希少難病の創薬に光、患者由来iPS細胞で疾患再現に成功 | 犬と猫の健康ごはん

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中学2年生ら3人、京大グループに皮膚細胞提供

京都大の戸口田淳也教授らの研究グループが、筋肉などが骨になる希少難病の少年から皮膚細胞の提供を受け、iPS細胞(新型万能細胞)をつくって、骨に変化させることに成功した。グループは、骨化を抑える初の治療薬の開発を進めており、臨床応用を目指す。

希少難病は、これまで患者数の少なさで創薬の研究が進まなかったが、細胞を提供した兵庫県明石市の中学2年生、山本育海君(14)は、「治療にやっと光が見えた」と期待している。

山本君の難病は「進行性骨化性線維異形成症」(FOP)で、傷ついた筋肉、腱、じん帯が再生する時に激痛を伴いながら骨になる。遺伝子の異常で起こるが、炎症や痛みを抑える以外の治療薬はない。

国内で約50人という患者の少なさや、患者の筋肉や骨が大量に得られないことなどが、製薬会社にとって治療薬を開発するうえで大きな障壁だった。

事態が好転し出したのは、山中伸弥・京都大教授が開発した様々な組織の細胞に変化できるiPS細胞の登場がきっかけ。8歳で発症した山本君は、2008年3月、京大がiPS細胞を使った難病研究に乗り出すことを新聞記事で知り、09年に母、智子さん(38)や支援団体「FOP明石」と京大を訪問、山中教授と戸口田教授らに会い、研究に必要な皮膚片の提供を申し出た。

皮膚採取の刺激が骨化を進める恐れもあったが、「早く薬をつくってもらうために頑張る」と決意した。その後、別の患者も協力し、これまでに計3人分のiPS細胞が作製され、骨への変化に成功した。健康な人と比べて大幅に骨化しやすいことがわかった。

今後は患者のiPS細胞を大量に作り、様々な薬品と反応させる実験を進めていく。有力な候補が見つかれば製薬会社と共同で新薬開発を目指す。

戸口田教授は、「iPS細胞を使えば、治療薬の開発費はある程度抑えられる。研究成果を骨粗しょう症の治療にも応用できる可能性がある。協力企業は現れると思う」と話す。

出典:読売新聞