地球温暖化批判や再生可能エネルギー批判の私の先生は近藤邦明氏です。私が勝手に思っているだけですが、近藤氏は市井の研究者ですが、地球温暖化批判や再生可能エネルギー批判のレベルはそこらのアホな科学者は足元にも及びません。著作も何冊かありますが、手っ取り早く近藤氏の理論・解説を知るには彼のホームページ「環境問題を考える」を見ることです。ここには素晴らしい論文が詰まっています。因みに、近藤氏の師である槌田敦氏の福島原発事故の分析の資料も掲載されています。

 

 近藤氏は政治的には左翼ですので、安倍政権には批判的で安全保障の考え方も左翼なので私と考え方は異なりますが、左翼=反原発=再生可能エネルギー支持という単純な路線は取っていません。そこが近藤氏の優れたところと言えます。つまり、反原発ではあっても原理的に全く間違っている再生可能エネルギーは排斥し、それを後生大事にする左翼連中を強く批判しているのです。(注)そこが信頼感の持てる所以です。

(注)

11月6日付朝日新聞によると、蓮舫代表は民進党の滋賀支部の会合で、原発と再エネについて次のようなおバカな発言をしている。

「原発の増設あるいは新設はしない。その代わりに再生エネルギーをどんどん進めようではないか。これが産業になる。成長戦略になる。雇用を生む。金が域内、国内、県内で動く仕組みを作ろうではないか」

 近藤氏はこの蓮舫の馬鹿げた発言に特にコメントしていないが、知れば当然の如く「もう少し勉強しろよ」と批判するだろう。

 

 トランプが当選した直後「トランプの『パリ協定脱退』に期待する」というブログを近藤氏は書いています。短いながら非常に優れた地球温暖化批判の評論です。以下に掲げましたので、ぜひ読んでみて下さい。

 

近藤邦明「環境問題を考える」より

トランプの『パリ協定脱退』に期待する!米国の温暖化政策は、政権の経済基盤・支持基盤によって決まる(2016/11/12)

 『エコファシズム』=『人為的CO2地球温暖化ファシズム』が体制となった日本や多くの国々では、もはや人為的CO2地球温暖化の科学的な検討は棚上げされ、非論理による人為的な温暖化を前提として政策が立案されるようになって久しい状況です。米国は、京都議定書に対して共和党ブッシュ政権は参加しませんでした。これは誠に賢明な判断だったと考えています。
 ブッシュ政権になるまでのクリントン民主党政権は温暖化の危機を煽っていました。副大統領ゴアの肝いりで制作された『不都合な真実』という人為的CO2地球温暖化仮説の宣伝映画は、あまりにも非科学的で事実の歪曲が多かったため、英国の教育現場では排斥されました。

 ブッシュ政権を経て、オバマ民主党政権に移行すると再び温暖化対策を重視する方向に方針が転換されました。そして、今回トランプ共和党政権はどういう判断を下すのか、注目です。なんとか公約通り、パリ協定から即刻離脱してくれることを祈りたいと思います。

 さて、私はナイーブに(笑)、トランプが誠実で自然科学を重視する人間などと買いかぶっているわけではありません。ただ、実業家であり現実主義者であることは間違いないであろうと考えています。

 米国の温暖化に対するスタンスは民主党政権なのか共和党政権かによって180度変化してきました。これは理由がないわけではありません。共和党政権はどちらかと言えば米国の伝統的な、あるいは旧来の古い体質の濃い政党であり、対して民主党は『進歩的』で新しい都市生活者やエリート層に基盤を持っています。
 エネルギー政策においては、共和党は炭鉱や油田という旧来のエネルギー産業をバックボーンにしています。これに対して民主党は原子力や再生可能エネルギーなどの新しい技術をバックボーンにしています。1980年台以降はスリーマイル島原発事故、チェルノブイリ原発事故を経験した結果、原子力は後退し、再生可能エネルギーに中心が移っていました。

 そこに米国発の人為的CO2地球温暖化仮説という突拍子もない非科学的な仮説が登場します。民主党支持勢力など新興勢力は人為的CO2地球温暖化仮説を利用して石炭産業や石油産業から再生可能エネルギーや環境技術で経済的な覇権を奪取しようと画策します。
 チェルノブイリ原発事故で原子力に対して危機感を持ったヨーロッパでも人為的CO2地球温暖化仮説に便乗し、再生可能エネルギーへの移行が叫ばれるようになります。これは環境保護派の非科学的な市民運動が環境技術を持つ企業に踊らされた結果だと考えています。
 一方、石炭産業や石油産業をバックボーンに持つ共和党政権は、人為的CO2地球温暖化仮説の非科学性を主張して伝統的な石炭産業や石油産業を守ろうとするのです。その結果として、図らずも(笑)、共和党政権は自然科学的に正しい選択をしてきたのです。
 トランプ政権が選挙戦の公約通り、炭鉱労働者や油田労働者の救済のためにパリ協定から離脱するかどうかは、米国内における経済的な綱引きによって決定することになるでしょう。注目していきたいと思います。

 

 さて、米国から離れて考えれば、なぜ西欧先進国や日本が非科学的な人為的CO2地球温暖化仮説を信奉しているのかを考えてみます。これもすぐれて国内産業に対する経済効果によって決まっているのです。
 多くの西欧諸国や日本といった、工業技術力は高いが、エネルギー資源がさほど豊富ではない国では、石炭や油田に従事する労働者の意見はそれほど大きくなく、むしろ工業製品輸出企業が大きな発言力を持っています。これは米国の民主党支持層と同じ経済的な背景なのです。
 また、一般的な家電・機械製品では次第に後発工業国の低賃金による安くてすぐれた製品によって世界市場における先進工業国の相対的なシェアは低下傾向を示しています。そこで、人為的CO2地球温暖化防止のための先端技術を用いた付加価値製品(=高額製品)市場が大きくなれば、先進工業国の経済的優位性が復活する可能性があるのです。パリ協定の発効で、思惑通り、アフリカ地域などで再生可能エネルギー導入量が増加して、マーケットが急拡大し始めているのです。

 日本の国益を考えれば、自然科学的な妥当性はともかく、人為的CO2地球温暖化仮説を正しいとしていたほうが儲かるのだからそうしておこう、というのが権力や資本の本音です。
 人為的CO2地球温暖化仮説を正しいとしておきたい直接の利害関係者である気象関係の自然科学者は人為的CO2地球温暖化仮説を正しいものだとして吹聴します。しかし、その自然科学的な実体については、かつて東京工大の丸山茂徳さんが「科学者の9割は地球温暖化CO2犯人説はウソだと知っている」(2008宝島社)で書いた通り、根も葉もないコンピューター・ゲームの世界の虚構にすぎないのです。
 しかし、エコファシズムの完成した今の日本では、「地球温暖化対策」のための研究者には優先的に国家的な研究予算が配分される一方、人為的CO2地球温暖化仮説を科学的に検証しようとすれば、研究予算がつかないどころか、私のように(笑)非国民扱いされ、悪くすれば社会から抹殺されてしまうような状況になっているのです。

 「まあ、儲かるのならば、科学的な問題は棚上げして人為的CO2地球温暖化仮説が正しいと信じておけば、八方うまく収まるから放っておけばいいのではないか?」という意見があるのも承知しています。しかし現実には八方うまく収まるわけではなく、一般国民にとっては何のメリットもないどころか、金をむしり取られることになるのです。
 日本の大企業は環境技術で大儲けしても、日本国民は彼らを肥え太らせるために法外な対価を支払わされているのです。例えば電力料金。既に昨年の再エネ賦課金として年間1.5兆円以上が電力消費者から徴収されています。また、あらゆる商品が環境性能を謳って割高なものになっています。環境性能を謳った工業製品を買わされる発展途上国も先進国の大企業のカモです。

 CO2放出削減技術と言うのも、全くのまやかしです。京都議定書発効以来、各国で環境技術が導入されていますが、一向にCO2放出量は減りません。これは当然です。今のCO2放出量削減技術というのは、極めて近視眼的なものであって、世界全体の工業の収支から見て、CO2排出量を削減する効果があるかどうかは何の保証もありません。

「発電施設からCO2放出を減らします」「自動車からのCO2放出を減らします」といったところで、その代替技術を実現するためには莫大な付加的な石炭や炭化水素燃料の消費が必要になるからです
 例えば風力発電を考えます。定格出力2MWの大型の風力発電装置は、高さが100mを超えるような巨大機械構造物です。設備利用率は平均すると15%程度でしょうか。この巨大な風力発電装置を建設するためには、陸上でも200t以上の鋼材が必要です。海上の浮体構造内なればおそらくその倍以上が必要でしょう。定置用の内燃機関を利用した発電装置ならば、鋼材の使用量は10tに満たないのです。
 風力発電と定置型の内燃機関発電機の生涯発電量当りの石炭ないし炭化水素燃料消費量はおそらく風力発電の方が大きくなるでしょう。更に、鋼材を始めとする資源消費量は爆発的に大きくなり資源浪費を加速することになります。

 

 愚かなパリ協定を有名無実にするために、なんとかトランプ米大統領には頑張って欲しいものです。 

 (引用終り)

 

<追伸>

 「環境問題を考える」を今チェックしたら今日もパリ協定離脱について書かれていました。

人為的CO2地球温暖化仮説の自然科学的な再検討の開始の契機(2016.11.16)

「(前略)

トランプ次期大統領に最も実現してほしい、そして実現可能性の高い公約がでっち上げの人為的CO2地球温暖化仮説に基づくパリ協定からの脱退です。折しもパリ協定発効以降最初の『気候変動枠組条約第22回締約国会議(COP22)』が18日までマラケシュで開催されていますが、合わせてパリ協定第一回締約国会議=CMA1も行われています。パリ協定締約国の代表はトランプ氏の発言に一喜一憂しているようです。

 さて、パリ協定は世界の大多数の国と地域が参加を表明しています。またパリ協定が実効性(笑?!)を持つためには大CO2排出国であり、最大のスポンサーである米国の参加が不可欠です。米国以外の締約国は強力にパリ協定からの脱退に反対することになるのは必定です。
 トランプ政権のパリ協定からの離脱を思いとどまらせるためには、人為的CO2地球温暖化をでっち上げと認識しているトランプ氏に対して、これを覆すだけの自然科学的な論拠を示すことが必要です。しかし、これは人為的CO2地球温暖化をでっち上げた気象研究者にとって、実は最も触れたくない部分なのです。彼らは、人為的CO2地球温暖化仮説の脆弱性、もっと端的に言えば自然科学的に誤りであることを知っているだけに、これを白日のもとに晒すような議論は避けたいはずです。おそらく苦肉の策として、米国以外の締約国は人為的CO2地球温暖化仮説の自然科学的な議論ではなく、道義的(笑)な理由を論拠として米国の説得を試みることになるでしょう。

 

 私は、薄汚い裏表のある政治的駆け引きにまみれていない現実主義者であり実業家であるトランプ氏にこそ、徹底的に人為的CO2地球温暖化仮説の自然科学的な論争を再開する可能性を感じています。米国内には人為的CO2地球温暖化仮説の間違いを主張しているまともな自然科学者は少なくありません。トランプ政権は彼らを動員して人為的CO2地球温暖化仮説の自然科学的な妥当性を徹底的に再検証することを指示することによって、自らの主張の正当性を証明する道を選んでほしいと考えます。

(引用終り)