ここ一ヵ月の政治を巡る状況は、8年前に民主党が政権を取る直前を彷彿とさせる。

  民主党への政権交代は、特に民主党が力を伸ばしたわけでもなく、ひとえにマスコミの連日のバカ騒ぎ、空騒ぎのお陰であった。今それが再現しつつあるようだ。

 

  6年前のヤフー知恵袋に「自民党から民主党へ政権交代した理由は?と聞かれたらなんと答えますか。」という質問が載った。そしてその答え。

 

「政権交代があったのは一昨年ですが、当時はマスコミの自民党批判が激しかったのです。それも執拗な麻生バッシングでした。

今から思うと、麻生氏へのバッシングは主に麻生氏の漢字の読み間違いとカップラーメンの値段が分からなかった事、ホテルで飲酒する事など瑣末な事ばかりでした。

当時はマスコミが在日勢力に支配されていること、中国共産党の影響を受けている事、マスコミに韓国朝鮮人が多いこと等知る由もありませんでした。テレビしか見ていなければ、まさかNHKや民放キー局が外国勢力の影響を受けているとか、支配されているとか、偏向報道しているとか、情報操作しているとかなど全く気付きません。

政治に関心の薄い友人までもが自民政権が酷いなどと云いだしていましたから、マスコミがあれほど酷いバッシングをしなければ、反自民になる筈も無かったのです。

また、民主党には若い代議士が多く、イメージが自民党と比べ清潔で溌剌していると云ったものだったので、実態を知らない選挙民が、一度民主党に政権を取らせてみようと考えたのです。」(引用終り)

 

 民主党政権があまりのデタラメさ加減に国民も痛い目に合ってようやく気付いたのだが、今やその当時のマスコミによる自民党バッシングなど忘れてしまった感がある。

 

 私も記憶にあるのは麻生首相が「未曽有」を「みぞうゆう」と読んだと囃し立てて、こんな馬鹿げたことが自民党攻撃に何日も使われたことぐらいだ。

 無精ひげそのままに絆創膏をぺたぺた貼って記者会見に臨んだ赤城徳彦農水相もマスコミに叩かれていたなあ。

 

 この当時は自民党を攻めるにはあることないことなんでも良かった。マスコミが出す料理に国民がこぞって手を叩き、喜び、支持率低下につながるというマスコミのフェイクニュースが一番効果を発揮していた古き良き時代のことだった。

 

 マスコミがフェイクニュースで自民党を叩くという手法はその後廃れたわけではない。特定秘密保護法案のときも、古賀茂明の「I am not Abe」のときも、安全保障関連法案を戦争法案と呼んだときも連日連夜マスコミは安倍首相を叩いた。これでもか、これでもかと。しかし、何の効果もなかった。びくともしなかった。

 

 しかし、森友学園問題で安倍昭恵を叩いて安倍首相に結び付けたら意外と効果があった。加計学園もそうだった。

これらの疑惑は何らの根拠もなく、攻め手を欠いた野党だったし、文科省の怪文書や買春の前川元事務次官など攻める側が全くお笑いであったから、安倍首相も国会では軽くイナしていたんだと思う。

 

 しかし、マスコミにはこれまでとは違った感触があった。それは、安保や共謀罪などまともな案件で攻めても国民は全くついてこない。いくら攻めても内閣支持率は落ちないし高止まりしている。要は国民はバカではないということだ。

 しかし、国民は真面目なことより面白いことになると急にバカになる。左翼マスコミは8年前を思い出したのだ。

「未曽有」、これだ!

嘘でも何でもでっち上げて面白おかしく自民党を攻めれば国民は愚民に早変わりすると。

 

 籠池理事長がその道化役を買って出てくれた。マスコミの寵児となってくれた。従軍慰安婦における吉田清治のようなものだ。前川というおバカ官僚も安倍への復讐心から名乗り出た。これも平成の吉田清治だろう。

 

 買春エロ親父前川をマスコミはヒーロー扱いして恬として恥じない。安倍バッシングに効果ありと見れば何でも使ってみる。これが左翼の戦術だ。

 

 これも連日連夜数か月。国民はいい加減飽きるかと思ったら、内閣支持率を思いっきり下げた。これにはマスコミもびっくり。こんな下らないワイドショー的報道が又もや効果を表すなんて捨てたもんじゃないと。やはり国民の「愚なる部分」に焦点を当てることが一番だと、左翼マスコミは改めて気付いた。

 

 安倍首相の対応もまずかった。マスコミに謝ってしまったのだ。これでは益々マスコミは増長するしこの戦法に自信を持つ。

 

 逃げ回るばかりの内閣や自民党もやられた原因を作っている。毅然として正論をぶち上げていない。獣医師問題でなんで前川ごときに下らないことをしゃべらして放っておくのか。政権が攻めるシーンが一つもない。

 何も悪くないのに、悪いイメージが先行する。危機管理が全く出来ていない。ネットでは政府には何ら問題がないということで統一されていたのに。 

 

 そして、東京都議選。週刊新潮、文春は待っていましたとばかり、自民党バッシングを繰り広げる。ほとんどはウソ、でっち上げだろう。

 

 豊田真由子議員の「このハゲー」もトラップだろう。豊田議員もひどいのは確かだが、あの元秘書は用意周到、誰かとつるんで計画的に議員を嵌めた、つまり嫌がる失敗をこれでもかこれでもかと仕出かして議員が怒り狂うのを挑発したものと思われる。

 

 それ以外にも週刊誌には自民党議員バッシングが色々出ている。基本的には都議選小池ファーストの会の支援のための記事であり、マスコミが一体となって自民党を追い込み、8年前の再現を狙っているのだ。

 これで都議選小池ファーストの会の圧勝は間違いない。

 

 国政レベルでの自民党1強もこれで崩れる可能性がある。しかし、8年前と違うのは民進党はその受け皿にはなりえないということだ。

 愚民としての国民もこの件では民進党に移らない。いくら何でも民主党のデタラメさは体で覚え込んでいる。

 しかし、問題なのは小池ファーストの会の国政進出だ。これが民進党に替わる受け皿になる可能性がある。

 といっても恐らく心配はいらないだろう。小池百合子は都政に関しては無方針であり、無能なんだから必ずここ12年でボロが出る。総選挙も近いかもしれないが、その時までにはダメな小池、ダメな小池ファーストの会が知れ渡っているはずだ。

 

 ではマスコミはどうするか。まともな政策で自民党を叩いても効果がないとするなら、愚なる国民を相手にするしかない。愚なる国民が喜ぶものを提供し続けることだ。

 自民党議員のどうでもいい発言、言動を針小棒大、フェイクニュース作りまくりの1年とするのだ。

 ポストトゥルースとは何か。真実の後というのはどういう意味か。要は真実は不要だということだ。嘘、フェイクでよい、アメリカを見習って徹底的にフェイクで自民党を攻めていこうということだ。

 

 果たしてそこまで日本国民は愚昧なのだろうか。マスコミの犯罪性にいつ気が付くのだろうか。