卓球福原愛選手、リオでは「サー」という掛け声は余り聞かなかった気がするがどうだっただろう。もう忘れてしまった。昔は当初、この福原愛選手独特の「サー」にびっくりしたものだった。まあいろんな掛け声があっていい。スポーツ種目によって様々だろうから。

 

 ネットをみると、

「もともとは中国で球が台から外れることを「下(シャーと発音)」と判定したそうです。注意して聞いてみるとほかの国の人もサーやらシャーやら言っています。選手さんのコーチのほとんどが中国人ですからそこからきているとも考えられます。」

 

「福原選手が「サー」を発することによる効果はいくつかあるそうだが、その中のひとつが「自己暗示」である。そして福原選手の「サー」は、このセルフトークの「凝縮バージョン」なのだという。

 セルフトークは「今日も勝つ!絶対に勝つ!私なら負けない。負けるはずがない」のように、文章形式でなければいけないが、卓球の場合だと、サービスやレシーブのときや、激しいラリーの応酬の最中にブツブツと文章形式で自分に言い聞かせる余裕がない。

 けれど「サー」というスポーツオノマトペであれば、長い文章の代わりに一言で自分自身に暗示をかけられる。「今日も勝つ、絶対に勝つ!」のような強い気持ちをぎゅっと凝縮したのが「サー」という言葉なのだそうだ。」(「卓球観戦が15倍面白くなるブログ」より)

 

 「卓球観戦が15倍面白くなるブログ」の説明がもっともらしいが、特に目新しくもないし、なぜ「サー」なのかの説明にはなっていない。

 

 今日たまたま黄文雄著「捏造された昭和史」(ワック出版)を読んでいたら、次のような文を見つけた。中国軍の督戦隊についての記述だ。

 

「日本軍では隊長が先頭に立って「進め!」と命令を下して突進するが、中国軍(日中戦争時)では兵士が先頭に立たされ、督戦隊がその後ろにいて「殺!殺!殺!」と叫び、後退する兵士がいれば射殺する。」

 

 督戦隊とは仲間の兵士が逃げないように仲間を殺す役目を持つ。ドイツ軍にもソ連軍にも督戦隊はいた。調べたら、アメリカ南北戦争時に督戦部隊を南北両軍とも戦闘時に配置していたらしい。日本軍にはなかったのがうれしい。

 この本には、この中国軍督戦隊が叫んだ「殺!殺!殺!」の単語の横にルビが小さく振ってあった「殺(サー)!殺(サー)!殺(サー)!」と。

 

 「サー」ってどこかで聞いたことがあるなと急に思いついた。福原愛選手の掛け声と同じじゃないか。そうか「殺!」と掛け声を掛けていたのか。

 中国軍督戦隊の「殺!」は、「前進して戦え、さもないと殺すぞ!」という意味の掛け声だ。恐らく中国軍兵士はこの「殺!」の掛け声に縮み上がって、進むも地獄、退くも地獄の気持ちで死にもの狂いで戦ったのだろう。それだけこの「サー」には相手を脅しつける気持ちが込められていたのだろう。

 

 福原愛選手は中国で卓球を学んだのだから、中国人選手が「サー」という掛け声を真似しただけだろう。ネットにある「中国で球が台から外れることを「下(シャーと発音)」と判定した」からなんていうものを語源としているのは全くのこじつけだろう。

 沖縄左翼と機動隊のやり取りじゃないが、勢いをつけるためには汚い言葉でもなんでも相手を威嚇できればよい。だから中国人選手の発する「サー」はきっと「殺!」にちがいない。恐らく意味は「ぶっ殺してやる」とかなんとか。

 

 福原愛選手は余りそういうことを知らずに真似をしてしまったのではないか。しかし、今や中国語ペラペラの愛ちゃんは当然言葉の意味を知ったことだろう。だからリオの大会ではあの掛け声を余り聞かなくなったのかもしれない。

 この説はあくまでも私の仮説でありますので、念のため。ネットには優秀な人がいるから既に気付いていた人もいたかもしれないが、本当のことを伝えると愛ちゃんが可哀そうだからそっとしておいたのかもしれないね。