2人は高校時代に実績のある力士で、貴乃花親方の指導よりも、本人たちの素質によるところが大きい」(角界関係者)

(後略)」(引用終り)

 

 なんだ、貴乃花も古いやり方で弟子を可愛がっているじゃないか。改革は他人ではなく、自ら始める必要があるんじゃないか。

 

 同じ中身だが敬天新聞も書いている。

貴王良引退の原因は親方の暴力

 貴乃花部屋から初の新十両誕生の陰で、ひっそりと引退した貴乃花部屋の若手力士がいた。現役当時の四股名を貴王良という若者は、僅か二年の土俵人生に幕を下ろしたのである。引退直前の本場所では、入門以来初の勝ち越しを決め、今後の活躍も期待されていた若者であった。

 突然の引退であったにも関らず、その理由が本人からも部屋からも何一つ説明がなかった事から、貴乃花部屋の力士を応援するサポーターからも心配の声が挙がっていた。

後日、貴王良の引退理由が思わぬ形で判明する。

「親方からの度重なる理不尽な暴力に絶えかねて、部屋を脱走した」と、週刊新潮が報じたのである。新たな暴力事件が貴乃花部屋で発覚かと、本来ならば大騒ぎになるところだが、相撲協会は貴乃花親方から事情を聴き、暴行の事実を否定したということで、これ以上の介入は協会としてしないと、何とも消極的な対応で終わった。

 稽古と称した暴行リンチで死亡者まで出し、その後も現役横綱の暴行事件や野球賭博、極め付けは本場所中止に発展した八百長事件と、数々の不祥事を起こした相撲協会は、協会内の危機管理委員会の権限を強めることで、同種の不祥事には徹底的に究明にあたることを宣言していた筈だ。ならば、貴乃花親方の暴行記事を報じた週刊新潮にも聞き取りをすべきであり、少なくとも貴王良のもとに出向いてでも、事情を聴くべきである。

 所謂、加害者である貴乃花親方が否定したということで、後は介入しないということであれば、閉鎖的な体質が何一つ改善されていないと誹りを受けても致し方ないであろう。勿論、貴王良の身勝手で部屋を飛び出して、何らかの腹いせで嘘八百を並べた可能性を否定する訳ではない。

 ただし、貴王良の父親も元力士であり、多少のシゴキや強い師弟関係は十分に承知した上で、我が子を角界に送り出した筈だ。その上で、息子が受けた貴乃花親方の理不尽な暴力の実態を週刊誌相手に吐露したというなら、全くの出鱈目と片付けるのは、余にも稚拙な判断である。

 実際、部屋から逃げ出した貴王良のもとに「イジメや暴力を受けた事実はない。部屋には迷惑をかけない」といった趣旨の誓約書を送り付け、本人に署名捺印をして返送するよう、貴乃花部屋は求めていた。

 つまりは、貴乃花親方の弟子への暴行疑惑が報じられる以前に、口封じとも取れる先手を打っていたことからも、暴行事実の信憑性は高いものであったのだ。

結局、暴行疑惑は有耶無耶のうちに終わってしまう気配だ。」

 

 ところで、このとき話を収めてくれたのは、今貴乃花が鬼の形相で睨みつける仇敵八角親方だった。

 当時危機管理委員会副委員長を務める八角親方(元横綱・北勝海)は「貴乃花親方に事情を聴いたが、暴行の事実は否定していた。今の状況で協会が介入することはない」とコメントして話を収めた。

 もしこの暴行事件が本当なら、八角危機管理委員会副委員長の判断はまさに暴行の隠蔽、貴乃花部屋を守るためにつるんだ許されない行為であり、相撲協会の古い体質そのままだ。それを知っているから貴乃花は八角理事長につらく当たっているのだろうか。もしそうなら笑止、笑うしかない。同じ穴の狢。貴乃花を助けてくれた八角親方に恩を仇で返している貴乃花。異常と言わずに何というか。

 

 もちろん貴王良の話も嘘、貴斗志、貴月芳の双子力士引退の話も嘘、加害者貴ノ岩暴行の話もみんな嘘かもしれない。それなら尚更のこと、貴乃花のこれまでの疑惑をキチンと貴乃花自ら説明し、マスコミも疑惑を根掘り葉掘りほじくり出してほしいものだ。少しはホコリも出て来ようというものだ。

 

貴乃花の「沈黙は金」はいつまで続くことやら。どこかで小池劇場が破綻したようにマスコミが手のひらを返すときが来るだろう。もう少しマスコミサービスをしておいたほうがいいんじゃないか、貴乃花さん。